法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

大河原邦男ツイッターがすごい

開始して半年もたたないが、興味深い話がいくつも。特に先日から定期的に過去の没デザインを公開しており、どれも興味深い。
Twitter / Account Suspended
たとえば下記のロボットはボトムズジープだったらという考えを、そのまま可変ロボットとしてデザインしたもの。2001年の企画というから、『機動戦士ガンダムSEED』を手がける1年ほど前か。
今晩は。1日お疲れ様でした。ボトムズがジープ。ハマーだったら?2001年企画。残念ながら日の目を見なかった・・・ごゆっくりお休み下さい。オヤスミナサイ。
変型パターンをうかがわせるロボット形態も公開している。開放型の操縦席に対し、左右のパネルが起き上がり、さらにボンネットがせりあがって密閉するような形になるらしい。
お早うございます。積雪が無くラッキーでした。ハマーイメージのロボット形態をUPします。制作に至らなかったデザインも多数あります。楽しい1日を(祈)


下記は1996年にデザインしたロボットで、「餓沙羅鬼コンペ用」とあるところから、1998年に放映された*1TVアニメ『ガサラキ』の主役機とわかる。
お早うございます。今日は週1の母との面会。色々な仕事。1996年8月デザインのボトムズより小さい搭乗型ロボット(餓沙羅鬼コンペ用)をUPします。楽しい1日を(祈)
純軍事的な近未来兵器かと思わせ、伝奇SF的な由来を持っていることが一目でわかるデザイン*2ボトムズよりも小型という発注によるものらしい。
お早うございます。没デザインの構造とミリタリー調にリデザインした物をUPします。今日も有意義な1日で有ります様(祈)
コンセプトから必然的に導かれた太股の形状で和風らしさもかもしだされている。たしかに、パワードスーツではない搭乗型ロボット兵器においては、最もサイズが小さい部類に入るだろう。背骨が組み込まれたデザインは、後に手がけた『∀ガンダム』のヴァッドで採用された。
一連のツイートを受けて、メカアニメーター大塚健が太股稼動軸コンセプトのイラストを描いたところも面白い。大塚健は実際に『ガサラキ』でメカ作画監督として参加していたから、実際に作画した可能性もあったのだ。
http://twitpic.com/3zjmma


おまけに別デザインについての会話で、さらに興味深い話もあった。1992年企画の没デザイン。

この可変モックアップまで完成したデザインは、黒猫何とかがスポンサー候補だった作品『機獣警備隊 ダイガオー』のものという。別のツイートとでは、彩色もされて、ほとんど商品として完成した立体試作品まで見られる。
今晩は。今日も1日お疲れ様でした。グリフォン合体の試作写真をUPします。楽しい夢を(祈)
これに対する大塚健ツイートで、実際にアニメとしてある程度まで完成していたことも判明した。

第1話まで完成していたとは、どこが手がけたものなのだろうか。


また、デザイン話とは全く別個に、ツイッター開始直後の驚くべきツイートが1つ。福田己津央監督*3が本人かどうか確認する電話をしたそうなのだが……

やはり劇場版の『機動戦士ガンダムSEED』はメインデザイナーすら進捗状況を知らない状態ということか……半年前の話ではあるが。

*1:正確には、先行して雑誌『月刊ニュータイプ』で連載小説が存在していた。

*2:ちなみに実際の『ガサラキ』では出渕裕と荒牧伸志が採用され、伝奇SFロボット「骨嵬」は大畑晃一がデザインするという形で演出的にも分担された。出渕版デザインも首すらない先鋭さで、頭頂部のハッチを開放すると蛇が口を開けたように見える演出ギミックが仕込まれていた。

*3:自身もツイッターを利用している。http://twitter.com/fukuda320