アジャイルサムライ読書会(湯島道場) 第一回 地の巻に参加してきた #agilesamurai #湯島道場


(写真:会場近くにある湯島天神)


各方面で絶賛の嵐!状態な書籍『アジャイルサムライ』発売を記念して各地で展開されている『アジャイルサムライ』読書会。

アジャイルサムライ−達人開発者への道−

アジャイルサムライ−達人開発者への道−

書籍の内容もさる事ながら、そこで繰り広げられるであろう議論の内容も非常に聞いてみたい!と思い、擁立された道場の中から湯島道場への読書会参加を決意。参加してきました。

読書会道場公式ページは以下。

また、今回の読書会に関するその他レポートは以下参照。併せてお読み頂くとより当日の内容がお分かり頂けると思います。

アイスブレイク・自己紹介

ほぼ19:30、時間通りに開催を宣言。読書会及び『他流試合』の発足の経緯などが湯島道場開催主であり、また会場となった株式会社アルティネット代表取締役社長であるKiichi Kajiura(TwitterID:@ShiroKappa) さんによって説明されます。


湯島道場における『〜の巻』は、マスターセンセイ→宮本武蔵の『五輪の書』から取っているそうです。今後の勉強会進捗度合いによってはこの5つの構成は変わるかも知れないですが、上手く名付けられた名前だな〜と思いました。ちなみに以下が全5回の実施予定。

第一回 地の巻:2011/07/27(wed) 19:30〜予定
第二回 水の巻:2011/08/03(wed) 19:30〜予定
第三回 火の巻:2011/08/10(wed) 19:30〜予定
第四回 風の巻:2011/08/24(wed) 19:30〜予定
第五回 空の巻:2011/08/31(wed) 19:30〜予定

自己紹介は1人60秒で全員実施。会場入りの際に自己紹介代わりのカードに紹介内容を記載、各自首からぶら下げていたので今回が初顔合わせの方々も名前とTwitterIDが一致して非常にスムーズでした。

ちなみに今回第1回の読書会には用心棒としてRyutaro YOSHIBA(TwitterID:@ryuzee) さんも参加されていました。

LT

自己紹介後、5分のLTを計2本、メインとなる座談会の前に実施。

LT:アジャイルをはじめる前に

今回、ノンアルコール且つ5分という尺でのLTは@nohdomiさん自身、初めてだったそうです(笑)


  • だって魅力的じゃね?
  • やっぱりやりがいがある開発がしたい。
    • しかし、周りはアジャイルのことは良く知らない…顧客・上司など
  • チームメンバーに納得して貰う必要がある。
    • 今は大変でも将来は良くしたい。
  • どういう手順を踏むか。
    • 現状を踏まえた将来への手順。
  • ちょっとやってみませんか。
  • 少しづつ変えていこう。
    • ペアプロ
    • スプリント導入
    • フェーズ毎の契約
  • 誰もがこの働き方(アジャイル)を気に入る訳じゃない。
  • 大事なのは要求を満たすために何をするか。
  • @nohdomiさんの昔話・・・
    • オブジェクト指向が出始めたころ
      • 勉強会とか多かった
      • これは良いものなのか?悪いのか?中には盲信している人もいた
    • 今また、同じように行き詰まっている。感覚的な点では同じ。
    • 今困っているから、方法はないのか?
      • 要求の変化・ビジネスについていけてない。
  • [3つの真実](書籍P13.上部)

  • おねがい。
    • 上手く導入できたひと。共有しませんか?
    • 上手く行かなかったひと。次の人の為に、リアルな問題を自分の言葉で。→共有しましょう。
LT:アジャイルサムライ読書会 湯島道場 第1回 地の巻
  • 第1部座談会テーマ
    • 入門書と言われているがずいぶん現実的だな、とも(ちょっぴり言い訳)
    • アタマの堅い、管理職に読ませたい。
    • ユーザー企業のやる気を引き出させたい。
    • この書籍はホントにすばらしい!
  • フィーバー?
    • 確かによみやすい。しかし…実に現実的。
    • 夢は?妥協?実装フェーズ?
  • 特に第1部はリアル。
    • 期日!ロール!
    • 期日!
      • 最前を尽くす事にもっとフォーカスを当てても?
  • 個・チーム
    • スタープレイヤーよりもユーティリティプレイヤー
    • 個!
    • チームとして活動を重視すると個の研鑽、自律が自然発生する事にもフォーカスを!
  • まとめ
    • 皆さんに聴きたいこと
      • 少なくともSI界隈で現場へのアジャイルマインド投下はもっと理想論でも良くないか?
    • 期日とロールに絞って。
      • (→実は後半、答えが書いてある)

