なれる!SE7 「目から血涙の客先常駐術」

例によって,ネタバレありです.

*1
http://nareru-se.dengeki.com/
http://blog.livedoor.jp/geek/archives/51354191.html

11月18日(水)〜12月14日(月)(推定)の一ヶ月弱,しかも本来の常駐作業は僅か二週間の物語.しかし真のデスマーチにおいては,僅か一ヶ月を生き延びることさえ容易いものではない.いかに元気な若者でも,半年〜1年もあれば確実に鬱病になって,再帰するのに長い時間を要するという.

ブラックと言えばブラックなんだけど,身に覚えがありすぎて既視感だらけでラノベを読んでる気がしません.なにこの「オレの日記原作小説」みたいな.


目に付いた所だけメモってみる.

「この腐れPCがッ!」
TeraTermWireSharkCygwinも入ってない!これでどうやってオペレーションしろっていうのよ?おまけにコマンドプロンプトも起動しないし,……何コレ?おもちゃ?スーパーカセットビジョン?」
(中略)
「それができたら苦労しないわよ」
「この会社,グループポリシー使ってブラウザ経由のダウンロード無効にしているのよ.URLフィルタでダウンロードサイトにも繋がらなくしているし,……ったく,今時子供用携帯でもここまでガチガチじゃないって言うのに.」

率直に言って,とてもじゃないが開発環境と言えるレベルでは無い.

「ちょっと桜坂,過去成果物のフォルダにアクセスできないんだけど」
「あ,なんかそこだけ特殊な権限かかってるみたいで,今申請して開けてもらってるところです.」


「……ネットワーク図,同じようなファイル名が十個くらい並んでるわよ?」
「それ全部古いファイルだそうです.最新版は大濠さんのPCにあるとかで.」*2


「ポートアサイン表と物理構成図でスイッチの数違わない?どっちが正しいのよ」
「えー……どっちも間違ってるみたいで,コンフィグファイルの数を正ととらえてくださいってことです.」

全てにおいて酷いが,特に最新版を個人PCに入れる人って,本当に何考えてるんでしょうねえ.万が一PCのHDDがクラッシュしたら,或いは単純に手違いで削除したら,それでおしまいじゃないですか.誰かが必ずバックアップ取ってくれてるとでも思ってるんですかねえ.責任者としてそれは一体どうなのよ.

「ここのPC……機械にアクセスできないわよ」
「管理ネットワークも踏み台サーバも何もないわよ.カウルのインフラは完全にここのLANと隔絶されてる.telnetどころかping一つ通らないわ」
「イロイロ調べてみたけど……どうもメンテナンス用インフラが別にあるみたいね.場所は天王洲のデータセンター内,機械を触りたい場合はそこまで行って専用端末からログインする.」
「もっと楽しい話があるわよ.DC内のメンテナンスルームはPC・外部記憶媒体一切持ち込み不可.つまり作業用コンフィグを作っても実環境にコピーする手段は皆無ってわけ.あはは,全部頭で覚えて現地入りしろって言うのかしらね,ここの人達は.あははは.」

現場への移動時間はもちろんのこと,参考資料なしでの作業とか非効率きわまりない.「あるんですか?全体図?」「大崎に戻れば。」「……」という会話もある.

大崎の業務環境は週が明けても一向に改善されなかった.

どころか日を追うに従い新たな問題が浮かび上がってきた.

たとえば機器の設定変更作業,普通に考えるなら例のオペレータルームに赴き適宜作業すれば良いと思うだろう.だが今回の環境下でそれはNGだった.理由は単純,各装置の設定情報は構成管理ソフトでモニタされ少しでも変更するとアラートを上げてくるのだ.警告,警告!不正な設定変更を検出!攻撃の可能性あり!‥‥なんて具合に
回避する方法はただ一つ.コンフィグの回収内容を事前に届け出し構成管理ソフトに登録してもらうしかない.もちろん実際の設定データ持ち込みは別途届け出が必要.全部あわせると中三日‥‥いや四日は申請の間隔を見ることになる.まったく,まどろっこしいことこの上ない.申請書作成や提出に手間取るうち,次の変更以来が到着し一から届け出をやり直す羽目になる.死にたい.
(以下省略)

うわああああああ.なにこのグダグダ腐れ環境.作った奴ホント死ねよ.

「(スルガシステムの担当範囲は)チューニングかなあ」
「インフラ構築は終わったけど,サーバ・ソフト側のリリースはこれからなんで,アドレスとか修正出たらネットワーク側も変更加えないといけないでしょう?」
(中略)
「VLAN変更の話は?あれスルガシステムさんの担当でいいの?」

……え?

「VLAN変更.フロントエンドサーバ増えるからスイッチポートが足りなくなるって,先週相談したでしょ?収容設計やり直さなきゃって.」
「今週中に使用するポート決めないと.配線手配も必要でしょ?部材は?余分有るんだっけ.」
「ラックまたぎだとちょっと厳しいかもしれませんよ?場合によっては現場調査して必要ケーブル長サイジングしないと.」
「あとサーバー側,インターフェースはタグ受けしてるんで早めにVLAN-ID伝えてあげないとキッティングできないですよ.その辺りのスケジュール感大丈夫です?大濠さん」


大濠「そのへんは……全部スルガシステムさんにお願いしてます!

もちろん工兵も室見さんも、大濠からそんな話は一切聞かされてない.

