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『二つの選挙①』三橋貴明 AJER2012.5.8(3)

『二つの選挙②』三橋貴明 AJER2012.5.8(4)

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北海道十勝管内 音更町(おとふけちょう)「「TPP」に関するまちづくり講演会」

http://www.town.otofuke.hokkaido.jp/town/sonota/sonota/koenkai-230328.html

日時:平成24年5月20日(日曜日) 午後2時から

場所:音更町文化センター

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 エンターテイメント経済歴史小説、「コレキヨの恋文 」、長谷川慶太郎氏との対談本「日本と世界はこう激変する 大恐慌終息へ!? 」、日本の資本主義を語る「悲観論に踊らされるな! ニッポン経済集中講義 」発売になりました!




 昨日は、日本経営合理化協会主催「三橋経済動向塾」で、麻生太郎元総理にご講演を賜りました。とても元気が出る講演で、塾生の皆様もご満足頂けたのではないかと存じます。
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 本講演の音声データについては、もしかしたら「三橋経済塾 第二期」でオープンに出来るかも知れません。続報をお待ちください。


 さて、麻生総理と言えば、自民党の時期総選挙の政権公約(マニフェストという言葉を使いたくないので)が6月9日に発表されるわけですが、その一部が産経新聞により報じられました。


生活保護削減、防災に200兆円集中投資 自民次期衆院選マニフェスト概要判明
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120406/stt12040601150000-n1.htm
 自民党が9日に発表する次期衆院選マニフェスト(政権公約)の概要が5日、分かった。デフレからの早期脱却を目指してインフレ目標を2%に設定、大規模災害に備えた社会資本整備に200兆円を投入するなど「経済や災害に強い自民党」を打ち出した。生活保護の見直しも盛り込み、民主党政権のばらまき体質との違いも鮮明にする。
 デフレ脱却策としては、政府と日銀の政策協定により、欧米並みの2%のインフレ目標を導入。実質成長率3%、名目成長率4%を「巡航速度」とし、大胆な金融緩和措置を実行する。大規模な法人税減税や投資額に応じた損金算入を認める投資減税も盛り込む。
 また、東日本大震災発生を受けて災害に強い国土や社会をつくる「国土強靱(きょうじん)化基本法」(仮称)の制定を明記。平成24年から10年間を重点投資期間と位置づけ、特別国債を発行して道路、港湾、上下水道、通信といったインフラ整備に200兆円規模の集中投資を実施する。
 職業訓練や自立支援プログラムを充実させることにより生活保護からの脱却も促進。自民党が綱領に掲げる「自助」を基本として、「もらい過ぎ」が指摘される生活保護の給付水準を引き下げて所得の低い就労者との所得水準の不均衡を是正する。
 9日の全国政調会長会議で発表後、都道府県連などの意見も取り入れて、最終案を取りまとめる。』


 実質GDP3%でインフレ率2%ならば、名目GDPは5%成長になりますが、まあインフレ率の定義により変わるので、細かいことは良いです。
 重要なのは、平成24年からの「十年間200兆円の国土強靭化投資、インフラ投資」がどうやら明記されそうな点です。しかも、財源が「国債」かつ(これは恐らく)日銀法改正もしくは日銀とのアコード(上記記事の日銀の政策協定のこと)により、「国債発行、財政出動、通貨発行(国債買取)」という正しいデフレ対策のコンセプトに基づいているのは、極めて評価できます。 


 思えば、一年前の東日本大震災後の日本。大震災が発生したにも関わらず、マスコミには「建設国債」の「け」の字も出ず、財務省主導の復興増税という「愚策」ばかりが先行し、一時は絶望しかかったものです。何しろ、日本は「普通に復興」するだけで、被災地の復興とデフレ脱却という二つの課題を達成できたにも関わらず、政権(と財務省)は真逆の方向に進んでいたのです。
 その後、藤井聡先生が5月に「列島強靱化論―日本復活5カ年計画 (文春新書) 」を出版され、言論的な「反撃」が始まりました。 
 当時、藤井先生や中野剛志氏と、
とにかく言論で対抗していくしかないわけだから、やれるだけやろう
 と話したことを覚えています。


 ようやく、自民党の政権公約に「今の日本にとって、正しいデフレ対策」が掲載される可能性が高まっています。まだ、道は半里というところですが、それでも進んでいることに間違いはないのです。


 さて、本日は上記の藤井先生のご投稿がメインです。(三橋は出張と〆切でヤバイ状況になっておりますので)


