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Google、著作権侵害サイトをランクダウンさせるアルゴリズム変更を発表

» 2012年08月11日 08時42分 公開
[佐藤由紀子,ITmedia]

 米Googleは8月10日(現地時間)、Google検索での検索結果をよりよくするための取り組みの一環として、著作権侵害報告の多いWebサイトのランクを下げる新たなアルゴリズム変更を行うと発表した。来週(8月13日の週)から実施するという。

 このアルゴリズム変更によって、ユーザーは映画やテレビ番組のコンテンツを検索した際、違法サイトではなくHuluやSpotifyなどの合法的なサービスで目的のコンテンツを見つけやすくなるとしている。

 Googleは2009年から、著作権保有者からのデジタルミレニアム著作権法(DMCA)に基づく著作権侵害報告を受け付けており、今回のアルゴリズム変更は、この報告データに基づいているという。同社が5月、「Transparency Report」に追加した著作権侵害コンテンツに関するセクションによると、過去30日間だけで430万件以上のURLが報告されている。

 copywright 2011年7月からWeb書式で報告された著作権侵害件数推移

 Googleは、あくまで報告の多いWebサイトのランクを下げるだけで、検索結果からWebサイトを削除するわけではないとことわっている(報告のあったURLを削除するかどうかは別のプロセスという意味のようだ)。なお、データに含まれるのはWeb書式での報告のみで、書簡およびファックスでの報告は含まれていない。また、報告書式が異なるため、YouTubeとBloggerに関する報告も入っていない。

 Transparency Reportを見ると、過去1カ月でURL削除希望が最も多いドメインは、音楽、映画、ゲームなど“あらゆるコンテンツをダウンロードできる”とうたうFilesTube.comというWebサイトだ。同サイトには現在、4億5800万ものコンテンツがインデックスされている。このサイトに最も多く削除希望を出しているのは音楽業界団体の英レコード産業協会(BPI)で、次は著作権管理代行企業のDegbanだった。

 Googleはこれまで、質の低いサイトのランクを下げる「パンダアップデート」やWebスパムサイトのランクを下げる「ペンギンアップデート」をはじめとするアルゴリズムの変更を行っている。(今回のアップデートの愛称はまだ不明だ。)

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