2011年5月2日18時27分
岡本太郎作の巨大壁画「明日の神話」の右下部分にベニヤ板がはられた。福島第一原発の事故を描いたとみられる。1日夜に撤去された=岡本太郎記念館提供
岡本太郎の巨大壁画「明日の神話」の右下部分に張り付けられたベニヤ板。福島第一原発の事故を描いたとみられる=岡本太郎記念館提供
東京・渋谷駅に展示されている、故岡本太郎さんが原水爆をテーマに描いた巨大壁画「明日の神話」が何者かによっていたずらされていたことが警視庁などへの取材でわかった。骨組みだけの建物から黒い煙が立ち上っているような様子を描いた絵が付け加えられ、福島第一原発の事故を連想させるとの指摘もある。
警視庁は軽犯罪法違反(張り札)や建造物侵入などの疑いで調べている。
渋谷署によると、「明日の神話」(縦5.5メートル、横30メートル)の右下の隅に、ベニヤ板(縦約80センチ、横約2メートル)に描かれた絵が付け足すように両面テープで壁に張り付けられていたという。1日午前9時半ごろ、ツイッターの書き込みに気づいた女性から同署へ通報があり、同日夜、撤去したという。
岡本太郎記念館の平野暁臣館長は「福島原発を描いたのだろう。繰り返されたら困るが、単なるいたずらではなく、芸術としてやろうとしたのではないか」と話していた。