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かりゆしウェア 自由に楽しく マキシ丈ワンピも

2011年7月19日11時3分

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写真:スターテックスの女性用かりゆしウエア。ボタンダウンで、ポケットからワシのデザインが顔を出す=沖縄県北谷町拡大スターテックスの女性用かりゆしウエア。ボタンダウンで、ポケットからワシのデザインが顔を出す=沖縄県北谷町

写真:スターテックスのクマゼミ柄かりゆしウエア。左はデザイナーの玉木真次郎さん=沖縄県北谷町拡大スターテックスのクマゼミ柄かりゆしウエア。左はデザイナーの玉木真次郎さん=沖縄県北谷町

写真:レキオのかりゆしウエア。右はパフスリーブの女性用、左は琉球藍で染めた男性用=沖縄県宜野湾市拡大レキオのかりゆしウエア。右はパフスリーブの女性用、左は琉球藍で染めた男性用=沖縄県宜野湾市

写真:かりゆしウエアを着こなす沖縄県庁商工振興課のみなさん。仕事柄、着用率が高い=那覇市拡大かりゆしウエアを着こなす沖縄県庁商工振興課のみなさん。仕事柄、着用率が高い=那覇市

写真:昨年度の「かりゆしスタイルデザインコンテスト」で優勝したワンピース=沖縄県提供拡大昨年度の「かりゆしスタイルデザインコンテスト」で優勝したワンピース=沖縄県提供

 沖縄の夏のシャツといえば「かりゆしウエア」。いまや、「スーパークールビズ」の代名詞として、役所でも認められている。南国ムードを盛り上げようと考案されて、すでに40年。参考にしたアロハシャツの自由さを受け継ぎ、多様で楽しいデザインが生まれている。

■多様なデザイン続々

 男性は33人中25人。女性は17人中1人だった。

 7月初めの平日午前、沖縄県庁のロビーで、かりゆしウエアを着た人を数えてみた。男性職員は、作業着以外はほとんどかりゆし。黒っぽい背広のズボンを合わせる人が多い。女性への広がりはいま一つといった感じだった。

 若手ではチノパンやスニーカーで着こなす人も増えた。ただ、「5枚くらい持っていますが、正直、休みには着ませんね」と男性職員。仕事用の制服ととらえているらしい。夏の喪服用も定着しているという。

 最近は、地元の若手デザイナーの参入などで、デザインは多様化しつつある。

 沖縄県北谷町の「スターテックス」(11〜2月はインターネット販売のみ)ではボタンダウンが人気=[1]。身幅は細め、七分袖もある。代表の玉木真次郎さん(39)が4年前にブランドを設立。仕事着を意識している。

 シーサー、ガジュマル、カンムリワシなど沖縄の風物柄で「らしさ」を表現する。クマゼミ柄のシャツには80年代のアロハシャツの布地をあしらい、遊び心を利かせた=[2]。

 宜野湾市の「レキオ」=[3]=には、パフスリーブの女性用かりゆしウエアが。ピンク色でデイゴやヤンバルクイナ、牛などをプリントした。琉球藍で染めた男性用もある。伝統的な手仕事を使い、沖縄の色合いを伝えるのがねらいという。

 かりゆしを生み出したアロハシャツは、広くデザイナーの創造力を刺激してきた。先駆者の一人、パパスのデザイナーの荒牧太郎さんは、25年前から毎夏、男性、女性向けのアロハを発表している。

 アロハの魅力は「プリントの魅力」と荒牧さん。南国の花や果物、ゴルフ、ヨット、パラグライダーなどを多色使いでプリントし、リゾートの楽しさを街に持ち込む。多くて10以上の色違いがあり、ピンク、白、赤が人気という。

 スーツにも合わせられるが、着こなしのコツは「気軽に、気楽に、アロハ気分を持つ」。ローカルカラーを打ち出すだけでなく、決まりにとらわれない自由さという精神は、かりゆしにも受け継がれている。(安部美香子)

■アロハ参考に40年前誕生 

 かりゆしウエアの前身「沖縄シャツ」は、本土復帰前の1970年に生まれた。当時の観光連盟会長がハワイでアロハシャツを見て、沖縄でも南国らしい服で観光客にアピールしようと提案した。

 当時はアロハシャツと同じ半袖開襟。トロピカルウエアとも呼ばれていたが、90年に名前を公募し、めでたい、縁起がよいという意味の「かりゆし」(嘉利吉)を採用した。00年の九州・沖縄サミットで各国首脳が着て有名になった。

 同じ年、県がかりゆしウエアを「沖縄県産品で、沖縄らしさを表現したものであること」と定義。デザインは問わないことにした。名前は商標登録され、お墨付きの下げ札もある。

 普及のため、昨年度はデザインコンテストを開催。今年3月の「東京ガールズコレクション」にも出展し、来場者投票で入賞作を決め、マキシ丈ワンピース作品=[5]=が優勝した。

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