座談会

今回の読書会のキモでもある座談会。今回の読書対象範囲は第1部(第1章〜第2章)について。各自読み込んできた上で各自が思う所を話して行き、呼応するところ・回答・反論等議論が流動的に行われる形となりました。

印象的だったのは範囲となる時間一杯(約45分)、ほぼ途切れる事無く議論が展開されていったところ。しかもその議論の内容がどれも興味深く、タメになるものばかり。『読書会』という事で読み進める時間もあるのかな〜と思いきや『読む時間無いじゃん!』と少し面喰らいはしましたが(笑) アジャイル実戦経験のない身としては非常にタメになる各種ご意見を聞くことが出来て非常に意義深い時間となりました。

※なるべく議論を追っていけるようにメモしたつもりですが、もし内容的に余計だ/不要だ/要修正、という点がありましたら御指摘頂けるとありがたいです。順次修正・反映して行きたいと思います。

では以下メモ。(※印で1人の発言くらいな感じです。呼応・回答などの意見が続いた場合はその単位で纏めてあります。)



  • 入門書だからこそ、より実践的であるべきでは?
    • 概念だとわかりにくい場合も。
    • 実際に出来る、現実的な入門書というのも良いのでは。
  • 頭の固い管理職に、顧客に読ませたい時の話
    • 『計画が不確実だから上手くいかないんだ…』
      • お客『確実な会社に頼むよ!』
      • ちゃんと出来るっていう会社もある・・・?
      • 戦いが始められない。
      • 顧客に読んで貰うときのスタンス?が難しい。
      • いつもアジャイル本はそこ(不確実な…)から始まっているので、苦しんでいる。
  • 夢?実践的すぎない?
    • 現場に近い内容だからこそ、すごい夢を感じた。
    • 実現可能性を感じられるからこそ、夢を感じられた。

アジャイルプラクティス 達人プログラマに学ぶ現場開発者の習慣

アジャイルプラクティス 達人プログラマに学ぶ現場開発者の習慣

アジャイルな見積りと計画づくり ~価値あるソフトウェアを育てる概念と技法~

アジャイルな見積りと計画づくり ~価値あるソフトウェアを育てる概念と技法~

    • 以下の台詞、実際に言われたことがある。
もし金額固定の一括契約だったらどうすんの?全部やりきらないと殺されちゃうよ?
(P.10 挿絵を交えて)
      • その規模で出来るから入札したんだろ?・・・
      • 吹き出しの内容を見て『あぁ、見放されてなかったんだ…(安堵)』
    • 僕の現実は面積が決まっている。
      • 4つのスコープで変えられるのか?
      • お客を変えられるかどうかが重要。
      • お客さんにお金・時間の話をどう理解してもらうか。
      • どうやってお客さんの理解を得ていますか?
  • ユーザを巻き込む
    • 2週間前に客が『どうしても欲しい』
      • ざっくりとした機能/7〜8人で練りに練ったデモ実演
        • PO自体が不安に『あの機能が無いとヤバイかな』2,3機能追加してリリース
    • 2週間でもこれだけ変わるのに、半年じゃぁ・・・
      • 今はKKDで当たるも八卦、当たらぬも八卦。(結局ギャンブル性は変わらない)
  • アジャイルは客からするともやっとしてる?
    • 納期、金額変わる?
    • 結論:一番いいものが出来るはずなのに、動く現物があるのに・・・
      • うまく説明出来ないのが辛い。
      • ここを一歩踏み出せると良さげ。
  • 客は期待値が高い。
    • 今時点でも絶対要るんだ!という
    • おえらがたも要らないんだけど要らないって言えない
      • ハードル挙げすぎるとつらい
      • 下げると他の会社に持って枯れる
        • 今できるかどうか決めてくれ。
      • 期待のコントロールが難しい
      • 死のリスクを持ってして進めないと・・・
      • 非現実の奇跡が起きない、という事を信じて貰わないと。
  • お客さん自身が欲しい物を整理出来ていない
    • 優先順位、プライオリティなど・・・
    • 段階的に作って行く、というイメージをしてもらう
    • 客に整理してもらう事を始めないと意識共有は難しいのでは。
  • RFPになるまで降りてこない・・・こういうとこにはアジャイルは難しい
    • 小さいところなら、現場までは巻き込める?
  • 本当に価値を分かっている人を巻き込めない。
    • 難しいところ。どう交渉していくのか。
  • そもそも客の時間が取れないのなら、受けてはいけない仕事である。
    • 生産打ち切りを申し出る場合もありました。(脅し)
    • みんな夢を見る…
      • どうやぶれたか、という海外レポートもある。
    • 生の集計データを使うという手はある。
      • エライひとのレポートを出せば解決という事も
    • 『それは海外の例でしょ?うちは***だから〜』ってのにはどう対応?
      • 大きい意味でのトレンドでそんなにかわらない。むしろ日本は海外より3〜5年遅れている。

