NY金、初の1400ドル台 世銀総裁発言で買い
【ニューヨーク=西村博之】8日のニューヨーク金先物相場は3日続伸し、取引の中心となる中心限月で初めて1トロイオンス1400ドル台を突破した。欧州での財政不安の再燃に加え、世界銀行のゼーリック総裁が金の価格を参照値として用いる新たな通貨体制づくりを呼びかけたことが買い材料となった。金先物の最高値更新は3営業日連続。
ニューヨーク商品取引所(COMEX)では、中心限月の12月物が前週末より5.5ドル高い1トロイオンス1403.2ドルで通常取引を終了。その後の時間外取引で1413.3ドルまで上げた。
米連邦準備理事会(FRB)が先週、本格的な量的緩和に踏み切り、市場の「カネ余り」が商品価格を押し上げている面もある。この日はゼーリック世銀総裁が8日付の英紙への寄稿で「ドル、ユーロ、ポンド、円、人民元が協調する新通貨体制」を提唱。将来の物価や通貨価値の参照値として金を用いるよう訴えたのを手がかりに、金価格の上昇に拍車がかかった。
8日のニューヨーク原油先物相場も6営業日連続で上昇。取引の指標となるWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)期近の12月物は時間外取引で一時、1バレル87.49ドルまで上昇し、期近物として2年1カ月ぶりの高値をつけた。