混雑したスーパーのレジに並んでいると、「なんだか隣の列はスムーズに流れてる...!」と感じることはありませんか? 果たしてこれは気のせいなのか、本当にそうなのか?The Engineer Guy」こと、米イリノイ大学のBill Hammack氏が、この謎について説明しています。

 Hammack氏は、冒頭動画において、19世紀ドイツの電話技術者によって行われた電話交換の研究を引用しながら、現代の銀行窓口やスーパーのレジの列の仕組みを説明しています。

ある時点で、窓口やレジに多くの人が押し寄せると、キャパシティオーバーとなり、遅れが発生するものですが、それぞれに列を作らせると、この状況が悪化するとか。これに比べて、「フォーク型」と呼ばれる、一列に並ぶ仕組みにしたほうが、3倍もはやくなるそうです。なぜなら、ひとつの窓口・レジで遅れが生じても、他の窓口・レジでカバーできるから。また、「フォーク型」は、列に並ぶ人々にもメリットが...。「どこが早いか?」を気にする必要がなくなり、無駄なストレスを軽減できます

また、窓口・レジごとに並ぶ場合、自分の列よりも他の列のほうがはやいと感じるのは、単なる気のせいでもなく、確率の面からみてもいえることだそう。たとえば、A、B、Cの3つのレジがあるとして、Bが他のレジよりも早くなる確率は1/3。つまり理論上、3回に2回は他のレジのほうが早いはずなのです。

これによると、「フォーク型」のほうが効率的な列の作り方といえそうですが、日本のスーパーでは、まだあまり導入されていないのが現状。従来の「各レジに並ぶ式」で買い物をするときは、「自分の列よりも早い列はあるものだ」ということを認識して、「あっちのほうが早かった...」とか「この列、選んで損した」など、過度にストレスを感じないほうがいいかもしれませんね。このほか、レジにまつわる記事としては、ライフハッカーアーカイブ記事「スーパーのレジの裏話あれこれ」もどうぞ。

Why the Other Line is Likely to Move Faster [YouTube via Consumerist]

Whitson Gordon(原文/訳:松岡由希子)