※「子会社」を「グループ企業」という表記に訂正しました。

先日から、東京電力の会見内で、東京都の瓦礫処理に関して一悶着あった。東電のグループ企業が、瓦礫の焼却を行うことになった経緯についてだ。

東電社員「寺澤徹哉」が逆ギレ!「東京都の瓦礫処理を東電のグループ企業が行う」ことに関して質問した記者を「出入り禁止」に。(動画)

寺澤徹哉会見内で東電社員の寺澤氏が「東京都の要請により一民間事業者として協力をさせて頂くものでございます」と繰り返し発言をした。そしてそれに食い下がるように質問を繰り返す記者に逆ギレし、一方的に「出入り禁止」を伝えた。

だが、東電・寺澤氏の認識は間違っていた。もしくはウソを付いていたが、あるいはごまかそうとしていた。

これはブログ主が直接東京都に電話して確かめた、ちょっとしたスクープかもしれない。

これまでの東電(寺澤徹哉氏)の主張の要点

まずは、6日午後の会見内の東電・寺澤徹哉氏の発言をおさらいしておこう。

=====(分かりやすい部分だけ部分引用)

寺澤徹哉

※画像は、東電・寺澤徹哉(広報部部長)

田中「瓦礫の処理を御社の下請けが引き受けたと、受注したと。この経緯をちょっと伺いたいのですけれど。おー……」

寺澤「(遮って)はい、それは先ほど申し上げましたように。東京都の、ほうからの要請により一民間企業として協力させていただいたということでございますっ」

田中「そういう抽象的な言葉で言われても困るんですが。あのー、例えばね?」

寺澤「(遮って)それ」

田中「東京都の……」

寺澤「それ以上は、もうお話ができませんっ

=====(引用ここまで)

上記の引用部分は、平等党の田中氏が、東電のグループ企業が東京都の瓦礫焼却処理を行うことになった経緯について会見にて質問していたのを、東電の寺澤氏が一方的に「お話ができません」と会話を打ち切った場面だ。

このあと、食いさがる田中記者に、東電の寺澤氏は感情的になり、会見の出入り禁止を一方的に伝えた。

その詳細を知りたければ、全内容文字おこしを御覧ください。

論点を整理

さて、上記の会見の論点をせいりすると

・東電・寺澤「東電グループ企業には入札で決まった」

・東電・寺澤「東京都の要請で東電グループ企業に」

という趣旨の発言を東電の寺澤氏が行っていた。

だが、事実は違った。

入札で決まったのでもなければ、東京都の要請で決まったわけでもなかったのだ。

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さて、ここからは、私管理人が確認したことを、その順番に従って書いていく。

東京都のプレスリリースを見てみた。

まずは入札に関して調べていたので検索したら、東京都のプレスリリースのページをみつけた。

21)

http://www.metro.tokyo.jp/INET/OSHIRASE/2011/10/20laj400.htm

ちょっと瓦礫処理の工程についてかんたんに頭に入れておく必要がある。

この廃棄物処理の肯定を簡単に説明すると。2つの工程で行われる。

【1】破砕・・・細かく壊すこと

【2】焼却・・・燃やして灰にすること

上記のプレスリリースでは、「破砕業者」が入札によって決まったことをメインに取り上げている。めんどくさいかもしれないが順番にみて、理解していこう。

破砕業者は、その役目から2通りある。区分1、区分2に別れている(このへんは理解しなくていい)。

この破砕業者は公募によって決められたという。

13)

そしてその下の方に、肝心の焼却処理会社が東電のグループ企業「東京臨海リサイクルパワー」に決まった経緯が書いてある。

30)

『 先行事業分から発生する可燃性廃棄物の焼却施設は、募集要領に示された要件を満たした焼却施設を選定することになっています。今回は、すべての処分業者が東京臨海リサイクルパワー株式会社(江東区青海三丁目地先)を選定しました。』

あれ? 6日の会見では、

寺澤氏「東京都の要請により一民間事業者として協力をさせて頂くものでございます」

と発言していたが?

ここでは、処分業者が「東京臨海リサイクルパワー」を選定したという記述になっている・・・。

矛盾点が見つかった

東電の言い分と、東京都プレスリリースに矛盾があるので整理しとく。

●東電・寺澤の会見での発言「東京都の要請」

●東京都プレスリリース「処分業者が選定」

おいおい、言い分が双方ぜんぜん違うじゃないかよ・・・。どうすりゃいいのよこれ・・・。

01)

なーんと、連絡先がちゃんと書いてあるんですねえ。ということで、さっそく東京都に電話してみた。

とっとと東京都に電話取材してみた

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Q「焼却処分業者が決まった経緯に関する質問です。HPにて、処分業者が選定した、と書かれてあったのですが。詳細を教えてください」

A「やはりある一定の処理能力以上で安全性の基準を満たすの会社でなければいけませんので。具体的にはバグフィルターの設備、湿式戦場、活性炭の(※詳細忘れた)などの設備を考慮して焼却処理業者が決まりました」

Q「6日の東京電力の会見では、『東京都の要請によって東京電力のグループ企業『東京臨海リサイクルパワー』に決まった』と東京電力側は発言していたが」

A「いえ、処分業者が選定しました

Q「なるほど。では、さかのぼって質問です。東京都には、先ほど教えていただきましたように、ある一定以上の規模でかつ安全基準を満たす焼却設備を持つ会社は、いくつあるのですか

A「2つです」

Q「1つじゃないんですね。もう1つの会社を教えてください」

A「シンシアです。品川区の」

Q「ありがとうございます。この一定の基準を満たす2社の焼却処理業者を選んだのは、東京都と考えていいですか」

A「はい。東京都が、シンシアと東京臨海リサイクルパワーの2社を選定して。そして処分業者がおのおのの事情で、これまでの関係や費用などの側面から、東京臨海リサイクルパワーを選んだということになります」

Q「では東京電力が、東京都が東京臨海リサイクルパワーに要請したと発言しているのは、事実ではないのですね

A「はい。」

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いろいろわかってきましたねっと。

ここまでの流れを整理してみた。

このやりとりから、瓦礫受け入れ決定から、平等党田中記者が出入り禁止になるまでの流れを整理すると以下の流れです。

=====

【1】岩手県の瓦礫受け入れ決定。

【2】瓦礫処理には「破砕処理業者」と「焼却処理業者」が関わる。

【3】瓦礫の破砕処理業者を決定。

【4】東京都が基準を設けて、焼却処理業者を「シンシア」と「東京臨海リサイクルパワー」の2社にしぼった。

【5】全ての破砕処理業者が、焼却処理業者を「東京臨海リサイクルパワー」を選んだ。

【6】東電の寺澤氏が「東京都が焼却処理業者を「東京臨海リサイクルパワー」に要請したと、事実誤認の発言をする。

【7】その経緯を追求した平等党の田中記者に、事実誤認をしたままの東電・寺澤氏が一方的に会見への出入り禁止を伝えた。

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東電の寺澤氏も、平等党の田中記者も、お前たちちゃんと調べて発言しろよと言いたくなる。

ここで再度文字おこしを全文読みなおしてみると、東電・寺澤氏は非常に曖昧な言い方でごまかそうとしているのではないかと感じる箇所が多数ある。

東電・寺澤徹哉氏は事実誤認をしていたことをはっきりと認め、謝罪し、私が調べた事実を改めて会見場で説明する義務がある。

さてさて、次なる追及は、なぜ、破砕処理業者が皆、シンシアではなく、東電のグループ企業の「東京臨海リサイクルパワー」を選定したか、に向けられるだろう。

頑張ってよ、ジャーナリスト諸君!

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