たいていのことと同じく、「書くこと」においても実践こそが上達するためのベストな方法です。今回は、トピックを友達やフォロワーと簡単に共有できるサービス「Buffer」の創業者であり、ブロガーでもあるJoel Gascoigne氏による「書くことを習慣にするためのヒント」をご紹介します。

私は過去2年間に50本以上の記事をブログに投稿してきました。特に最近5カ月間は毎週1本の記事を書いています。どうやら読者も記事を楽しんでくれているようで何よりです。

さて、こうして執筆を続けているうちに、「いかにしてブログへの記事投稿を習慣化しているのか」といったご質問をいくつかいただくようになりましたので、あらためて考えてみました。今回は私が書くことを習慣化できたキーポイントを5つお教えします。■「調べもの」にハマり込まないこと

以前までの私は、書く内容について、しっかりした裏付けや調査が必要だと信じていました。また自分のアイデアや経験が、他の人々にとってあまり面白くなかったり、価値のないことだったりするのではないかと、よく考えもしていました。

しかしそのうち、個人的経験に基づく観点から書くことが大切と気づきました。つまり、起業の際の出来事や、人に対する自分なりの考え方などを詳細に伝えるだけでも、読者にとっては面白い記事になるのだとわかったのです。

■ アイデアは寝かせておいてもお蔵入りするだけ

以前は、ブログ記事のアイデアが浮かんだ時には、Tumblrに下書きをして、しばらく寝かせるようにしていました。「まだ完全な形になっていない」とか「伝えるべきポイントが足りない」などと思っていたのです。そうして温めているうちに、いつか完全な記事となって浮かび上がってくると信じていました。

その後、気づきました。「考えが頭に浮かんだときこそが書くのにベストなタイミングだ」と。PCが手元にない、あるいは全てを一気に書く時間がないといった状況でなければ、すぐに書いてしまうべきなのです。アイデアが浮かんだ瞬間こそ、その内容が最もフレッシュであり、その状態で書いた記事こそがベスト。

最近ではすぐに書くようになりましたが、私のTumblrには初期の古い下書きがいまだに眠っています。寝かせることは、そのままお蔵入りにつながりやすいのです。

■悪い結果を恐れるより、記事を公開しないことを恐れるべき

時がたつにつれて、「とにかく表に出してしまう」ことに強く意識を向けるようになりました。出来上がったものはすべて、気が進まないのをこらえてでも、「早く出してしまう」ようにしました。プロダクトであれ、ブログ記事であれ、講演オファーへの返答であれ、先延ばしにするのをやめたのです。

昨年、大量の仕事をすることには絶大なメリットがあることを強く実感しました。例えば、毎週ブログ記事を投稿すると、どういったものが読者に響くのかよくわかるようになります。また、次の記事を書くための刺激もたくさん得られます。さらに、毎週記事を書くことで読者も徐々に増えていきます。TwitterやFacebookのつながりも広がっていきます。その結果、自分のポジションが全体的に良いものとなるのです。

記事を書かないことでそれらのメリットが失われてしまうことを、現在の私は恐れています。

■「書くこと」と自分の目標につながりがあると書きやすい

私の将来の目標は、素晴らしいアドバイザーになること、そして他の起業家のためのエンジェル投資家になることです。起業における課題への解決策に関して多くの考えを持つ、経験豊富なアドバイザーになることを目指しています。

このような一段高いレベルの目標は、難しい状況に対処する際の心の支えとなっています。困難な経験こそ、将来のために必要だからです。さらにこの目的意識は、定期的に書くことともつながっています。あるトピックについて書くことは、内容を頭の中で明確にまとめることになるからです。文章としてまとめておけば、いつか誰かに同じことを聞かれた時でも、価値のあるアドバイスを容易に提供できるのです。

■スケジュールを決めて書く

記事を公開しないことのデメリット。高い目標と書くことの関係。これらを理解した結果、「書くこと」はたやすく習慣化できました。

ブログを始めたころ、私は毎週日曜日に書き、正午までに公開するようにしました。このルールはとても良い方法でした。読者がルールのパターンに気づき、期待してくれるようになったからです。私は今でもこのスケジュールに沿って書いています。

以上、Gascoigne氏による「書くことを習慣化するためのヒント」でした。 自分流の「書くことを続けるコツ」をお持ちの方はぜひ教えてほしいと、Gascoigne氏は呼びかけています。ライフハッカー読者にも、ぜひコメントやFacebookページで共有してください。

5 realisations that helped me write regularly | Joel.is

Joel Gascoigne (原文/訳:河西良太)

Title image illustrated by Dominick Rabrun.