東京モノレール伸びる 東京駅or新橋駅

2010.09.17


東京駅から直結!? 伸長計画が浮上した東京モノレール【拡大】

 羽田空港と浜松町を結ぶ東京モノレールが、起発点をJR東京駅または新橋駅まで延伸する検討を本格的に始めたことが分かった。東京新聞が報じた。JR東日本の成田エクスプレスとの乗り換えをスムーズにして、羽田−成田間の旅客獲得競争に乗り出すものとみられる。

 東京駅への延伸にかかる費用は1000億円超。新橋駅にした場合は、駅新設を除くと3分の1の費用で済むという。東京モノレールは、早ければ数年程度で延伸できるとみている。成田エクスプレスは現在、新橋駅を通過しているが、JR東が新橋を停車駅にすれば、乗り換えの利便性が高まる。

 JR東は2002年に東京モノレールの株式70%取得し、子会社化した。その後、ICカード乗車券「スイカ」を導入したり、羽田空港から山手線内の運賃を500円にする「モノレール&山手線内割引きっぷ」を発売するなど東京モノレールと連携を深めている。

 羽田と成田の両空港間は現在、京急と京成が相互乗り入れするアクセス特急(約110分、1740円)と、リムジンバス(65−85分、3000円)が結んでいる。今年7月に京成が日暮里−成田空港間を36分で結ぶ成田スカイアクセスを開業。JR東の成田エクスプレスも車両を新型車両(E259系)にして対抗しているが、東京モノレール延伸が実現すれば、羽田の24時間国際化を追い風に、新たな旅客需要の獲得につながる。

 鉄道アナリストの川島令三氏は「1964年の開業当初、浜松町駅を起点にしたのは暫定措置で、本来は新橋駅を起点にする計画だった。だが、いつの間にか立ち消えになっていた。浜松町駅に1本しか車両が入れないのも、この『暫定措置』の影響。延伸で羽田から都心に向かう乗客は増えるだろうが、東京駅の成田エクスプレスホームは地下にあり、大きな荷物を抱えた乗客の乗り換えが課題となりそうだ」と話している。

 

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