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世界フィギュア、なぜ日本開催を断念したか

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東日本大震災で東京開催を断念したフィギュアスケートの世界選手権は4月24日から、モスクワで開催されることになった(5月1日まで)。日本スケート連盟はギリギリまで日本開催の道を探ったが、国際スケート連盟(ISU)の求めた条件を満たせず、断念することになった。

氷を張ろうとした前日に震災

大地震は、東京大会の会場に予定されていた国立代々木競技場の屋根のお色直しも最終段階に入って「さあ、氷を張ろう」としていた前日に起こった。ISUは地震3日後の14日、3月21~27日の日程での開催は不可能と発表。続いて、今秋の日本開催の可能性について日本スケート連盟に打診してきた。

東京大会のチケット約5万5000枚は発売開始から数分で完売。14あるスポンサー枠も大会半年前には売り切れた。放映権を持つテレビ局にとっても、サッカーのワールドカップ(W杯)を上回るようなドル箱コンテンツだ。「1年半準備して、みんな楽しみにしていたろうし、チケットの払い戻しだけでも大変な額。何としても日本でやりたい」と19日、日本スケート連盟の伊東秀仁フィギュア部長は話した。

名古屋と大阪は収容能力少なく…

しかし、決断までの時間は短かった。選手にとって4月から9月まではオフであり、翌シーズンのプログラムを作って練習し、ショーに出演する時期だ。ISUは「5月中旬から9月中旬までは外すように」と言い、それ以外の時期で日本開催ができるかどうか、日本連盟に3月21日までに回答するよう求めた。

大きなスポーツイベントを招致しようとすると、様々な準備が必要だ。フィギュアの場合、試合リンク、練習リンクのほかに、ホテルを数百室押さえないといけない。

きちんとした常設観客席がある競技リンクは、名古屋と大阪と長野ぐらい。そのうちの名古屋と大阪は収容能力が少ない。開催しようとすると大きなアリーナに仮設リンクを作ることになるが、それには約6000万円かかるという。その上、練習リンクの確保が難しい。

ギリギリ会場の条件を満たす長野にしても、ホテルが足りない。場所を変えての今春開催は、ほぼ絶望的だった。

秋開催にしても、9月下旬から10月上旬はスポーツイベントが目白押しの季節。1年前でも会場探しは大変なのに、この時期にアリーナを3週間弱にもわたって押さえるのは難しかった。しかも、世界選手権の放映権を持つテレビ局は10月7~16日に体操の世界選手権(東京体育館)という他のスポーツイベントも抱えていた。

福島原発の問題も

そして、何より一番厳しかったのは「福島の原子力発電所に関しての質問だった」と伊東部長は話す。

ISUは「国の安全宣言が出るかどうか」と聞いてきた。いまだに対応に追われ続けている上に、電力不足で計画停電も実施される中、それがいつ出るかは誰にも分からない。

「(日本開催は)断念するしかない」と、橋本聖子日本スケート連盟会長は決断した。

ロシア開催に決定

それを受けて、ISUは今季の世界選手権を4月下旬から5月上旬の間に開催することとし、新たに立候補都市を募った(世界国別対抗戦については来春、日本で開催と発表)。

締め切りまでの期間が2日間しかなかったものの、グラーツ(オーストリア)、バンクーバー(カナダ)、トゥルク(フィンランド)、ザグレブ(クロアチア)、コロラドスプリングス、レークプラシッド(共に米国)、モスクワといったフィギュアの歴史が深い国がこぞって手を挙げた。

結局、3年後のソチ冬季五輪を控え、プーチン首相までが招致に意欲をみせた、ロシアで開催されることが決まった。

日本だけでなく、ISUにとっても開催都市の急きょ変更は痛手だが、幸い、東京大会のスポンサーがそのままモスクワ大会へと引き継がれる予定だ。

秋開催だと調整が極めて難しかったが…

東京との時差はサマータイムの時期は5時間。「生中継しても視聴者がよく見てくれる時間帯に放映できる可能性がある」(ISU代理店のIMG)。スポンサー14枠中10社は日本で集めた企業。スポンサー的には、候補地の中ではモスクワが最もダメージの少ない都市だった。

そして実際、男女とも現地時間の昼過ぎの開始に変更され、日本のゴールデンタイムに放映できることになった。

選手たちにとってはどうか。秋開催になると、2010~11年シーズンのプログラムを滑るべきか、11~12年シーズンのものを滑るべきか悩むところだった。一度、体を休ませて、さあ新シーズンという直前に、前シーズンの一番大きな大会があるというのは調整が極めて難しい。

大会が延期になったとはいえ、今春開催になって安堵している選手も多いのではないか。

高橋、浅田らは練習続ける

金妍児(キム・ヨナ、韓国)のように、東京大会が延期となって一度練習を中断してしまった選手もいるようだが、日本連盟は「4月開催もあるから練習しておくように」と、選手に伝えていた。

連覇を狙う高橋大輔(関大大学院)と浅田真央(中京大)ら日本代表選手はみな、海外や西日本にいて、そのまま練習を続けていた。

地震前の時点で「ジャンプ構成を変えたので、こなれるまで滑り込めるか」と話していた高橋に、「時間との勝負」と語っていた浅田。1カ月遅れの開催となるモスクワから日本へ勇気を送り届けるとともに、世界に日本の元気なところをアピールできるだろうか。

(原真子)

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