    • 日本の場合、文化的特性として発注に責任を負わない場合がある。
      • 日本の方が質(たち)が悪い。
      • 当事者意識がない。
      • 自分が要る在任期間中にやったことに意味がある
        • 後のことは知ったこっちゃない。
        • 客プロジェクトに本気で参画する意識がないかも?
  • win-winの関係にならない
    • 前職SI屋
      • ピラミッドの下層、自分たちで仕事を選べない。
      • 自分たちがアジャイルをやりたい・・理解をしてもらえない。
  • ユーザ企業を変えたい、読ませたい。
  • 上からの報告を聞いた内容
    • ユーザさんから『アジャイルでやりたい』と請けた仕事がある→上手く行っていない。
      • ふりかえりが上手く行ってない、という診断。
    • ユーザもアジャイルに興味を持ち始めている?
    • あとは持って行き方?
    • RFP:きっちり出さないと何も出来ない
      • RFP、固まってますか?→現実、固まってない(固まってるようなこというけど…)
    • 紹介事例を見せていけば、提案出来るのではないか?
    • アジャイルというキーワードを目にさせれば前に進めるのでは?
  • アジャイルとそうでないもの。
    • 予算とりやすい、見積しやすいのは後者。
      • ものが欲しいはずなのに、予算が欲しい。カッコイイ見積書が欲しい。←これには反発した。
    • 『1度限りの発注工程』(書籍P.19)
      • 基本設計書がある前提なのに・・・
      • 『こんなこと良い感じに』・・・この内容では良いところ要件定義書でしょ?→『これが僕らの基本設計書だから(キリッ)』
    • 稟議が通りやすい
    • 見積はそもそも見積。不確実性のコーン。
      • どういう幸せなあたまなのかな?
        • あくまでも稟議用の見積ですよ?
  • 見積と契約がごっちゃになってしまうと揉める。
    • 見積ベースで契約結ぶと×
    • 一括受託契約だったりすると
    • 契約なのか、見積なのか。
  • 受注出来るのか・・・受注出来るのが幸せなのか。
    • 受注した結果、プロジェクトには病気がちのメンバーが…みたいな現状。
    • 分かってて踏み込んで行くのはどうなの?
      • とてもじゃないがやる気しない。メンバーをそんな橋に渡らせたくない。

    • 英和さん、ウルシステムズさんとかにこの辺は頑張って欲しい!
      • 会社では予算とって、何も出来ない時の不安がある
      • 6割使わないけど4割つかうんでしょ?4割は手に入れば・・・
      • アジャイルに対する信頼、事例がない。
      • 10回やって7回は動くものが出来る、という事例があれば、何とかなる?
      • アジャイルな人はオーラがある。
        • そうでないひとは・・
      • アジャイルでやれば必ず成功すると言うわけではない。
        • 早い内に失敗が分かっても、それは成功
        • 成功の定義は何?もうかる?/早く帰れる?
        • 一方的なお客さんの満足で語るべきではない。
        • 撤退、結果報告的な情報も有用なのでは?
          • リスク回避
          • 無駄金を使わない、アジャイル
          • 日本にないだけで、意外と海外にはあったりする。
  • 海外企業:日本は日本だから別でしょ?
    • 日本は遅れてるから。何いってんの?
    • こちらが強く言わないとダメ。
      • プロジェクトの始め方が、一番難しい。何回やってもそれは同じ。

