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汚染水移送の特殊車両を日本へ 米国

2011年4月22日 7:08

 福島第一原子力発電所で、復旧作業の妨げとなってる放射能汚染水の処理が大きな課題となっている。その汚染水の移送作業に、アメリカの核関連施設が支援の手を差し伸べようとしている。

 サウスカロライナ州にあるエネルギー省の核関連施設は、冷戦時代には極秘とされてきた施設で、核兵器用のプルトニウムを作っていた。

 この施設が日本のために用意したのが、放射能汚染水を運ぶことができる特殊車両。中のタンクは分厚い鉄と鉛の壁で覆われている他、特殊な空気フィルターがついていて、放射性物質が外に漏れない仕組みになっている。一度に4000リットルの汚染水を運ぶことができる。

 施設の担当者は「日本の事態は急を要します。我々にできることをしたい」と話しており、汚染水をためる5つのタンクも同時に発送する準備を進めている。合計約3300万円分のこれらの設備は、全て寄付するとしている。

 この施設には、高レベルの放射性廃液をガラスで固める世界最大の工場がある他、軍事用の原子炉5基を廃炉にした経験もある。日本政府に対しては「放射能除去のためのあらゆるノウハウを提供したい」と話していた。