「ほんっとバンバン人が潰れてくんですよね,ここの現場.プロジェクト開始から三分の一くらい入れ替わってるんじゃないですかね?かくいうわたしも実は三人目のデータベース担当なんですよ.」
「え,そうなんですか?」
「ええ,前任は三週間でダウンしたらしいですよ.」

「はっはー,二週間程度でギブアップとか情けないですよ.わたしなんて今日で丸三ヶ月です.」
「三ヶ月!」
公平は目を見開いた.
「一体どうすればそんなに耐えられるんですか?え?何か秘訣でもあるんですか?座禅とか‥‥瞑想法を実戦しているとか.」

僅か3ヶ月で驚かれるというのはどうなんだろう....とっても理解できるけど.

「そう,受注時の予算をとっくに使い果たして毎月のようにキャッシュ垂れ流し中」
「もともと既存顧客の解約阻止?案件だったみたいで,競合ベンダー蹴散らすためにかなり無茶なディカウントしかけたらしいんですよ.採算度外視,利益率最低,RFPの実現可能性とかもガン無視で」
「で蓋を開けたら全然顧客要件が実現できなくて,開発期間が延びる.外注予算がなくなる,安くて質の悪いパートナーに変更してまた開発期間が延びる−の無限ループ状態で.そうこうしているうち,うちみたいな弱小にまで話が回ってきたというわけです.」

一般競争入札の負の側面.

電力で「発送電分離でコストダウン」とかのたまってる馬鹿どもは,この現状を知らんのかな.*3

GUI使いづらい!何でコマンドライン解放してないのよ!?パイプもタブ補完も使えないとかストレスたまりまくりなんだけど.誰よこのメンテナンス環境デザインしたの?馬鹿?ド素人?」

あーこれ分かる.

使えるエディタに何があるか聞いたら,Emacsどころかメモ帳しかありませんって言われた時の絶望感.メモ帳はエディタに含まない.「メモ帳を使って許されるのは小学生までよねー,キャハハ(棒読み)」

大濠「アドレス……も分かりませんね」
工兵「何なら分かりますか?」

大濠「いや,アタシそんなにややこしいことお願いしているつもりないんですけど.アプリが通信している時にネットワークでエラー出てないか確認してもらいたいだけですよ.それにそんな細かい情報必要なんですか?

細かくないですよ,必要なんですよ,無いと分からないんですよ、そんなこともしらずにプロマネを語るなこの馬鹿が!


いやあ,今まで何度その言葉を飲み込んだことか.

大濠「EEさんはもっとよろしくやってくれたのに.」

そりゃ前任者は作った本人だからその辺りの情報を知っている.その前任者が引き継ぎ情報もなしに撤退したのは,大濠の失策であって,スルガシステムの責任じゃない.

こういう人達って,自分の過去の失敗には本当に気づいてないのかな?本当にそこまで馬鹿な人って実在するの?実は気づいてるけど気づいてないふりしてない?


ちなみに求人情報の「求める人間像」の項目に,「指示待ちでなく,セルフスターターな人」と書いてある案件は危険信号.大濠さんみたいな人の下で,言ってないことまで「自発的に」やるように強要されるかもしれないぞ!しかも自発的に作業した分は「指示されてない作業」なので残業扱いされないから気をつけてね!IT業界の常識は労基署が共犯,世間の非常識だ!

「ファシリティ部門の見解は最初から最後まで変わってませんよ.構内配線のリードタイムは二週間,申込書ベースでオーダーしてもらい日程調整に入る.お客さんもその流れは知ってるはずですし実際今までは手順通りに申し込みが来てました.今回は違うでしょう?誰かさんが手配系のタスクをスッパリ忘れてたんじゃないですか.
(中略)
断片的なやりとりだったが大凡何が起きているのかは分かる.つまりは大濠がまたやらかしたのだろう.タスクを失念し必要な手配を怠っていた.リソースの確保を忘れていた.だが客の希望スケジュールは変わらない.

普通は上の人にこうもあからさまな皮肉は言わないものだ.

よほど腹に据えかねるほど,何度も何度も何度も何度もそういうミスを大濠は繰り返してるんだろう.わずか二週間足らずの工兵にも分かるほどに.

それこそ初日のPCの設定作業だけでも幾つものそういうミスがあったくらいだから.*4

「ああ言う場合は嘘でもいいから『できます』って言うべきでしょ.どうせ最終的にはやらざるを得ないんだからさ.無駄に話をややこしくして,どういうつもりよ?」
「あのさぁ勘違いしてるようだけど,君らのお客さんは誰よ.カウル?違うでしょ.僕らNBLじゃないの?僕たちに迷惑かけないのが君らの仕事じゃないの?」

  • 今回に関して言えば「できます」とはいえず,N島が言うとおり「できない」が正解のようだ.
  • やらなければいけないことを,やれなくしたのは大濠の失策.二ヶ月前から言われていたことの手はずを整えるのを,大濠がスッパリ忘れていたせい.
  • お客様がカウルじゃなくてNBLだっていうなら,そのセリフはカウルの担当者さんに言うべきじゃないの.
  • 「僕たちに『迷惑』をかけない」じゃなくて大濠の尻ぬぐいをする話.NBL的には大濠の尻ぬぐいをするために業者に金をはらっているわけではない.

要求に対する解答は常にYES。
NO?よろしい,ならば辞めたまえ.

あるある.

NBL - 日本ビジネスインフラ・リミテッド.国内最大手のコンピュータ企業だった.

なんで「NBIL」とか「日本BIL」じゃないんだろう.
いっそ「日本インフラ・ビジネス・リミテッド」で「日本IBL」にするとか.*5 *6




目に付くところを抜粋していったら,きりが無かった.

ちなみにキツネ目の男.もとい.キツネ目の女については,私はそんなに嫌悪感はもってません.大濠みたいな無能な権力者は「さっさと死ねよ,会社のためを思うならそれが一番だよ」と思うけど,狡猾な政治屋でも有能であれば,大濠みたいな阿呆と排除することで少しはマシな会社になる.ココ重要.*7

今回のデスマーチ脱出の切り札が彼女だったのは,そういうわけなんだなあ.


