日系のチェコ極右党首「EUは肥大化、崩壊も」 トミオ・オカムラ氏インタビュー

プラハ市内の事務所でインタビューを受ける極右「自由と直接民主主義」のトミオ・オカムラ氏(宮下日出男撮影)
プラハ市内の事務所でインタビューを受ける極右「自由と直接民主主義」のトミオ・オカムラ氏(宮下日出男撮影)

 先月のチェコ下院選挙で第3勢力に躍進した極右新党「自由と直接民主主義」(SPD)のトミオ・オカムラ党首(45)がプラハで産経新聞のインタビューに応じ、欧州連合(EU)の肥大化を強く批判。「このままでは崩壊する」と持論を展開した。

 「反移民」を唱えるオカムラ氏は愛国主義重視について「文化などを大事にするのは日本も同じ」とした上で、EU批判も「愛国主義に基づくためだ」と解説。「(EUが加盟国に)一方的に命じるやり方はファシズムだ」とし、特に難民の分担策には「ソ連でさえ、誰と一緒に住むかは強制しなかった」と批判した。

 EUは「西欧など裕福な国に都合のよい」機関とも述べ、「東欧は西欧の多国籍企業にとって市場と安い労働力の供給源でしかない」と強調。チェコ経済は堅調だが、「企業が利益を得ているだけ。(国民の)給料は安いままだ」と訴えた。

 ルペン党首率いるフランスの極右「国民戦線」など各地の反EU勢力と連携しているとするオカムラ氏は、「目指すのは可能な限り緊密な欧州の主権国家による協力。孤立ではない」と強調。反EU勢力が後退しているとの見方には、オランダやオーストリアなどの総選挙結果を踏まえ、「議席は増え、強くなっている」と反論した。

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