Shinjuku-Station in Tokio: Bahnhof der verlorenen Traume
ドイツ新聞「新宿駅から夢は消え去った」(ドイツの反応)

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ttp://www.spiegel.de/reise/staedte/shinjuku-konsum-beherrscht-riesigen-bahnhof-in-tokio-a-830281.html

ドイツの新聞「東京の新宿駅は焼き栗から宝くじ、大人のDVDまで買える」

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井上レイコさん(70)は東京の中心で30年間、宝くじを売り続けている。宝くじ売り場は南口からさほど遠くない交差点にある。


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売店を開くことから彼女の朝は始まる。


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仕上げに、プラスティックの桜と折り紙の鶴を屋根に吊るす。


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華奢な彼女は、高度経済成長期に比べると宝くじを買う人がだいぶ減った今でも自分の仕事が大好きだと言う。


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新宿にはたくさんの銀行や役所、ホテルがあり、東京の政府の中心ともいえる。


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また、それらと同じように新宿には数えきれないほどのバーやレストラン、売店などが立ち並び、”夜の町”としても有名だ。


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夜、新宿は光の町に姿を変える。


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新宿駅は世界で一番利用者が多い。 毎日300万人以上の人がこの改札を抜けていく。


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JR線だけでも何十万という人々が毎日乗り降りする。


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静岡出身の坪田エミさんは3年間、新宿駅の地下で焼き栗を売り続けている。


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実際に山で栗を拾ったことはないという彼女は、今日もこの高い焼き栗を宣伝する。


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林カツトシさん(42)はもっと心地の良くない仕事に従事している。男性が邪魔されずに大人のDVDを見れる店を宣伝している看板を掲げる仕事だ。


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紅い拡声器を使って午前の割引サービスを懸命に伝える林さん。殆どの通行人は彼に目もくれず急ぎ気味に通り過ぎる。


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DVDの店は少し離れたところにある。林さんには、いつ彼の上司がここから出てきてちゃんと彼が働いているかチェックするか知る由もない。



日本一大きな駅の一つ、新宿がモンスターなら、井上レイコさん(70)はちょうど右鼻のところに座ってる。彼女の宝くじ売り場は南口、交通の激しい交差点に位置している。井上さんはここで30年もの間、新宿駅を出入りする人々に希望を売っている。

宝くじ売りは儲かる仕事ではない。宝くじは一枚200円で、おにぎりより少し高いくらいだ。利益の大半は宝くじ会社に持っていかれる。しかしそれでも家賃をやっと払えるくらいは収入がある。経済成長が著しかった80年代にはこの店の前に列ができていたという。そのころの井上さんはよく海外旅行に行き、ゴルフもしていた。今、どれくらいの人が宝くじを買っているかという問いに彼女が答えることはなかった。考えるだけで憂鬱になるという。雨が降ったら店は閉じているという。

今日は雨が降っていたが、この華奢な女性は店にいた。朝から店を組み立て、飾り付けをするのに精を出した。幸福を運ぶという招き猫が手を振っている。井上さんは膝の上に毛布を置き、お客さんを待っていた。


輝く世界の中で行われる競争...

JR線だけでも新宿駅では毎日300万もの人々が乗り降りしている。もちろん新宿駅にはJR線のみが走っているわけではない。小田急電鉄や西武鉄道、東京メトロも通っている。新宿は世界一利用者の多い駅なのだ。

頭をかがめながら、人々の群れはトンネルや階段、改札を潜り抜けていく。そう、ここはもう迷宮なのだ。さらにこの流れを乱すようなものは、柱やコンビニに逃れる。出口に着いたものは快楽の溢れる消費の世界・新宿の姿を見ることになる。そこで日夜行われる競争。それはお金を絞り出そうと訪れる人々を言葉巧みに信じ込ませる競技なのだ。

ゲームセンターの前では巨大うさぎがそわそわと行ったり来たりし、その中ではパチンコと呼ばれる運試しゲームがものすごい音をたてている。そして、どこを見渡しても、広告で溢れているのだ。どの家の壁を見ても、まるでテトリスのように広告が敷き詰められている。カラオケはいかがですか?焼き鳥美味いよ!パチンコ新台入りましたよ?漫画喫茶あります!ラーメンどうだい?かわいい子揃ってるよ!
これら全てが安く、カラフルで、そして虚ろなのだ。信号が青に変われば、小枝にとまることすら不可能なはずの、いもしない鳥が鳴き、人々の群れが動く。