ところで彼女も,実は工兵のことをいたく気に入っているのではないだろうか?

双眸が開いていた.
ぎらついた瞳が工兵を射貫く.貝塚は楽しくてたまらないという風に嗤っていた.
「いいね,いいね君.大した策士っぷりだ.<教授>の情報と自身の仮説を織り交ぜ相手を追い詰める.裏取りされたネタがどれか分からない以上,こちらはいたずらにしらばっくれ続けることもできない.一度話に乗ったが最後,後は芋づる式に情報を引き出される.‥‥まったく達が悪い.一流の詐欺師になれるよ,君は.」

見方によっては,この部分は最高の褒め言葉でもあるよね.「教授」との食事会で持ち出す話も「教授,工兵君を私に下さい(部下として)」だったりして.社内ベンチャーの敏腕社長で三一歳.うまくすれば逆玉ですよ.


ちなみに,物語中の時間の流れは以下のようになります.(一部推測含む.)思いっきりネタバレなので未読の方はそのつもりで.

11/16(月):金山より藤崎に電話
11/17(火):NBLと面接*8


11/18(水):何も聞かされぬまま,大崎の常駐先に初出社.
  PCの設定作業も完了しないうちに,VLAN変更の作業を大濠より丸投げされる.
11/19(木):VLAN変更作業のためのネット環境調査.
  貝塚よりデスマの情報入手.
  天王洲DCで初の夜間作業(正確には翌20日金曜 午前三時,移動を考えると前日中にDCに移動し,翌朝までそこに拘束.)


翌11/23-27の週:引き続き環境及びセキュリティポリシー周りのトラブル多発.
  室見は連日の徹夜作業.
  土日も自社の残作業に忙殺される.


11/30(月):開発者の一人が錯乱して暴れ出す.*9
  工兵,何も聞かされないままNBLの肩書きでカウルとのミーティング.
  過労がたたって室見が倒れる.
  工兵はもはや自分の手に負えないと判断し姪浜に相談.(実際に二人が合ったのは,業務終了直後の翌12/1午前一時.)


12/1(火):大濠に直談判.残業時間についての暴言を聞かされる.
  姪浜はリドルトリル大規模メンテ,
12/2(水):工兵,貝塚との一騎打ち.言い値で買い取る交渉が成立.
12/3(木):貝塚の協力を得て,NBLと撤退に関して合意.


この間,撤退のための引き継ぎ作業.概ね順調.


12/12(土):藤崎と飲む.*10
  藤崎よりNBL,及び貝塚の昔話を聞かされる.
12/14(月):引き継ぎは,ほぼ終了.
  同日,リドルトリル契約が突如解約.次回に続く.

(ちなみにこの調子だと,この年の12/24と12/31は共に木曜になるはず.)

さて例の事件発生が12/14(月)とすると,次巻ではその日のうちにスルガシステムに出社する所から話が進行しそうだ.順当に進めば事件解決のためにクリスマスも年末年始も消滅しそうな勢いだな.こういう所も無駄にリアルだ.



以下は他サイトです.

すめるまん Broken Diary

http://d.hatena.ne.jp/smellman/20120810/1344619087

いままでのシリーズでいろんな現場がありましたけど、ついに来ました客先常駐。

話のヤバさというか黒さが半端ないです。

いちおうこういう現場の話は聞いたことありますし、僕自身も客先常駐はしたことありますけど、ここまで黒いのは未体験ゾーンです。

帯には「不自由!非合理!理不尽!戦慄の客先常駐編!」とありますが、正直ドロップアウトした人は読まないほうがいいと思うレベルの黒さです。いや、ぜひとも読んで血の涙を流しましょう。

この世の全てはこともなし

http://blog.livedoor.jp/gurgur717/archives/51371914.html

(´・ω・`)「その内、アニメ化しそうな気もするんだけど、作品内容がとてもじゃないけどアニメーションに向いているとは言い難いと思うんだよなあ」

いったいどんな企業がスポンサーになってくれるか,そこがネックな気がします.むしろ電通やNTT-Dやその他諸々の企業群が全力で妨害してきそうな気も.

(;`・ω・´)「完全なアウェイでずっと過ごさなきゃいけないですし、時として費用対効果や人間性を無視されて扱き使われる人材。この作品でも言及されてますけど『奴隷』という言葉が相応しいのかもしれません」

(´・ω・`)「最初はライトな感じで始まって、徐々に徐々に色んな事情に追い詰められていく主人公・桜坂工兵。この作品ではヒロインの室見立華と一緒だからいいけど、これが一人、新卒で研修後に客先にずっと常駐するなんてことを想像したら…」

(;`・ω・´)「ちなみに『新卒で客先常駐』は、この『なれる!SE』の最初の段階での構想だったそうです。没になったのは『黒すぎるから』だそうです」

(´・ω・`)「今作のエピソードは今までの作品の中でも屈指の恐怖物語になっている。この作品の別名『萌えるSE残酷物語』に相応しいとも言える。ただ、ある種の人にとっては辛すぎるんじゃないかなあ…」

(;`・ω・´)「確かに、そうかもしれません」

まいじゃー推進委員会!

http://maijar.jp/?q=node/6300

久々に安息の日々を送る工兵たち。

稼働率がそれぞれ187.5%/212.3%なのに,それで「安息」って一体どんなブラック業界だ.


‥‥IT業界なら普通か.

