1319ブレイディみかこ・松尾匡・北田暁大著『そろそろ左派は<経済>を語ろう――レフト3.0の政治経済学――』

書誌情報:亜紀書房,315頁,本体価格1,700円,2018年5月1日発行

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「Society 5.0」は政府が2016年から進める「超スマート社会」の実現を標榜する科学技術政策のこと。これにならったわけではないが,レフト1.0は「オールド・レーバー」,レフト2.0は「ニュー・レーバー」,レフト3.0は欧州の反緊縮運動を指す(松尾の提言)。1.0は大きな政府,生産力の拡大,労働者階級主義,社会主義大国迎合,2.0は小さな政府,反生産力主義・エコロジー,脱労組依存・多様性の共生,発展途上国の自立性尊重を特徴とする。3.0は大きな政府,生産力主義,階級論の復権を意味し,経済成長と雇用(<経済>)を重視する。
消費増税と財政削減の政策に,反緊縮と経済成長を対峙させろ。これからの「左派」3.0に期待を込めていた。「ケインズ自身は第二次世界大戦中に亡くなってしま」(264ページ)ってはいないけど。