なぜ立てかけてはいけないのか

林カツトシさん(42)はこの街を彩る装飾の一部にしか過ぎない。彼は南東口に立ち、左手には大きな看板を携えている。「午前中は180分たったの1000円!完全防音!ブルーレイ対応!年中無休です!!」と声を張り上げる。看板のビデオショップは男性のみ入場可能なのだと、林さんは丁寧に教えてくれた。

始めのころは、看板にあるこの”自慰部屋”の割引を何時間も叫び続けるだけで声が嗄れていたという。それでも毎日やり続け、これで4年目を迎える仕事について林さんはこう語る。「意外と慣れてしまうもんなんです。立ち続けるのも、恥ずかしさにも...お金が必要ですからね」

私たちは彼になにか立てかけるものを用意してあげたかった。しかしここでは看板を立てることは許されていない。私たちは彼の看板に持つところを着けてあげたかった、それで看板を持つのも少しは楽になるだろうと思ったからだ。しかし、この看板に文句をつけるのは禁じられているという。

林さんがサボっていないか確認しに、上司が店から出てくることがあるが、いつチェックしてるのか知る由もない。「たまにしかチェックしてない時もあれば、頻繁にチェックされる時もあります」と林さんは言う。だから今日も彼はそこに立ち続け、叫び続ける、たとえ通行人全てが彼を無視しても。

林さんにだって夢はあったはず、それはなんだったのだろう。「昔は、プログラマーになるのが夢でした」と林さんは語る。しかし彼の夢は期待通りの物でなかったらしい。林さんはバイトを終えると、個人プログラマーとして働いている。スクリーンの前に座り、2時3時まで働くという。プログラミングは彼の夢見ていたほど楽しいものではなかった。しかしお金を稼ぐためには必要なことなのだ。


ガラスケースにならんだ焼き栗

林さんの立っている何メートルも下に、一日中立っていなければいけない女の子がいた。彼女の名は坪田エミさん(22)。新宿駅がモンスターなら、この法学生はおへそのあたりに立っていることになる。そこには日の光は全く届かない。紺のブラウスのボタンを首のところまでぴたっと留め、髪を三角巾で覆い、彼女は栗を売っていた。

店は掃除用具置き場より小さい。椅子すらない。「疲れちゃいけないんです。そうとは分かってるんですが、腰が痛くなりますね」坪田さんはそう語る。彼女の前には香ばしい焼き栗がガラスケースの中で白熱灯に照らされていた。一度、1人のお客さんが6キロも一度に買っていったという。約180ユーロ。そんな彼女は一度も栗を拾ったことはない。働き終ると、そのまま買い物に行くと言う。

「え~、私の夢ですか?」坪田さんは頭をかく。「今を高く評価しているだけじゃだめなんですか?」幼稚園にいるときには医者になることが夢だったという。その夢はかなわなかったが、この学生はまったく気にしている様子はない
。「法律は、みんなが思っているより楽しいんです。それに、両親も友達も元気ですから、それで良いんです」と坪田さんは語る。そして思い出したように、声をあげて栗を宣伝する。それでも店の前を通る人はだれも気にせずただただ通り過ぎていく。

外ではまだ宝くじ売りの井上さんが座っていた、まだお客さんを待っているのだ。ちょうど今、やせこけたサラリーマンが宝くじを何枚か買っていた。「昔はテレビタレントになりたかったんです」井上さんは語る。「でも娘が生まれて、夢は夢のまま...」そう語る井上さんは、それでも今の仕事が好きだと言う。30年間、この交差点で宝くじを売り続けている井上さんは、「この宝くじ売り場は私の物なのよ」と誇らしげに言った。

働いた日には一枚、宝くじを自分のために買って削っているという井上さん。「私の売り場からはもう9回も大当たりの1億円が出てるんですよ!」そう言って笑った。100万ユーロ...それだけあれば彼女はやっとベトナムにいる弟に会いに行ける、そして、また余暇をゴルフに興じることも...



