2011年後期のNHK朝の連続テレビ小説「カーネーション」(9月26日スタート)のヒロインに、女優尾野真千子(29)が内定したことが15日、分かった。デザイナーの“コシノ3姉妹”を育てた母親の一代記を描く。尾野はNHK土曜ドラマ「外事警察」など高い演技力で知られる注目株。「ゴッドマザー」といわれた主人公を力強く演じることになる。

 「カーネーション」は、ファッションデザイナーのコシノヒロコ、コシノジュンコ、コシノミチコの3姉妹の母で、自らもデザイナーとして活躍した故小篠綾子さんをモデルにした女性一代記。昭和初期、大阪府岸和田市にコシノ洋装店を開き、夫を戦争で亡くしながらも育児と仕事に奔走し「ゴッドマザー」と親しまれた主人公を描いていく。

 物語では、10歳前後の子供時代を除き、10代~50代までを演じる。10代の新人の登竜門としてのイメージが強い朝ドラだが、今回は主に青春時代と3姉妹の母にスポットを当てることから、20~30歳を中心に公募とオーディションが行われていた。制作はNHK大阪放送局が担当する。尾野自身も奈良出身とあって関西弁にも問題がなく「洋服作りに打ち込んだ青春時代、子育てに奮闘した母の愛情など、パワフルに生きた主人公を体当たりで演じられる女優」としてヒロインへの起用が決まったとみられる。

 尾野は中学時代に映画監督河瀬直美氏の目にとまり、97年に映画「萌の朱雀」で主演デビュー。07年には同監督で再び主演した「殯の森」がカンヌ国際映画祭グランプリを受賞している。大河ドラマ「義経」や土曜ドラマ「外事警察」などNHKドラマの出演も多く、日本テレビ系「Mother」、TBS系「MM9」など幅広い役を演じられる実力派として知られる。文化庁芸術祭大賞を受賞した主演ドラマ「火の魚」(NHK、09年)で脚本を務めた渡辺あや氏と「カーネーション」で再びタッグを組むことになる。

 朝ドラは現在放送中の「てっぱん」が3月いっぱいで終了し、3月28日に井上真央がヒロインを務める「おひさま」がスタートする。「カーネーション」は「おひさま」終了後の9月26日からの登場。