イチローの習慣と、矢野顕子の改善

2010年9月25日(土) 18:51:46

ツイッターとかやっていると毎日の情報消費速度が速すぎて、たった半日前のことでも「なんだかずいぶん前のことのようだなぁ」と思ってしまう。そんなことはもちろんよろしくない。でも、そういう流れや変化を批判して思考停止するよりも「そういうもの」として受け入れる方がボクは好きだな。だいたい汽車や電車、飛行機、電話やテレビが出現したときも、情報消費速度は飛躍的に加速したと思う。みんなも文句言ったり批判してきたと思う。その延長線上だ。100年後に振り返ったら、今日の消費速度ですら遅く感じられるかもしれないし。

とか、そんなことが語りたいわけではなくて。
ええと、イチローの10年連続200本安打おめでとう!

って、やっぱり古い感じ(笑)。でもたった2日前のことなんだよね。

で、彼の偉業を称える記事や放送がいろいろあったが、その中でマリナーズで元チームメイトだった城島健司キャッチャー(現・阪神)が語っていた言葉が印象的だったので備忘録として残しておきたい。毎日新聞の記事だ。

(彼は)試合前は「何時に食事、何時にストレッチ、何時にバットを振る」というルーティンを絶対に変えない。選手はイチローさんの行動で、試合開始までの時間が分かった。

イチローさんはいつも「練習の練習をするんだ」と言っていた。試合のための練習は誰でもする。イチローさんは例えば「ウオーミングアップのウオーミングアップ」「打撃練習のための練習」をやる。「そうすれば準備の遅れはない」と。

イチローさんは三振しても、絶対に下を向かなかった。なぜですか、と尋ねたら「やれることは十分にやった」と。準備できることは全部したから、三振しても下を向くことはないと。


これらを読んで、先週号だったかの週刊文春での阿川佐和子と「やもり(矢野顕子と森山良子)」の対談で、矢野顕子が「いまツェルニーを練習している」と言ったことをなぜか思い出した。天才ピアノ弾き矢野顕子が「運指を改善しないといけない」と、ツェルニーを練習しているというのだ。
子どもの頃、クラシックをやってたときに、「ヤなことはやらない」って運指の練習をしなかったから、そのツケが来てる。自分の都合のいいように弾くというか、指がフレーズを選んでるんです。私にとって難しい音を弾きたいという欲があっても、技術が追いついてないの。だから、運指を改善しなきゃいけない。

(自分のことを誰よりも厳しく見つめてるってことよね、と森山良子に言われて)うん。でも、自分に厳しくない人はやめたほうがいいんじゃないのって思う。

チクチクチク。イタタタタタタ。

佐藤尚之(さとなお)

佐藤尚之

佐藤尚之(さとなお)

コミュニケーション・ディレクター

(株)ツナグ代表。(株)4th代表。
復興庁復興推進参与。一般社団法人「助けあいジャパン」代表理事。
大阪芸術大学客員教授。やってみなはれ佐治敬三賞審査員。
花火師。

1961年東京生まれ。1985年(株)電通入社。コピーライター、CMプランナー、ウェブ・ディレクターを経て、コミュニケーション・デザイナーとしてキャンペーン全体を構築する仕事に従事。2011年に独立し(株)ツナグ設立。

現在は広告コミュニケーションの仕事の他に、「さとなおオープンラボ」や「さとなおリレー塾」「4th(コミュニティ)」などを主宰。講演は年100本ペース。
「スラムダンク一億冊感謝キャンペーン」でのJIAAグランプリなど受賞多数。

本名での著書に「明日の広告」(アスキー新書)、「明日のコミュニケーション」(アスキー新書)、「明日のプランニング」(講談社現代新書)。最新刊は「ファンベース」(ちくま新書)。

“さとなお”の名前で「うまひゃひゃさぬきうどん」(コスモの本、光文社文庫)、「胃袋で感じた沖縄」(コスモの本)、「沖縄やぎ地獄」(角川文庫)、「さとなおの自腹で満足」(コスモの本)、「人生ピロピロ」(角川文庫)、「沖縄上手な旅ごはん」(文藝春秋)、「極楽おいしい二泊三日」(文藝春秋)、「ジバラン」(日経BP社)などの著書がある。

東京出身。東京大森在住。横浜(保土ケ谷)、苦楽園・夙川・芦屋などにも住む。
仕事・講演・執筆などのお問い合わせは、satonao310@gmail.com まで。

アーカイブ

同カテゴリーの他記事