AppleやSamsungは特別な技術を使っているわけではない。
むしろ、日本の技術力は未だ優位性がある。
にもかかわらず、日本のデジタル家電は世界を相手に苦戦している。
そういった視点から書かれた本です。
日本の企業に足りない点を指摘する一方で、国産製品の持ち味についても言及するなど、
ただ貶すだけの記事や日本の技術力を礼賛するだけの記事とは少し違います。
Appleの躍進以降、似たような言説の断片はネット上に山ほど転がっていますが、
1人の著者によってまとまって記述されているという点で価値のある本です。
また、出版から3年ほど経っているので、
事情が変わっている点なども多少ありますが、
大筋は現在でも通用すると思います。
読んでて楽しいですよ。

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メイドインジャパンとiPad、どこが違う? 世界で勝てるデジタル家電 (朝日新書) 新書 – 2010/10/13
西田宗千佳
(著)
日本の電気製品が世界で苦戦を強いられている。「メイド・イン・ジャパン」神話崩壊と中国の工場の台頭は、生産方法やサポートにも影響を及ぼしていた。今家電はどう作られているのか、なぜ生産国の価値がなくなったのかをひもとく!
- ISBN-104022733594
- ISBN-13978-4022733597
- 出版社朝日新聞出版
- 発売日2010/10/13
- 言語日本語
- 本の長さ224ページ
著者について
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1971年福井県生まれ。フリージャーナリスト。
得意ジャンルは、パソコン・デジタルAV・家電、そしてネットワーク関連など「電気かデータが流れるもの全般」。主に、取材記事と個人向け解説記事を担当。朝日新聞、読売新聞、日本経済新聞、アエラ、週刊朝日、週刊現代、週刊東洋経済、GetNavi、DIME、日経トレンディ、 AV Watch、ASCIIi.jp、マイコミジャーナルなどに寄稿する他、テレビ番組・雑誌などの監修も手がける。
小寺信良氏と共同でメールマガジン「小寺・西田の『金曜ランチビュッフェ』」を毎週金曜発刊。同メルマガは、単品版としてKindleでも金曜夕方以降に配信中。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2010年11月16日に日本でレビュー済み
デジタル家電を取り巻く状況についてよく分析してあります。
主にアップル社の戦略を取り上げて、現在のデジタル家電がプラットフォームを基盤としたものづくり戦略が分かりやすく理解できます。
今後日本のメーカーがどのように進むべきかということについて参考になると思いました。
また、海外のメーカーのマーケティング能力の高さというのも分かり、家電技術のあり方について考えさせられました。
主にアップル社の戦略を取り上げて、現在のデジタル家電がプラットフォームを基盤としたものづくり戦略が分かりやすく理解できます。
今後日本のメーカーがどのように進むべきかということについて参考になると思いました。
また、海外のメーカーのマーケティング能力の高さというのも分かり、家電技術のあり方について考えさせられました。
2011年2月15日に日本でレビュー済み
iPadなどの電子書籍、プレイヤー、ゲーム機のトレンドについてコンパクトに
まとまっており読みやすい。短時間にこの分野の知識を身につけたい人には
最適の本である。
読んでいて面白かったのは、これからのデジタル家電に求める性質は、操作性の
「気持ちよさ」とユーザーインターフェイスをどれだけ高めるかである。
特に日本製については、「高級なパーツで官能的な商品を作れること」と指摘する
点だ。日本は携帯電話や白物家電の「ポルシェ」のような最高ブランド商品を
作れる国として世界の尊敬を集めなくてはならない。
また、今後のデジタル家電は「修理するより新品交換する」ことだ。
世界最大のEMSである台湾の鴻海精密工業は、中国深セン市に40万人の工員がおり、
アップル、任天堂、ソニーのゲーム機など製造しているが、組み立ては両面テープや
プラスチックのハメ込みであるという。修理を放棄することで、ビスやドライバーから
開放され、生産作業が効率的になるとともに、薄さと軽さを追求できる。
同業界を見る新しい視点を得られたように思い、読後の満足感が高かった。
まとまっており読みやすい。短時間にこの分野の知識を身につけたい人には
最適の本である。
読んでいて面白かったのは、これからのデジタル家電に求める性質は、操作性の
「気持ちよさ」とユーザーインターフェイスをどれだけ高めるかである。
特に日本製については、「高級なパーツで官能的な商品を作れること」と指摘する
点だ。日本は携帯電話や白物家電の「ポルシェ」のような最高ブランド商品を
作れる国として世界の尊敬を集めなくてはならない。
また、今後のデジタル家電は「修理するより新品交換する」ことだ。
世界最大のEMSである台湾の鴻海精密工業は、中国深セン市に40万人の工員がおり、
アップル、任天堂、ソニーのゲーム機など製造しているが、組み立ては両面テープや
プラスチックのハメ込みであるという。修理を放棄することで、ビスやドライバーから
開放され、生産作業が効率的になるとともに、薄さと軽さを追求できる。
同業界を見る新しい視点を得られたように思い、読後の満足感が高かった。
2010年11月5日に日本でレビュー済み
デジタル家電で、
日本のもの作りを復活させようという、本です。
商品開発とか、モノ作りのバリューチェーン等に言及しており、
メーカー的な、専門的な見地で書かれています。
モノ作りのルール(=ビジネスモデル)が変わったことを、
分かりやすく解説してくれますので、
日本企業の苦戦の理由も分かります。
成功事例を盛り込むことで、
日本のもの作りの復活にエールを贈る著者の気持ちも伝わります。
地味なテーマかもしれませんが、
面白く読了できました。
日本のもの作りを復活させようという、本です。
商品開発とか、モノ作りのバリューチェーン等に言及しており、
メーカー的な、専門的な見地で書かれています。
モノ作りのルール(=ビジネスモデル)が変わったことを、
分かりやすく解説してくれますので、
日本企業の苦戦の理由も分かります。
成功事例を盛り込むことで、
日本のもの作りの復活にエールを贈る著者の気持ちも伝わります。
地味なテーマかもしれませんが、
面白く読了できました。
2011年3月14日に日本でレビュー済み
iPod,iPhone,iPadと立て続けにヒットを続けるアップルにやられっぱなしの日本の家電業界ですが,なぜにこれほどまでに差がついてしまったのかを明快に解説しています.一言で言えばものづくりのルールが変わったということでしょう.
