演歌歌手小林幸子（５７）が７日、東日本大震災の被害を受けた福島県相馬市を初訪問し、避難者を激励した。全国ツアー用の１１トントラックに米１０トン（無洗米５キロ×２０００袋）とまんじゅう１万２０００個を積み込み、市内９カ所の避難所を慰問。サインや撮影に応じながら手渡した。

　慰問先に福島県を選んだのは恩返しのためだった。新潟県出身の小林は６４年の新潟地震で被災。０４年の新潟県中越地震、０７年の新潟県中越沖地震では何度も慰問に向かった。その中で「（隣接する）福島県の方々が、ボランティア活動をしてくれたことを覚えている」からだ。

　被災者から忘れられない言葉をもらった。「私たちの思い出は全部なくなった。でも今日、さっちゃんと撮った写真が、これからの思い出のスタート」。小林は目頭を押さえ「雪椿」をアカペラで口ずさんだ。

　避難所を回った後、小林は東北各地を回る復興ツアーの開催意向を表明。「今日も明日も、今年も来年も、支援を続けていきます」と約束した。