正論

旧宮家の皇籍復帰の実現 国民「請願」で皇室再建を 東京大学名誉教授・小堀桂一郎

東京大学名誉教授・小堀桂一郎氏(小松洋撮影)
東京大学名誉教授・小堀桂一郎氏(小松洋撮影)

 月刊誌「正論」の平成24年3月号に皇室典範問題研究会といふ小規模な民間の任意団体の報告書「皇位の安定的継承をはかるための立法案」の要綱が掲載されてある。今は世間からは悉皆(しつかい)忘れられてゐる記事であらうが、これは上記の民間有志が平成14年から平成20年9月までの7年間に亙(わた)り、途中平成17年の小泉内閣による皇室の構造改革といふ伝統破壊工作に切迫した危機感を覚えながら鋭意まとめ上げた研究成果である。

≪皇籍復帰による宮家再興を≫

 この報告書は完成直後に、当時結成されてゐた「皇室の伝統を守る国会議員の会」の代表を務めてゐた数人の自民党の代議士氏にお預けして、快く受取つて貰ふ事は出来たのだが、その時の議員諸氏の話では、国会議員一般の間ではこの問題についての関心は全く冷え切つた状態にあり、切角の提案もどの様にして生かしたらよいか、全く未知数といふ正直な返答であつた。それでも提案者側は、この成果報告について有志の会が、この文書の含む情報・資料・見解等について著作権めいたものを主張する事は毛頭なく、全ては議員立法等の措置を立案する委員の方の自由な使用に委ねる旨をよく説明して辞去したものだつた。

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