救済・復興に「非伝統的手法」の断行を(中川秀直) | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

救済・復興に「非伝統的手法」の断行を(中川秀直)


テレビ映像でみても、今回の震災は、人類史上の記憶に残る中でも最も悲惨なものになるかもしれない。

現地の情勢が把握できないため、被災された方の数字は確認された数字のみが公表されているが、事態はそのようなレベルを越えていることが映像から理解できる。

行政機関の末端は壊滅しているところがある。行政機関は電話が不通になれば機能しない。伝統的な手法で、救済と復興ができるレベルをはるかに越えている。

とりわけ、行政が壊滅している地域では、救済においても、復興においても、「非伝統的手法」をとることを躊躇すべきではない。

行政が壊滅している地域では、完結した指揮命令系統を持つ自衛隊が全ての被災者によりそい、どこで誰が生存していて、どのような物資が必要なのかをきめ細かく掌握し、対策を講ずべきである。

指揮命令系統を確立しなければ、最も困難な状況のところで海外からの救援隊の善意を生かすことができない。

そして、国会議員が今から考えるべきは、救済から復興への移行期である。「災害弔慰金の支給等に関する法律」に基づく弔慰金支給ですむような災害ではないように思われる。

町の建物が何もなくなったところから、人々の希望をどう再興するのか。

復興においても、非伝統的手法が検討されるべきである。最も非伝統的な手法として以下のようなものが考えられる。

まず、公共事業としてがれきの撤去や公共的施設の再建を行い、そのための人手として現地のみなさんを雇用する。

次に、現地の土地を買収して公有化して住宅建設を行なう。そのための人手として現地のみなさんを雇用する。その後に、希望する方には払下げを行なう。

これには膨大な予算が必要とされるだろう。予算の組み替えも必要だろう。しかし、必要な予算は、国債の日銀引き受けという非伝統的手法によってでも確保し、東北の奇跡といわれるような短期間での希望の復興を実現しようではないか。

(3月13日記)中川秀直