大手なのをいいことに、無茶な要求を連発、しかもその相手はどうみてもプロジェクトの細部に精通していない。「ああ今すぐこいつをぶん殴りたい!」というのは社会人の多くが一度は経験しているであろう感覚で、ほんとこの巻はおもしろかったけど、心臓に悪かったですええ。

しかもそんなバカがプロジェクトの統括責任者だったりね.


無茶な要求の半分くらいはそいつの段取りが悪いせいで,残り半分は前任者が資料を残してなかったせいな気も.そして前任者が資料を残さなかった原因もこのバカなんだよなあ.有りがちな話だ.

水響風

http://mizukifu.blog29.fc2.com/blog-entry-894.html
http://mizukifu.blog29.fc2.com/blog-entry-896.html
http://mizukifu.blog29.fc2.com/blog-entry-897.html

さて、この感想の予告では、かなり大変な話であろうと予測しましたが、本当に重たい話でした。
 まず言えるのが、なれる!SE』というタイトルの割に、問題が殆んど技術面ではないことですね。セキィリティで不自由なのも、そのかなりの部分が、「わからない」人間がやっているというところに行き着きますし、エピローグに当たる「クロージング」の章では、結局のところ今回の話は、NBL内部の二大派閥の抗争に巻き込まれた形の即ち政治問題であったことが判明します。

これはあるあるなんだなあ.

政治的な問題であるがゆえに,技術者にはどうにもならない.しかも日本は年功序列だから,仮に少々政治力がある若手がいても,年寄りの(≒老害の)発言には逆らえない.

 冒頭で、読み終わってもすっきりしないと言った理由の一つはこれです。加えて、振り返ってみれば今回の話は、物事を何も解決していません。なんとか泥沼から逃げ出したという話であり、派閥間の抗争は今後も続きます。
 他にも、突飛とも言える打開案を工兵が提案した辺りもあまり華々しい描写がなされておらず、そこに立華が仕組んでいた反撃のネタも悲愴感まで醸し出している始末。
 しかも、工兵の示した案、つまりスルガシステムの撤退も、実は規定路線だったのです。それは元々予定されたものであり、違ったのは、工兵と立華が頑張りすぎたこと。まあ、そのためにスルガシステムが引き継ぎのための対価を得ることができたわけですが。

既定路線だけど,それは「スルガシステムが大失敗する」予定であって,その場合はスルガシステムには一銭も支払われず大赤字になったかもしれない.ところがなんだかんだで残業手当も含めてきちんと支払わせることに成功し*11,さらにプラスαにも成功した.その点においてはかなりマシにはなってる.

にしても,正当な対価を貰うのが,これほどまでに難しいのはこの業界の問題の一つだと思う.

 そして何より、どうやらこの話、続きがあるようです。

先に、工兵が梢に助けを求めたとき、梢は大規模なメンテを翌日に控えていたと言いましたが、実はラストで、そのシステムに関する緊急事態が発生します。何が起きたのは全く不明ですが、大事件であり、しかも、梢が工兵のために時間を割いたことが影響している恐れは物語の構成的に非常に大です。果たしてどうなるのか。

 これが単なる「つづき」で次巻は別の話なのか、それとも今回の話のもやもやした部分も併せて一挙にケリを付ける結末へと向かうのか。それは全く不明ですが、個人的には、まあ後者とは言わなくとも、折角の「つづき」なのだから、前後編(もしくはもっと?)で通してみればこれまでのように痛快な結末を迎えるといいなと思います。

ああなるには,あまりに期間が短すぎる気が.

12/1(火):リドルトリル大規模メンテ
12/14(月)(推定):リドルトリル解約

大規模メンテの失態が原因でこの事件に繋がったにしては,あまりに短期間すぎる.しかも姪浜自身は何が問題だったか分からないと言ってるので,ファーストサーバみたいな大事件を起こしたわけではなさそうだし,問題を指摘されて改善命令が出ていたわけでもない.

とすると解約については大規模メンテ以前に既定路線だったか*12,さもなくばNBLの高宮本部長派の意趣返しではないだろうか.


今までになかった「次回に続く」的な引きを見ると,意趣返しという可能性も否定できないんだよなあ.「スルガシステムより安くうちが請け負いますよ.しかも天下のNBLです.あんなスルガシステムなんて怪しげな会社より信用もおけます.」みたいな形で担当者の耳に囁いたんじゃないだろうか.

yuumediatown

http://www.yuumediatown.com/diary/mt001/archives/015620.html

今回は客先駐屯というか常駐の案件の話。今回の案件に繋がる社長がメモを発見するまでの話ワロタw

工兵は妙なところが抜けてると思います.経験の少ない新人ならばムリもない話だけど.

内容の方はもう今までで一番酷い環境じゃないですかね?流石に私はここまでのようなのはやった事がないからわからないけど普通の人なら発狂するだろ・・・・鬱になるか・・・・普通の人なら深く考えず、アサイン拒否で逃げた方がいいですわな。
パソコンがセキュリティでがんじがらめでグループポリシーとかで何も出来なくなっていて(外部サイトアクセス不可、USBが殺されてたり)何かやるにもいちいち申請だして・・・というのは大手では仕方がないんだろうなぁ・・・本番の方のサーバーに変更加えるにも申請だして数日後に・・・というのもそうなのだろうけど。

翌の読書手帳

http://asunaro.blog3.fc2.com/blog-entry-1518.html

今回のテーマは「客先常駐」。
まあ、平たく言ったら派遣社員とか、契約社員みたいなものらしい。
んじゃーまあ、働く場所が違うだけで、やることはいつもと一緒なわけね?
――と思った。この話の主人公、桜坂工兵も新人だから、同じ認識で、むしろ「大企業で働けるって憧れるー」みたいなミーハーなノリさえあった。

実 態 を 知 る までは。


       (ノ`△´)ノ ┫:・'∵:.┻┻:・'.:∵

このお話読むとほんっと、ふつうに働けるのって有難い……としみじみ、思うのと同時にSEさんの労働環境ってなんでそんな。と思う。だって「こんなのお話だから面白くするために有り得ないくらいヒドいこと書いてるんざんすよねきっと?」とか思いたいのにアマゾンのレビューとか見てるとそうじゃないっぽいんだもん。「いやあの小説の状況だったらまだマシ」とかいう現場の声とかあるんだもん。

毎度のことだけど,ラノベじゃなくて自分の日記でも読んでる気分です.「ラノベの皮を被った業界ノンフィクション」と呼ぶのが相応しい.