  • アジャイルなチーム
    • チーム、選べますか?
      • 昔は夢見てた。課長になったらチーム作れる・・・『余ったから使え』とか…(T_T)
      • 人を育てていかないと行けない。
        • すくすくスクラムなど・・・自己組織的に動く。
        • 弊社・・・あまりうごかない。
    • 良い人を選ぼう・が出来ない。育てよう。
    • 同じ素材を置いた場合、育て方に違い。
  • 間違い無く育ちます!
    • 12年間、いかに規律を取るか(コマンドコントロール
    • どうやったら統制が取れるか、枠からはみださないようにさせるかを考えていた。
    • チームで何かしなきゃいけない、責任感が芽生える
    • 助け合い・自発性、・自律
    • 明らかに雰囲気は変わった。
      • マネージャー、リーダーも変わる。
      • どういう風に気付きを与えれば変わるのか?(→逆転現象が起こった)
  • チームの問題である、と認識させる。
    • 誰かが遅れてればチームの問題。
    • 全員の学びとなる。
  • アジャイルプロセスを取り入れている
    • 実験的に
      • 1:カンバン(チームメンバー毎にタスク)…個々人でやっていて、見えない部分も出て来た。
      • 2:名前(doingに制限を入れ、チーム全体でタスク)…は最初とまっどているが、チームで対応し、生産性もUP。
  • 共有の大切さ(比較的最近の体験談)
    • チーム、開発者メンバー4人、殆ど初顔合わせ
    • コンテキストはバラバラ、情報共有もまともに出来てなかった
    • 最初全然上手く行かない。
      • ユーザストーリー、みつもり:全然合わない。
      • みんな不安に。
      • 自発的に集まり、動いた。
      • 情報の共有を率先して行った。
      • 差が少なくなり、精度が上がった。

    • 当たり前の事が出来てない場合が多い。
      • 働く時間
        • ペアプロ2人1組
        • 1日を1時間半に区切る、3つで(4.5h)
        • メンバー交代交代で作業
          • 情報共有が早い。休んだとしてもカバー出来る。
          • サイクルを廻し始めてきている。一体感。
          • 共有!共有!
        • Wikiなりで共有したところでコミット。徹底してやる。
  • 育つ、全員良くなる
    • やっぱり合わないひとはいる。上手く行かない。
    • メンバーが大事。
    • アジャイルチームの絵(P27)
      • 顧客もアジャイルチームである、という事は忘れがち。
  • POをどういう風に巻き込ませるか。
    • 実際問題そこまで出来ない。
      • じゃどうするか。議論。
    • Scrum Boot Camp弊社でやった。
      • 巻き込めないのであればpO役の人が出てくるのか?
      • どう一体化させるか。



…というような感じでした。実際書籍を手にしたのは、数ヶ所でコメントや図解を参照したときに開いた程度。それ以外はほぼ体験談、意見交換、情報共有な議論尽くしでした。結果45分フルでメモ取ってました…(笑)

振り返り

10分ほど休憩を挟み、振り返りを実施。DevLOVE等でも行われている『ワールドカフェ』形式で今回は『第1回読書会をしてみて』というテーマで振り返り実施。グループをシャッフルしながら(4〜5名のグループに分かれ、計2度シャッフル)行いました。

以下がその時の結果各種。

そして最後にスタンドアップミーティング形式で次回予定・LT立候補など決めつつ〆。

オープニングのトークでは『書記も決める』みたいな事書いてたような気がしたけど、その辺は特に決めてなかったかな…まぁ自分でも全然構わないんですけどね(笑)『アジャイルな取り組みの体験談を、書籍の内容に倣って語る』というアクションは今の自分では出来てない部分もあるし、聴いているだけでも自分には非常に得るモノも多いです。こんなレポートで良ければ書記(レポート)やりますよ、と立候補してみます。

懇親会

懇親会は同じビル内にあるお店の2階を押さえ、スムーズに移動。参加は全部で13名だったかな?大きな島で言うと6名+7名のグループで分かれていたのですが、どちらの島もアジャイルな話題で盛り上がっており、(終電の都合上終盤で離脱しましたが)懇親会もとても楽しく過ごせました。

アジャイル読書会@湯島道場を開催して頂いたKiichi Kajiura(TwitterID:@ShiroKappa) さん、また運営スタッフとして読書会及び懇親会をスムーズに取り仕切って頂いた株式会社アルティネットの社員の皆様、ありがとうございました!次回以降も出来る限り参加して行きたいと思いますので、宜しくお願いします!