今でも日本メーカの製品はアップル製品よりも遙かに優れた部分が多いと言います.しかし,アップル製品の方が圧倒的に魅力的なのは,ユーザの求めるところにフォーカスし,大量生産を見込んだ設計にすることで大胆に無駄をカットしているところにあります.
本書を読むと日本のものづくりに対する技術レベルの高さを再認識するとともに,市場のルールが変わってしまったということを理解しなければならないということを痛感します.家電業界,通信業界に興味のある方は是非どうぞ.
今でも日本メーカの製品はアップル製品よりも遙かに優れた部分が多いと言います.しかし,アップル製品の方が圧倒的に魅力的なのは,ユーザの求めるところにフォーカスし,大量生産を見込んだ設計にすることで大胆に無駄をカットしているところにあります.
本書を読むと日本のものづくりに対する技術レベルの高さを再認識するとともに,市場のルールが変わってしまったということを理解しなければならないということを痛感します.家電業界,通信業界に興味のある方は是非どうぞ.
2011年9月17日に日本でレビュー済み
iPadやKindle、電子書籍といったところについて、鋭い指摘をしている西田氏の本。出版されたのが2010年10月とちょうど1年ぐらい前なので、まったく著者のせいなのではないけど、ちょっと古い。
やっぱり、こういうIT関係のビジネス書は旬を逃すとつらいかもしれない。もっと早く読むべきだった悔やむところだけど、ただ、1年後読むと、著者の予想とうか、論述が当たってるところとそうじゃないところが明確になって、逆に面白いところもある。
出版当時はiPhone、iPad全盛。スマートフォンもタブレットも日本陣営だけでなく、Androidを採用する海外ベンダもおっかけ始めてる状況で、著者の表現もアップル礼賛といった感じだった。それから1年、現時点ではどうだろう?相変わらずiPhone、iPadは良く売れてはいるんだろうが、むしろ市場にはスマートフォン、タブレットともにAndorid OSを搭載した機種が続々と出てきている。Appleの優位性は薄れたと見るべきなんだろうか?
また、日本のメーカーの動きは気になる。この本では、任天堂のニンテンドー3DSとかを評価していたが、発売後、大ヒットという感じではない。
またSHARPの電子書籍端末、GALAPAGOSもAndroidを搭載するようになってしまった。結局、日本のメーカーは、「プラットフォーム」を握ることはできなかったのか...この本の終わりで、著者は日本の技術力は高いと言っていたが、この技術力を生かせるような方策は、1年後の今も見いだせていないような気がする。
やっぱり、こういうIT関係のビジネス書は旬を逃すとつらいかもしれない。もっと早く読むべきだった悔やむところだけど、ただ、1年後読むと、著者の予想とうか、論述が当たってるところとそうじゃないところが明確になって、逆に面白いところもある。
出版当時はiPhone、iPad全盛。スマートフォンもタブレットも日本陣営だけでなく、Androidを採用する海外ベンダもおっかけ始めてる状況で、著者の表現もアップル礼賛といった感じだった。それから1年、現時点ではどうだろう?相変わらずiPhone、iPadは良く売れてはいるんだろうが、むしろ市場にはスマートフォン、タブレットともにAndorid OSを搭載した機種が続々と出てきている。Appleの優位性は薄れたと見るべきなんだろうか?
また、日本のメーカーの動きは気になる。この本では、任天堂のニンテンドー3DSとかを評価していたが、発売後、大ヒットという感じではない。
またSHARPの電子書籍端末、GALAPAGOSもAndroidを搭載するようになってしまった。結局、日本のメーカーは、「プラットフォーム」を握ることはできなかったのか...この本の終わりで、著者は日本の技術力は高いと言っていたが、この技術力を生かせるような方策は、1年後の今も見いだせていないような気がする。