関係者以外には「こんなの虚構新聞ネタだろ?現実にあるわけないじゃない.」と思い,関係者には過去のトラウマを蘇らせる,そんな業界ノンフィクションです.

ふらりとゆけ!

http://bcft60.blog13.fc2.com/blog-entry-3901.html

元々は第一作のプロットだったらしい。もしこれが先に出版されていたら、こんなに売れなかったかも。売れたとしても、こういう現状が事実だと信じられる層にしか売れなかっただろう。その意味で、編集はGJだった。
 しかしこれこそが真の姿。こういう業界で一工数以上の存在感を出すためには、人飼いにでもなるしかない。しかないというと嘘かも知れないけれど、おおよそ真実ではあるはずだ。

 そんな真の姿をこれ以上なく見せつけられた工兵がこれからどう動くか、次巻以降に真価が試されることだろう。まあ、何かトラブルも起きるみたいだし。

彼も人買いの道に進むんですかねえ.

艦長日誌

http://y310.at.webry.info/201208/article_10.html

今回は客先常駐話、物語半ばまでの常駐先でまず環境作りに四苦八苦とかは「あるある」という感じなのだが、チームリーダーの大濠があまりにも大雑把すぎる癖に、失態を人に押し付けたり、無理難題を押し付けたり、あげくに時間超過分を承認しないとか、さすがにアウトな人材だ。ここまで酷いのは現実いない…とは思うけど…いてもおかしくない気がする…深く考えるのはよそう…

それにしても、「技術者としての問題解決」が少なくなって、いわゆる「交渉での政治的問題解決」パターンが多くなってきていて、ちょっと物足りない気がしてきています。

でも技術者としての問題解決ができるなんて恵まれた環境は,日本のSIerじゃ非現実的じゃないだろうか?

ああオタクな日々

http://otakudon.blog74.fc2.com/blog-entry-612.html

実際、小説のような光景は何度も見たようなw

まさしく
ローマ時代のガレー船のフナ漕ぎ●●のような業界ですねえ

まったく

オタクの小唄

http://otakouta.at.webry.info/201208/article_16.html

まぁよくよく考えたら工兵の会社はスルガシステムであってNBLじゃないし、NBLにとっちゃ工兵たちはあくまで下請けだからこそのこの扱いなのだと考えると会社そのものがどうのこうのというよりもどういう状況に置かれるか次第になるわけですし、さらに言えばどんな人間の下に付く事になるか次第という話であるわけで、別に会社がどうのとかじゃないので自分とこの会社が素敵なわけじゃないんだなとあんまり嬉しくない結論に達しましたが。

そこは勘違いしたままの方が幸せだったんじゃね?

Moments

http://www.u-1.net/2012/08/10/2873/

どうあがいても絶望

先生、待って下さい! 「萌えるSE残酷物語」から「萌える」を取ったら地獄しか残りませんでしたよ!?

うああああ、今回は本当にシャレにならない案件な気がする。そして、このエピソードを一巻目のプロットとして考えていた夏海公司という作家のドSっぷりに戦慄するほかないですね。これがファーストエピソードだったら、バッドエンドルートしか浮かびませんよ?

超大企業の常駐勤務、どんなものかとワクワクして行ってみたら、予想通り、いや、予想をはるかに上回るとんでもないシチュエーションだったという、一歩間違えずともホラーな物語。これ、フィクションだと思えればまだ楽なのに、むやみやたらに現実感を覚えさせるから「はは……」なんて乾いた笑いを浮かべ頬を引きつらせることしかできないんですよね。

私はこういう経験は幸いにしてないけれど、意味が理解できるだけでここまで背筋が凍る思いをするとは、現実にこういう現場に立ち会っているひとの無事を願わずにはいられません。

前巻の短編集で、一区切りが付いたのか、物語的には今回が初の続き物のエピソードかな。この悪夢のような案件から命からがら撤退――そう、工兵や、さらには立華のスキルを持ってすら圧倒的物量の前には生き延びるのが精いっぱいという――できたかと思えばさらなるピンチが待ち受ける? なんだかんだで上手いこと立ち回ってきたスルガシステムにも暗雲が立ちこめてきた気配? 一難去ってまた一難というこれまでの負債が一気にのしかかってきたような展開に、今までのどこかすっきりする読後感など感じる余地もありはしないというものです。続きマダー?

にしても、返す返すもひどい話ですね。結局、今回のエピソードは起であり、続く物語の前哨戦にしか過ぎないのでしょうか。大企業の論理と、そこで働くことの意味。社内政治。プロであることの矜持。身体を壊しても、それでも働かなければならないのか? 冷徹なまでに区分けされる一山いくらの労働力と雇用主の断絶。もう、現実に絶望するしかないじゃない! といわんばかりの心が痛くなるお話ですが、考えてみれば夏海公司という作家が描く物語って割とそういうところがあったなあと。ほら、そこのあなた、未読なら「葉桜が来た夏」を今すぐ読むんだ! こういう派閥の対立と文字通りの命がけの丁々発止が楽しめるから。ああ、なるほど、今回のお話、雰囲気が違うなあと思ったけれど、前シリーズの、そういうシビアなところの味が濃くなっているのかもしれないですね。「萌える」という修辞はかなり色あせてしまいましたけれど、ストーリー的には深みを増してきてるんじゃないですか?

