都庁の契約電力、7割を中部電に 切り替え打診
東電値上げけん制
東京都は25日、都庁舎(新宿区)で使う契約電力の約7割を中部電力に切り替える方向で検討を始め、同社に打診したことを明らかにした。東京電力の値上げ方針に反発を強めており、けん制する狙いもある。
都庁舎の契約電力は1万1000キロワット。100%東電から購入しており、値上げで約1億円の負担増になると試算。都は調達先を分散するため4月に3000キロワットを東京ガスに切り替えることを既に決め、残る8000キロワットを中部電に切り替えたい意向だ。猪瀬直樹副知事が同社に打診した。
中部電は同日、「東京都から要請を受けたのは事実。検討はしている」と明らかにした。
具体策は今後詰めるが、都が中部電と特定規模電気事業者(PPS)として契約し、いったん東電を経由して供給を受ける形が想定される。
ただ、実現へのハードルは高い。関西電力の全原子力発電所停止により関西で電力供給不安が高まり、中部電は関電にも電力を融通する必要がある。値上げの影響が大きい都内企業は多い中、都が供給を受けるには相当の理由が求められる。中部電が停電した場合のバックアップ体制の確保も欠かせない。