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ソニー、「スマート高画質」の“ブラビア”春モデルを発表インパルスモード搭載(1/3 ページ)

» 2012年03月23日 17時57分 公開
[ITmedia]

 ソニーは3月23日、液晶テレビ“BRAVIA”(ブラビア)の新製品として、「HX850シリーズ」など5シリーズ14モデルを発表した。上位モデルにブラウン管のインパルス駆動を模した「インパルスモード」を新たに搭載したほか、約170種のネットワークコンテンツを楽しめる「SEN」(Sony Entertainment Network)対応を拡大。Blu-ray Discレコーダー一体型もラインアップした。4月下旬から順次発売する。

左は「KDL-55HX850」にオプションの専用サウンドバースタンド「SU-B553S」(オープン価格、5月25日発売)を取り付けたもの。スタンドは薄型化され、アルミ素材を使用してインテリア性を向上させた

シリーズ名 HX850シリーズ HX750シリーズ EX550/EX540シリーズ HX65Rシリーズ
概要 プレミアムモデル(55V型、46V型、40V型) ハイスペックモデル(55V型、46V型、40V型、32V型) スタンダードモデル(32V型、26V型、22V型) BDレコーダー一体型モデル(46V型、40V型、32V型)
出荷時期 5月25日 4月20日〜 4月20日 4月20日

上位2シリーズにインパルスモード搭載、超解像も進化

 インパルスモードは、4倍速技術「モーションフローXR960/480」の動作バリエーションとして追加されたもの。ほかの動作モードは、前後のフレームから中間フレームを生成して動きをなめらかにするのに対し、インパルスモードでは同じフレームを4回描画しつつ、バックライトを点灯するのは最後の1枚だけにする。もっとも安定した4番目のコマだけを映し出すことでブラウン管のようなインパルス発光を擬似的に再現し、動きの速い映像も残像感のない非常にくっきりと映像として視聴できるという。

 ただし、バックライトの発光時間が短くなることから、映像が全体に暗くなるうえ、フリッカーも出やすくなるという難点がある。このため、室内の照明を落として映像を鑑賞するような「こだわりのユーザー層」に向けた機能と位置づけられており、通常のシーンセレクトにインパルスモードは採用されていない。利用する際には、ユーザーがモーションフローのメニューから明示的にインパルスモードを選択する必要がある。

インパルスモードの動作イメージ(左)。「X-Reality PRO」でQVGAのネット動画に超解像を施したデモ(右)

 映像エンジンは従来と同じ「X-Reality PRO」ながら、データベース型の複数枚超解像技術には2つの新機能が加えられた。この技術は、入力映像を解析し、HD/SD映像やネット動画など、さまざまな入力ソースに適したデータベースと照合することで最適な映像処理を加えるというもの。今回は参照するデータベースに「3D(飛出し用)」「3D(奥行き用)」を追加。それぞれのデータベースを設けることで、3D映像にかける超解像技術の効果を向上させた。同社によると、BS/CSなどに多いサイド・バイ・サイド方式もよりくっきりとした映像で視聴できるという。

 もう1つは、「美肌コントロール」機能。従来から人の肌を美しく見せるデータベースは入っていたが、今回はデジタルカメラでおなじみの顔認識を活用し、人の顔がある場所を特定して処理を行うことで、肌の質感などをより自然で美しく見せることができる。

顔認識で精度を上げた「美肌コントロール」(左)と新たにデータベースに追加された「3D超解像」

 ソニーでは、この「X-Reality PRO」と4倍速パネル、そして液晶パネルと表面ガラスの間に特殊樹脂を充填して外光反射や映像光の拡散を抑える「オプティコントラストパネル」の3つを合わせ、テレビ番組からネット動画までのさまざまな映像ソースを美しく見せる「スマート高画質」として訴求する考えだ。

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