服役中に脱臼し後遺症、国に2800万円支払い命令 神戸地裁姫路支部

 兵庫県姫路市で平成13年に起きた郵便局強盗事件で実刑が確定し、再審請求中のナイジェリア人男性(41)が、神戸刑務所で服役中にひじを脱臼しながら十分な治療を受けられず後遺症が出たとして、国に約4300万円の賠償を求めた訴訟の判決が11日、神戸地裁姫路支部であった。惣脇(そうわき)美奈子裁判長は刑務所の医師らが適切な処置を怠ったとし、国に約2800万円の支払いを命じた。

 惣脇裁判長は判決で、医師らがギプスを固定する処置を怠ったほか、脱臼の整復が十分でなかったなどと指摘。「(男性の)後遺障害との間には因果関係が認められる」と判断した。

 判決によると、男性は19年3月、神戸刑務所で運動中に転倒して左ひじを脱臼。左手の握力が低下し、肘が十分に動かせなくなるなどの後遺症が出た。

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