コメント

AKI CHIBA

新宿は一番デカい!!心がデカい人もたくさんいる!そして俺らのデカい町ベルリンよりも多くの人々が行き交いしてる!だから僕らドイツ人が新宿を客観的に観れなくなっちゃうのも無理はない。酔ってるわけではないのに、新宿では道行く人になんどもなんどもぶつかるんだ。林さんや栗売りの少女みたいな人だってたくさん見た!駅から小便してる人だっていた。彼らは毎日を最小限に生きているんだ。そして駅の近くでは小便をしてる人もいた。そしてこの有名な交差点は100年来変わってない。こんにち飲み屋の前でしょんべんする人はいなくなった。そこにはペコペコしてる営業人がお客を中に入れようと必死になってるからな。その横では上司が焼き鳥を食べながら従業員の姿を監視してる。日本のビールだけは、至福だな。これだけで憂鬱じゃあなくなる。ドイツ人も日本人を客観的に観なきゃあダメだ、俺みたいにな。


mindmonkey

俺は2010年に行ったきりだな、東京。ホテルが新宿駅のちかくでさ、こういうのに慣れてないと本当に新宿駅がモンスターに見えてくる。僕の日本人ハーフの彼女も新宿には行きたくないって言ってたし...僕自身なんどもなんども迷ったけど、アマチュアフトグラファーにとってはいい経験だったな。迷えば迷う程、面白いところにぶち当たるから。この記事は書かれてると思う、感情の部分ですごく共感できるところがあるんだ。ヨーロッパ人の偏った見方だけれど、これはこれで良いんじゃないかな、日本人の性質である「謙遜」がよく表されてる。彼らは文句ばかり言ってないで、現在を一生懸命に生きているんだ。世界中どこに行っても、昔は違う夢を持っていた人はいるよ。


postmaterialist2011

私は長い間日本に住んでたけど、数週間前、また新宿にいたの。日本も新宿駅も、かなり意気消沈していたわ。誰も未来を信じていなかったし、新宿駅の中や周りをうろついてた浮浪者たちは消えていなかった、ただ彼らは日の当たらないところに隠れていただけ。表情のないサラリーマンやOLは人生に希望を見いだせないでいる。悪いけど、とっくに上海やソウルのほうが東京よりランクが上よ。多くの人が日本を20年前から変わっていないと思ってるけど、この20年で、日本はかなり変わったわ、誰もが考えなきゃいけないほどにね。


laamkuti

去年、2回東京に行ったんだ。それで彼女や友だちからこの国の文化を学んで...この国のことを少し理解できるようになってきた。記者が「全てが安く、カラフルで、そして虚ろなのだ」って言ってるのは、他の国とは一線を画している消費文化と娯楽産業の一部のことをさしてるんだと思う。でもそれでいいじゃないか。日本の労働・社会生活は非常に質の高いものだし、確かに厳しく虚ろなところもあるかもしれないけれど、それでもいいと思う。記者に注目してほしかったのは駅じゃなくて、多種多彩で高水準のレストラン文化だよ。この新聞の日本についての記事選択にはけっこう失望してるね。日本人はドイツ人を尊敬してくれているから何も言わないけど、彼らがドイツの駅のことを記事にしたらどうなるか...


cyn

うーん、僕もこの記事は良く分からないな。大きな駅は世界各国同じでしょ。この記者は新幹線に乗って松島かどっかに行って来るといい、そうすればもっと広い視点を持って新宿駅を見ることができるんじゃないかな。


tylerdurdenvolland

私は横浜駅が好きだな。新宿駅と比べてもあまり小さくないのに、そんなに消費産業が盛んじゃない気がするの。それになにより海まで徒歩10分だしね!!


Alfons Emsig

この記事はまるで自分の国ドイツの大都市のことを書いているみたいで、読んでて心が痛かった。


Hamu-Sumo

個人的に東京の駅は魅力的以外のなにものでもない。新宿、秋葉原、上野、どの駅も魅力的なんだ。消費産業で触れていてもいいじゃないか。それに、日本人は常に急いでいるから時間に遅れないんだぜ?


spon

東京はよく整理された町だよ、だから外国人をひきつけるんだ。






記事:クニッゲ

オーストリアのバスの中に携帯を忘れてきてしまいました。日本だったらともかく、外国だからもう諦めるしかないかと思いながらもバス会社にメールを送ると、なんと携帯を見つけて保管しているから取りに来てほしいとの電話とメールが!オーストリアの意外な優しさと安全性に驚かされた瞬間でした。今から取りに行ってきます。

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