缶の可換環館おかわり

http://kakankankan.blog65.fc2.com/blog-entry-394.html

今回もデスマ街道を突っ走る主人公たち。
しかし、今回はその深刻さが並外れている。
これまでのエピソードでは、立場の違い故に反発することがあっても、
プロジェクトの完遂、顧客満足度の向上という絶対の目的を共通できていた。
しかし今回の案件は違う。
まさしく魔窟だ。
上流の社員は自分の出世しか興味がなく、社内政治をどううまく渡り歩くかしか眼中にない。
そこには下請け社員や外注社員を同じプロジェクトのメンバーとして扱う理性が入る余地はない。
そんな人として当たり前の人間性すら淘汰される環境において
主人公に課されるのは、文字通り死への行進のみ。
痛いよ!胃が痛いよ!

お菓子とウサギさん新館

http://fuwafuwausa.cocolog-nifty.com/blog/2012/08/se-7-5229.html

しかしまあこの大濠なるプロパー、見ていて12年前に潜り込んでいたとある会社を思い出しました。SE●とかいう大手の1つですが。個人的に日●と住●だけはいい印象ありません。やつらは子会社孫会社までろくでもない人材が揃ってます。そういう社風の中で生きていくためにはああなるしかないんだろうなと。非常に公務員に近い空気を感じます。自分は被害受けてないけど、友人曰く東●もひどいらしい。

逆にNE●とかAT&●とかはしっかりした対応の人が多かった印象。でもNESI●は微妙だったか。

ま、多かれ少なかれ、大手ってそんなものですよねー。ちなみに大手の中では個人的に富士●さんは好きです。商品には魅力ないけど人当たりのいい人が多かったです。逆に上に挙げた会社は人間はひどいけど商品のクオリティは高かったりね。バランス難しい。

で、今回のJT&Wという現場は何もかもがひどいわけか。大体どこかでバランス取れてるものだけどなあ。しかしカウルドットコムも可哀想に。まああっちも一緒に仕事したいとは思えそうにない人だったけど。

Ademのぶる〜ぼっくす

http://blogs.dion.ne.jp/adem/archives/10869387.html

というか他人事じゃないですけど。実際、昔自分に降りかかってきたいろいろなことが甦ってきて、読む手が止まりました。おかげでまだ最後まで読み終わってません。きっと最終的にはハッピーエンドになるんでしょう。うんそうでしょう。

今日はもう読めないや男子サッカー見ようははははははニッポンガンバレ!

……。

気を取り直して後半を読み始めたんですが、今度は上司の藤崎さんが言っていた大企業の魔窟っぷりが明らかになってきます。常駐案件のひどさとかそういうのが吹き飛ぶくらいです。予想の斜め上を行った醜さでした。

業界にいる人には、あんまり笑えない上に思い出すと胸が苦しくなりそうな感じの7巻ですが、「あるある感」は半端ないので読み応えは有るのでは無いかと思います。

N9/Mer/Tizenったり

http://moguriqt.hatenablog.jp/entry/2012/08/15/005150

前職で、その手のエラい人が、予定の調整を忘れて

「でも予定は変えられません!」

と逆ギレし、なんとか強行軍で納品したら

”予定を前倒しして完了しました!”

で、エラい人だけが好評価を得た、とか。
タイトな予定を強制された側にはねぎらいの一言もなく、、

不定期な雑記

http://waizu.at.webry.info/201208/article_1.html

今回は客先常駐の話。「外注が使う机はボロでもいい」みたいな表現がありましたが、むかしの記憶だとそういった事はありませんが、今の環境で見渡してみると、確かに二世代前くらいの机とか使ったいたりしてますね。

まあ自分達が使っている備品も数世代前くらいの品物だったりしてますから、誇張って訳でもなさそうです。

今回の話はブラックすぎて、正直ひきました。「こちらからは残業をお願いしている訳ではありません。やっているのは、そちらが勝手にやっているだけでしょ」とか言うのって問題じゃないのかよ?と思いました。
無論、小説を面白くする為の誇張表現ですが、この業界じゃあ、こういった事もまかり通っていそうで怖いです。

たしかに,ああいう風に口にする人は珍しいと思います.それを録音でもされたら大変だから‥‥そういう意味では,私物を没収してるからこその暴言ですかね.

むしろ「そんなこと分かってることでしょ?何いまさら知らないふりしてるの?ここで働いてる人はみんなそうなんだよ.あんただけ特別扱いするわけないでしょ.」という雰囲気を醸し出して,有無を言わさずゴリ押しする人の方が多いんじゃないかな.

こっちが弁護士でも連れて行かないと,同じテーブルに付くことさえない気がします.

でもPMの話だったり、全国行脚の出張だったり、なんか新人がやる仕事じゃない内容が続くと、感情移入しずらい面もあります。

さすがに新人でPMはないとしても全国行脚の方は状況次第でしょうね.作業自体は単純だから,「単価の安い新人にやらせとけっ!」というのは一理あるし.

Atelier NODOKA

http://www.atelier-nodoka.net/2012/08/nareru-se-7/

今回のお話は客先常駐。「セキュリティーがー」云々はインターンシップでCEルームに行ったときに体験しました(それでも私物は没収されなかったような気がする)。PCを会社から持ち出させてくれないんですよね。他にも官公庁系だとUSBメモリなどの持ち込みも禁止だと働いている友人が言っておりました。まあ、いずれもセキュリティ対策として考えるならば至極自然なことですよね。仕方ないです。

PCの持ち出し禁止と(通常の)USBメモリの持ち出し禁止だけならともかくね,VPN接続も開発ツールのインストールも禁止,インターネット接続も禁止だと仕事にならないんですよね.最近だとKindleの持ち込み禁止とかも困るなあ.

