良くも悪くもジョブズさまさまだったりして...
iOSを搭載するiPhone、iPod touch、iPad向けに多彩なアプリケーションの並ぶApp Storeが、なんとMac OS向けにも「Mac App Store」としてオープン間近であることが正式発表されちゃいましたけど、これって一体どこまで期待してもよいものなんでしょうか?
確かに速攻で使えるようになって、お気に入りの対応アプリケーションをドシドシとダウンロードできちゃう手軽さには素晴らしいものがあるでしょうね。もうソフトウェアを買いに店まで出かける必要はなくなっちゃいそうです。おまけにアプリの更新アップデートも一発ですしね。
ん、でも待てよ。これまでもApp Storeをめぐっては賛否両論が入り交じり、特にその審査基準をめぐる批判が絶えなかったような...。Mac App Storeは大丈夫なの? ちょっと現時点までに公開されて判明している審査基準をのぞいてみることにいたしましょう。ビックリガッカリなとこもあったりして~
そもそもの審査基準が不透明なので、まだ謎に包まれた部分も多いApp Storeですけど、その超厳格なガイドラインをめぐっては、開発者やユーザーからの苦情が時に殺到しているのも事実のようです。そして、心配されていたように、やっぱりMac App Storeに関する規約でも、ジョブズの意向を反映してか、なにやら意味不明の文言が並んだりもしているみたいですよ。
クラッシュを引き起こしたり、明らかにバグが残るアプリケーションの登録は許可されない。
はい、どうもありがとうございます。こういうアプリは確かに絶対に要りませんよね。Mac App Storeに並ぶのは、十分にテスト済みの、ユーザーが安心して使えるハイクオリティーのアプリばかり。なんとも喜ばしいことではありませんか! と、そう思いきや...
それほど役に立たない、あるいは、エンターテインメント性の価値が長続きしないと判断されるアプリケーションは登録を拒否されます。
ん? 一見すると、なんとももっともらしいんですが、この基準って曖昧すぎませんか? 一体どこをもって長続きするエンターテインメント性を判断するんでしょう? 人によってお役立ち度合いだって異なるのでは? 完全にアップル社内の審査員の独断と偏見? なんだかiOSアプリの大半は、Mac App Storeの審査を通りそうにないような気すらしてきましたがね~
アップル製品に損傷をもたらしかねないような意図せぬ使用法をユーザーに促すアプリケーションは登録を拒否されます。
これってどういうアプリなんでしょうかね? たとえば、iPhoneの各種ハード操作系をユーザーがカスタマイズできちゃうようなアプリは一切認められず、その理由として「アップルの意図せぬハードウェア利用は許可されない」だなんて説明が出たりもしてましたけど、けっこうユーザーにとっては大歓迎なアプリでも拒否される可能性が高いってことでしょうかね。
ゲームの中で、特定の人種、文化、実際する政府や企業などを「敵」にしてターゲットに狙うものは適切ではありません。
むむむ、たとえゲームとはいえ、第2次世界大戦をテーマにした歴史物ですとか、アップルを打倒せよ~みたいなパロディー物でも審査のパスは難しそうですよ。
とりわけロシアンルーレットを題材にしたゲームが含まれるアプリは登録を一切お断りいたします。
まっ、マジですか? こちらは名指しで審査拒否を明言しちゃってますよ。ジョブズの美学においては、ロシアンルーレットの存在だけは絶対に許されないそうです...
極度に残酷だったり、いかがわしい公序良俗に反するようなコンテンツが提供されるアプリケーションは登録を拒否されます。
ここはまた大きな議論になりそうな規約ですよね。すべてが要はアップル目線なんですよ。アップルが「極度」と判定すれば終わり。別に開発者やユーザーはオッケーだと思っても、アップルが不適切と判断した時点で全アプリの登録が拒否される仕組みですよ~
違法なギャンブルにつながりかねないようなアプリケーションの登録も拒否されます。
MacBookを持ち込んでブラックジャックをしてもオッケーよって言ってくれるような寛大な公認カジノでもあれば、そのブラックジャックのアプリは審査登録に合格しますけど、そうじゃなければ、違法なギャンブルを助長する可能性があるので、Mac App Storeからの締め出しが決定ですよ。
いやいや、ざっと確認できるだけの規約を拾い読みしてみましたが、これってどうなんでしょうかね? 現在のApp Storeさえかなわないような超に超がつく超厳格な審査基準みたいですね! 一体どんなアプリが並ぶことになるんでしょうか?
まぁ、ちなみにアップルによれば、この規約は臨機応変に更新されていくため、もっともっと厳しくなってしまう可能性だって十分にあるんだとか。もちろんその逆もあるわけですけどね。ただ、iPhoneのように脱獄しなくっても、他の場所から自分で好きなソフトウェアを見つけてインストールできるのが、せめてものMacユーザーにとっての救いなんでしょうかね...
Sam Biddle(原文/湯木進悟)