元SMAPの稲垣吾郎（43）と香取慎吾（40）の2人が、来年2月にリニューアルするノンアルコールビールテイスト飲料『オールフリー』（サントリー）のCMに起用されることが発表された。ジャニーズ事務所からの退所後、2人そろってのCMは初めて。業界内外からテレビ局での冷遇ぶりが心配されていただけに、2人の起用を喜ぶ声がSNS上を駆け巡った。

　だが「2人の起用よりも、注目されたのは草彅剛（43）を起用しなかった不自然さです」といぶかしがるのは、ある週刊誌の記者だ。

「独立間もない3人のうち、2人だけを起用するのは明らかに不自然です。新事務所のプロモーション上も、ふつうなら誰か1人の単独起用か、3人揃っての起用の形となるはず。草彅のみを起用しなかったのは、やはりあの事件がまだ尾を引いているのではないでしょうか」

　”あの事件”というのは、09年4月23日の午前2時頃、草彅が港区・六本木ミッドタウン近くの檜町公園で、公然わいせつの現行犯で草なぎが逮捕された、あの「泥酔事件」のことである。この事件を気にしたスポンサーや広告代理店が草彅だけを起用から外したのではないかと見る向きは多い。

　この「草彅外し」はネット上でも波紋を呼んでるようで、「一人だけ仲間はずれで悲しすぎる」「ノンアルコールなんだから剛クンも呼んであげてよ！」「外すなら、むしろビール好きの慎吾ちゃんの方でしょ」など悲痛なファンの叫びが見られた。

■”草なぎ外し”はネタ振り？ 競合他社のに単独出演説も

　だが、ある広告代理店関係者からこんな声も聞かれた。

「じつは、草彅には今年秋口にアルコール飲料での単独CM起用の話が出ていました。メディア露出の効果に長けたCULEN(カレン) ・飯島三智女史ゆえ、先に稲垣と香取のCMを発表して”草彅外し”で世論を煽った上で、草彅をアルコールCMで単独起用して”完全解禁”をアピールする意図があるという説まで業界内に流れています。サントリーの別商品か、あるいは競合他社のアルコール飲料かと具体的な候補名も上がっています」

　たしかに『クソ野郎と美しき世界』なるキャッチーすぎるタイトルの映画を発表したり、稲垣の出演番組にあえてマイナーな『5時に夢中』（TOKYO MX）を選んだり、無難なことをして世間からスルーされるより、業界内外に波風や炎上をいとわず話題性を取ってきたカレンである。あえての”草彅外し”でファンの心を揺さぶるのは十分ありえる話だ。

　サントリーは、今回『オールフリー』のおいしさを伝えるメッセンジャー役として「稲垣さんと香取さんが最適と考えました」との起用理由を公表している。では草彅は”最適じゃない”ということになるのか？　ファンの悲しむ声を考えれば、これはネタ振りであると信じたい。

　とはいえ、サントリーというナショナルクライアントでのCM起用は、広告業界の動きに弱いテレビ界では、元SMAPにとって最高の追い風になるのは間違いない。祝杯の美酒は、草彅のアルコールCMが決まった折に3人揃って味わってもらいたいものである。

文・麻布市兵衛（あざぶ・いちべい）

※1972年大阪府出身。映像作家、劇団座付き作家などを経て取材記者に。著書は『日本の黒幕』、『不祥事を起こした大企業』（宙出版）など多数あり。