-------公共投資のデフレ抑止効果は,データから言えば明白だと思います(京都大学大学院教授 藤井聡)------
 91年のバブル崩壊以後,政府はデフレギャップを埋め,デフレの進行を止めようとして公共事業を大幅に拡大しました.バブル直前の頃には25兆円程度であった公共事業費は,バブル崩壊後には10兆円程度も大きな35兆円程度にまで引き上げられました.
 いまの政府や世論の雰囲気を考えれば,一気に10兆円もの公共事業費が増えるなんて言うことは信じられないようなお話かもしれませんが,当日の日本政府は,そういう大規模な財政出動を果たしたのでした.
 ところが,やはり,そんな政府の支出の大規模な拡大に対する批判が,世論の中で拡大していきます.
 例えば朝日新聞ではこのころ,「土建国家」という言葉が出現する頻度が,一気に高まります.バブル崩壊当時の90年も91年頃では,年間通して土建国家という言葉の出現頻度は(なんと!)「ゼロ」だったのですが,公共事業が拡大した93年には「11回」,公共事業関係費が34兆円の水準に達していた98年には実に「17回」も出現することになります.
 こうした世論の批判圧力に押されるようにして,それ以後,公共事業費は,低下し続け,たった10年で半分以下の16兆円代にまで低下しました
 そしてその間,
「バブル崩壊後,気が狂ったように公共事業をやったけど,結局,デフレ脱却なんてできなかったじゃないか.そんなの,全部ムダだったんだよ」
と,メディアでも,政治でも,そして,学会でも言われ続けてきました.
 しかし,はたしてそうなのでしょうか?
 そこで,当時のデータに分析を加えました.それが,
  『デフレーション下での公共事業の事業効果についての実証分析 』 
                  藤井聡・柴山桂太・中野剛志 
という論文です.これは(文字通り!)今し方書き終わったばかりで,まだ出版されていないものですが,取り急ぎ,現在,筆者のHPに掲載いたしております.
(※ つまり,本論文は,査読の過程でさらに修正が加えられる可能性があるものであることを申し添えておきたいと思います)
 詳細は,そちらの論文をご覧頂くとして,ここでは結果だけご紹介しますが,その簡単な統計分析からは,この91年~97年の7年間の,公共事業拡大期,
  「1兆円の公共事業の拡大で,
   名目GDPは4.5兆円程度,拡大していた

という結果が示されました(なお,この水準は,輸出の増加よりも高い水準でした).
 つまり,「この時のおおよそ10兆円程度の公共事業の拡大が無ければ,GDPは45兆円程度一気に低下していた」ということすら,あり得ることなのではないか,ということが示されたわけです(なお,学会的には,これくらいのシンプルな分析では「そんなシンプルな分析なんて,無意味ですね.馬鹿じゃね?」なんて言われるのがオチなのですが,実は,統計分析研究歴20年の筆者の経験からいって,だいたいこういうシンプルな分析の方が,結局は,実態の大局を表していることが多い....という風に感じています).
 そして,こうした公共事業の事業効果は,デフレに突入した98年「以降」も存在していることが,示されました.
 このデフレに突入した後に重要だったのは,デフレーターの抑止効果(つまり,物価下落下支え効果)でした.分析から,
  「1兆円の公共事業の拡大で,
   デフレーターは0.8%向上していた

というような結果が示されました.
 ここで,98年以後,公共事業費は17兆円削られていますが,それを考えると,この結果は,この公共事業の削減によって,デフレーターが合計で13-14%低下してしまった,というような可能性を示しています.
 もちろんこれは可能性にしか過ぎませんから結論付けることはできませんが,少なくともこの間の実際のデフレーターの低下水準は16%ですから,この公共事業の削減によるデフレ促進効果が,凄まじい水準であった事は,間違いないことだろうと思います(なお,この期間,公共事業のGDP拡大効果は統計的に確認されましたが,輸出拡大によるGDP拡大効果は,統計的には「検出されません」でした! ← 地味な話ですが,この話は結構,重要な知見だと感じています).
 この様に,こうしたデータを見れば,
  「公共事業をやっても景気は下支えされなかった」
という説や
  「デフレになってるのと,公共事業の削減なんて関係ない,
  少子高齢化だからデフレなんだ」
  「内需主導の経済成長なんてできない,
   これからは外需主導だ」
といったお話は,単なる「デマ」レベルのものにしか過ぎなかったということはデータを見れば明白なのではないか....というのが,筆者の,今回の分析を行った上での感想です.
 もちろん,こうしたシンプルな分析に対してはあらゆる形の批判はあり得るわけですが,それを全て想定しても,「公共事業の景気下支え効果があるということを,このデータ・分析が示している」という程度のことは,否定しようがない話だと断定しても差し支えないと思います.
以上,ご紹介まで.
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 藤井先生、ありがとうございました!


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