開発経験もなければ現場も知らないエライ人の「これはセキュリティ対策だから当然なのです(キリッ)」が,一体どれだけ会社に損害を与えていることか.過剰で無意味な「セキュリティ対策」から発生した損害は,彼等の給与から天引きして欲しいもんです.

基本的には「あるある」ネタを詰め込んだような感じで、技術的に難しい用語はさほど出てきませんでした。だからサクサクと読めたのかもしれません。もちろん、使用するツールやネットワークなどインフラ系の専門知識がないと意味不明なところも多いですが。

室長のひとりごち

http://d.hatena.ne.jp/fumisan/20120814

なれる! SE7 目からうろこの?客先常駐術を読み終わって、そう言えば就職してすぐに客先常駐でそれから、かれこれ10年以上は客先ばっかりだったなぁ...といろいろ思い出した。エンジニア生活の半分が客先常駐で最初から客先だったから、それが普通だと思っていたし。刷り込みって怖いものだ。

それって,ひょっとして『洗脳』って言いませんか?

持ち物検査、私物預かり、人月売り、引き抜き、都心の立派なビル、くたびれた什器、ボディチェック、プロジェクトルーム、プロジェクトの人が多い、行ってからやることを知る、手順書、業務委託、アクセス権限、入館申請、古いPC、アプリ申請、分離されたシステム環境、作業申請、パートナー同志の付き合い、元請けリーダーの交替、立ち合い、メンバのダウン、トラブルプロジェクト、飲み会、心のなかで絶叫、奴隷、デート、客先打ち合わせ、責任押し付け合い、勘違い、上長へのクレーム、徹夜、費用精算、稼働確保、相談相手、辞めるか、契約書、作業指示または事前承認、エビデンス、別のパートナーに契約を回す、若手の育成、他人を売る

なれる! SE7から上記にまとめたキーワードを眺めてみると、エンジニアを10年もしていたら、ほとんど経験しているよな、と。未経験なのはボディチェックくらい。あと、奴隷の様だと思ったことはないな。

わく☆すたブログ「SEのリアル 〜客先常駐〜」

http://mizukix.cocolog-nifty.com/wakuwaku/2012/08/se-dcab.html

一応,大学の研究でC言語FORTRANは使っていたので,プログラミング自体はできたので,どうも「即戦力で使えるかも」という評価だったようです。

そして,入社したその日に,「火を吹いてるプロジェクトがあって,人手が足りないので,すぐに行って欲しい」と言われ,入社2日目からいきなり,客先常駐となりました。

東京に来て間もなく,「東陽町」と聞いてもどこだかわからないぐらいでしたが,いきなり営業さんに連れて行かれて,開発チームに「よろしく」と放り込まれました。
幸い,同じチームの人はやさしい人が多くて,ちょっとずつ教えてもらいながらですが,なんとかテストやプログラミングをこなすことができました。
#かなり冷や汗ものでしたが。。。

その後も,銀行のシステムを開発するときには銀行にずっと常駐でした。
薬局のシステムを開発するときには,二次請けだったので,一次請けの企業にずっと常駐。。。という感じでした。

脈絡の無い趣味のサイト

http://www.edita.jp/amawasi/one/amawasi9492120.html

大企業から仕事のオファー(怪しめ)→主人公(新人エンジニア)桜坂工兵が意欲を見せる→なーんだ大した案件じゃないなと思わせて→実は・・・

という感じで、世の中にはこんな所もあるのかも知れないというのを学ばせてくれる良い作品です。
イイ勉強になります。


このライトノベル仕事を思い出すから読みながら「うわぁ」とか「あぁ」ってなるから少しツライのが玉に瑕です。
楽しめるは楽しめる作品ですよ。
ただ、仕事に嫌な感情を持っているならオススメ出来ないかも知れません。

「仕事に嫌な感情を持っているならお勧めできない」とすると,それは「IT業界経験者にはお勧めできない」と同義では?

karanko's blog

http://krnkkt.hateblo.jp/entry/2012/08/13/005653

今までのエピソードでも、確かに酷い話が展開された。ただ、SEからみれば
「あるあるw」
「確かに酷い会社だが、そんなにブラックじゃないよね」
くらいのものだ。

ただ、今回のエピソードは別。幸い、私は本エピソードで語られたような酷いプロジェクトに携わったことはないので、なんとかエンタメ作品として楽しめた。経験したことがある方は、ある程度覚悟してから読んだ方が良いかも。それだけ、思い出したくもない、酷い話が詰まったエピソード。

Active Recall

http://blog.livedoor.jp/diptheflag/archives/51373013.html

7巻は客先常駐案件。ほら,僕も昔は沖電気富士通東芝とかNTTに月額80万とか110万円とかで売り飛ばされてたんですけどね,支払った分は扱き使わないと損っていう事なんでしょうかね,通常の180時間労働以外にサービス残業時間が月に240時間とかあってね,これ読んでたらもう15年くらい前の体験なのにトラウマが開きそうだったよ,怖い怖い。

ネギま!部屋のみら〜

http://ameblo.jp/yan-negima/entry-11329823562.html

2時間強で読み終わって・・・
感想を書くのに2時間かかってしまいました(´・ω・`)


