「弁護士なし訴訟増加」記事の誤謬 | 福岡若手弁護士のblog

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福岡県弁護士会HP委員会所属の弁護士4名によるBLOG
(ただしうち1名が圧倒的に多いですが、だんだん若手じゃなくなってるし)

にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ  相変わらずブン屋は表層的

弁護士の激増にもかかわらず

本人訴訟の割合が増加して

いる新聞記事が掲載された

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110112-OYT1T00938.htm

>国民が気軽に弁護士に依頼

>できるようにするという司法

>制度改革の理念とは逆行する

>事態で、最高裁の司法研修所は

>本人訴訟を巡る初の調査に乗り出す。

 お役所がどこまで実態を捉えた

報告をしてくれるか疑問大である。

むしろ市井の弁護士の報告の

方がよほど実感とフィットする

http://hanamizukilaw.cocolog-nifty.com/blog/2011/01/post-bb3c.html

http://nomura.asablo.jp/blog/2011/01/12/5634857

相変わらず「こん日」著者の

小林正啓弁護士の統計を

読み込むセンスは素晴らしい。

それに比べて増員マンセーの

四宮啓教授のコメントは分析

不十分だよね。その論旨は、

都会に比べて過疎地方に

圧倒的に本人訴訟が多い

ことが裏づけられて初めて

成り立つ話なのだが、

さてさて最高裁の調査結果は

どうなっているだろうか

 私は本人訴訟の登場人物に

対して「お金がなくて弁護士を

つけられない、救済すべき

存在」と、もっとも本人訴訟に

接するイチ裁判官がどのように

捉えているかが示されている

瀬木比呂志裁判官の判タ

1202号80頁論文の文章を抜粋

して、四宮啓教授への反論に

替えることにします。

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例えば、東京などの大都市圏に

おける本人訴訟の本人には、

ただ弁護士に依頼する資力が

なかった、あるいはその必要も

認めなかったというだけのごく

普通の市民も相当の割合で

含まれているけれども、中には

極めて理解力や柔軟性に

乏しかったり精神的に不安定で

あったりする人々も含まれて

いるし、まれには何かあれば

裁判官や相手方の足をすくって

やろうと待ち構えている人々、

さらにまれではあるが非常に

極端な場合には、法廷や準備

手続室で大声を出してわめき

続けたり相手を脅したりする者、

逆に押し黙って一言もクチを

きこうとしない者、裁判官室に

無理やり押し入ろうとする者、

訴状や準備書面に裁判官に

対する脅迫的文言を書き付ける

者さえ存在する。残念ながら

それが訴訟のリアルな現実で

ある。(以上、引用終わり)。

ろぼっと軽ジK