浦和がホームスタジアム、駒場スタジアムのネーミングライツ(命名権)を取得する見込みであることが、22日までに明らかになった。クラブが同権を取得することは、きわめて異例の出来事。クラブ名が、スタジアム名称になる可能性もある。駒場スタジアムは2010年から再整備を目的とした改修工事が行われており、今年7月からサッカー場としての利用が可能になる。

 「浦和レッズスタジアム」が出来るかもしれない?

 浦和は、Jリーグ発足当初の93年からホームゲームを開催していた“聖地”駒場スタジアムのネーミングライツを取得する方針。早ければ今月中にも、さいたま市とクラブ側で最終的に合意し、契約することになる。10年から改修工事を行っており、4月から陸上トラックの利用が再開され、グラウンドは7月から利用可能になる。

 クラブ名がそのままスタジアムの名称になるケースとしては、磐田のホームスタジアム「ヤマハスタジアム」が、94年から「ジュビロ磐田スタジアム」となった例がある。しかし、同スタジアムは磐田の前身であるヤマハ発動機が所有しており、クラブがネーミングライツを保有し、命名した名称ではない。

 浦和が同権を保有した場合、クラブが考案した新名称をスタジアムにつけることができる。実現すれば、Jリーグの歴史の中でも異例の出来事と言える。

 同スタジアムを所有するさいたま市は、10年12月に発表した「行財政改革推進プラン2010」において、「ネーミングライツ(命名権)の活用促進」を打ち出していた。官民が連携することで、自主財源を確保し、公共サービスをより充実させる狙いがあった。

 駒場スタジアムには、クラブもサポーターも強い思い入れがある。99年のJ2降格、00年にはJ1復帰を決めている。まさに浦和の歴史を知る場所だ。01年からは、埼玉スタジアムの使用が徐々に増えてきたが、駒場スタジアムの人気は今も根強く、最後に試合を行ったのは、10年10月11日天皇杯3回戦のJ2徳島戦(2○0)。この試合は、天皇杯3回戦としては異例の1万3240人もの観客が集まった。

 今後は、同スタジアムを「レッズレディースの本拠地」とするプランもある。長く駒場スタジアムとして地域住民や、浦和ファンに愛されてきたスタジアムが、名前を変えて再びレッズファンの大切な場所として生まれ変わることになる。

 ◆ネーミングライツ

 さいたま市が保有するJ1大宮のホームスタジアム「NACK5スタジアム大宮」の命名権については、07年5月に、年間3000万円で6年間の契約が結ばれたとさいたま市が発表している。しかし、今季からは2000万円に引き下げられた。また、契約期間については13年度までだったが、2年間延長され、15年度までとなった。