写真●「POWER7+」を搭載するミッドレンジモデル「Power 760」
写真●「POWER7+」を搭載するミッドレンジモデル「Power 760」
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 日本IBMは2013年2月6日、「POWER7+」プロセッサを搭載するサーバー「Power Systems」のミッドレンジ/エントリーモデルを発売した。POWER7+は同社が2012年10月に発売した最新プロセッサで、L3キャッシュを従来モデルの2.5倍搭載するなど、性能を最大90%高めている。今回発表したミッドレンジ/エントリーモデルは8モデルで、2月20日から出荷を開始する。

 POWER7+を搭載したPower Systemsとしてはこれまで、2012年10月に発表したハイエンドモデル「Power 770」と「Power 780」があった(関連記事)。日本IBMは今回、ミッドレンジモデルとして「Power 760」(最大プロセッサコア数は48コア、774万5800万円から、写真)、「Power 750」(同32コア、483万1700円から)という2機種を、エントリーモデルとして「Power 740 Express」(同16コア、238万8700円から)、「Power 730 Express」(同16コア、136万5300円から)、「Power 720 Express」(同8コア、94万5300円から)、「Power 710 Express」(同8コア、83万7700円から)の4機種を追加した。OSはいずれも「AIX」である。

 またOSとして「Linux」を搭載する「PowerLinux」シリーズとして、「PowerLinux 7R1」(同8コア、97万7200円から)、「PowerLinux 7R2」(同16コア、153万3600円から)の2機種を追加している。

 最新プロセッサであるPOWER7+は、プロセッサの信頼性機能を強化し、稼働中に再初期化できる「Power On Reset Engine」という機能や、L3キャッシュのエラーを自己回復する「L3 Cache Dynamic Column Repair」という機能などを追加している。

 またシステムの稼働状態に応じて、プロセッサの電源を細かい単位で停止する機能も強化。従来からあるプロセッサコアのみ停止する「Nap」状態や、コアに加えてL2キャッシュもオフにする「Sleep」状態に加えて、複数コアとL3キャッシュからなる「チップレット」全体をオフにする「Winkle」という状態も追加した。これによって、プロセッサ使用率が低い場合の電力消費量を大幅に削減できるようになったとしている。