『エクスペンダブルズ』の困った人たち

globalhead2010-10-21
映画『エクスペンダブルズ』を観に行った時のことだ。

オレは上映開始を待ちながら、映画館のロビーで腹筋1000回腕立て伏せ1000回ヒンズースクワット1000回のいつもの日課をこなしていた(指人形で)。ふと顔を上げると、金髪ギャルと小汚いオヤジというどうにも年齢の吊り合わないアベックが目の前を歩いていた。

まああの雰囲気は水商売の同伴だろう。オヤジが妙に鼻高々だが見た目がどうにも貧相なのが哀れを誘う。たまに見るよなああんなの、などと思ってその場は忘れていたが、映画が始まり席に着くと、なんとそのアベックがオレの一つ置いた隣の席に座ったではないか。席についたオヤジは若い娘が隣にいるもんだからもうギンギンに興奮しまくっていて、やたらガヤガヤとうるさい。

そのうちそのオヤジ、スクリーンを指さしてギャルに「エクスペンダブルズ!」とかわめいている。相手の女が何の映画観に来たかわかってないのか?と思ってたらこのオヤジ、またもやスクリーンを指さして「エクスペンダブルズ!」と連呼している。どうも興奮しすぎて訳が分からなくなっているらしい。ヤヴァイなあこんなのの隣かよ、とげんなりしている内に映画が始まる。

するとオヤジ、またスクリーンを指さして何かグジャグジャ言っている。「スタローンだよ!こいつスタローンだよ!」とか「シュワだよ!シュワなんだよ!」とか言っているのに違いない。目に入ったものを全部口に出してしまわないと気が済まないようなのだ。…あああああああうぜええええオメーは遠足に行った幼稚園児かよッ!

それに追い打ちをかけるように今度はなんとケータイチカチカやり始め、女のほうまでキャハハウフフと嘘臭い笑い声をあげている始末。映画館はそこだけキャバクラ状態である。っていうか、キャバクラ行ってやってくれ。

もはやオレも限界である。スクリーンのスタローンがオレに宿る。「てめえらもう許せねェ!!」オレは憤怒の表情に顔を歪ませ、そのまますっくと立ち上がると、黒光りしたゴツイ突撃銃を両脇に、「うりゃああああああああ!」と怒号をあげつつド腐れカップルに鉛の玉を撃ちこみまくったのである。

…というのは勿論妄想で、オレは「やってらんね」とばかりに別の席へ移ったのだ。シネコンで指定席だったけど結構空いてたのが幸いだったのである。いや〜それにしても腐れまくった連中だったなあ。という訳で映画も堪能しエンドロールが流れはじめ、そういえば連中どうしてるんだ?と思って席のほうを見ると、例のオヤジはやっぱりスクリーン指さしてギャルに何事かをわめいているのであった。「長渕だよ!長渕なんだよ!ピーピーピーだよ!」とか言ってんのかな…あああもうホントいっぺん死んでくれというのはこういうヤツに使う言葉だなあ、としみじみ思ったオレであった。