とりあえず・・・一言感想・・・
なんか自分を見てるようで(´;ω;`)ブワッ

ゆとり研究室

http://d.hatena.ne.jp/lambda3l/20120819/1345374572

なにこれ、超怖いんですけど。

今までも無茶振りだ理不尽だとありましたが、今回はもう正気を疑うレベル。これが「よくある」ことだというのか……

私は前述のとおり学生なので、実際のところどんなもんかよく分からないのですが、この理不尽さにはやはり一定の真実味を感じるんですよね……

その理不尽さにリアリティがあるからこそ、それを打破したときの痛快さが際立つというか。この作品の面白みもそこにあるのかなと。

以前に書いたことだけど,

この作品のストーリーを分類すると

  1. 平均的中小SI会社の様々なブラックな側面 *13
  2. 新卒一年目の工兵に,なぜか重要な仕事が押しつけられる
  3. それを工兵がみごとに解決(そして仕事量と疲労はうなぎ登り!)
  4. 何故か登場する女性社員.しかも工兵が次々とフラグ立て

1は赤裸々な業界ノンフィクション.2は「滅多にないけど,たまにはあるかも」レベル.3は「まあラノベだし,そのくらいはいいんじゃね?」*6.4は「絶対にありえない.リアリティがないにもほどがある」.

http://d.hatena.ne.jp/JavaBlack/20110518/p1

黒い部分はノンフィクションですが,しかし現実では問題解決されることは決してありません.その点においては「なれるSE」はフィクションです.ご安心ください.

名称未定ドキュメント”Que”

http://d.hatena.ne.jp/hidesuke/20120821/1345560742

くろすぎるです!

この巻は真っ黒でダメージでかいです。
何といっても舞台が大崎*1が舞台ですからね(吐血
そういえば、弊社もその昔、突然叫びだして救急車で運ばれていった人が痛そうです(吐血
そういえば、「今日はこのままお休みを頂きます」とメールを出したっきり二度と会社に来なくなった人がいたそうです(吐血
いや、僕が入社する前の話らしいですよハハハ。'`,、('∀`) '`,、 (吐血

あの子がカレーを食べなかったわけ

http://d.hatena.ne.jp/e_p_i/20120826/1345989638

客先常駐…。以前いた会社で「日本を代表するコンピュータ会社」であった某社のプロジェクトルームへの客先常駐をした事がありますが、…椅子が腰かけてられない程酷かったという記憶が鮮烈に残っています。…ボルトの部分が、腰に刺さるのです…いやマジで。優秀な技術リーダー(これまた社外の人)がいたおかげで何とか保っていた部所でしたが、その方が(おそらく)抜けたのと、負荷増大とシステム更改が上手くいかなかったのでしょう、私が離れてから色々と問題が起きているみたいです。WindowsXPのメモリが256MBで、ソフトウェアの導入はもちろん申請が必要、インターネットへのアクセスがファイアウォールでブロックされる…とかでなくそもそも隔絶、という環境でした。 …いやぁ、嫌な記憶が呼び起こされる良書ですねぇ…。

これまでタフな働き方をしても倒れなかった人間が倒れる、というのは相当まずいでしょう。能力の高さ(仕事の速さ&出来の良さ)、集中力、プロとしての自負心、耐久力、ともに第一品のものを持った人間がダウンしたって、危機的状況ですよどう考えても。凡人には出来ない仕事が凄まじいスピードで出来る人間を壊すて、ヤバすぎる…。

これは良くあること.技術のことが分からない人が「まねじめんと」をやってるので,見積もりを2〜3桁間違うなんてザラ.10人分の仕事を丸投げされたら,そりゃどんな人間だって潰されます.

読書メーター

http://book.akahoshitakuya.com/b/4048868535

とりこのべる
相変わらず面白いけど、相変わらずすごい内容…。個人的に今後転職する機会があっても、SEにだけはなるまいと改めて心に誓いました。

そんなわけでこの「なるな!SE」の第7巻。 今回は例によって社長の無茶ぶりから大手企業のプロジェクトに参加。 相手のオフィスに常駐勤務することになります。 一流企業のオフィスで働けると意気込む工兵。乗り気のしない立華。 そんな彼等がおかれたのは、奴隷もかくやというほど酷い状況でー。

細かい専門的な部分は素人ゆえイマイチ理解できないけど、ストーリーや展開は充分に堪能できます

てつ
働きたくないでござる……働きたくないでござる…………
今までで一番きっついお話でしたね……なんですかこれは。SEへの道を絶ってくれたこのラノベは神(棒)

dousite_K
いつも通り地獄に落ちて、そこから生還する話なんですが……。

オチまで真っ黒で、もうこの世界には絶望しかないのかと思わされんばかりの勢い。更には、次巻へのフリまで酷いのだから最早言葉も出てこない。

脚色、多分にあるでしょうが……、もうなんか僕ずっとニートでいいや。現代の奴隷制度がここにある。働く意欲を失わせる恐怖の一冊でした。

つよしー
奴隷契約のお話。

こんな話を読んでしまったら社会に出たくなくなります。あとがきに「鬱話は業界的に珍しくない」と書かれているのが更に…。

それにしても梢さんが頼もしい。解決の糸口を示した訳ではないですが、円満撤退へと流れを変えたきっかけは彼女だと思います。結果工兵が主人公パワーを発揮できた訳ですし。真っ黒な話でしたが最後はスッキリでき面白かったです。また、最後の一文で次巻も待ち遠しくなりました。

toresebu
業平の案件を思い出すな。あれも酷かったけど、ある程度の権限が与えられていただけ融通の効かせようがあった。

今回は末端なので……。大手SIerも限られているし、政府が顧客でさえ酷いザマになることがあるのも分かっているので(地デジ導入の案件とか)、何となく具体的な状況が浮かぶ。もはやこれは構造上の問題としか……。そして更に続くんだな、これが……。

MARUNE
国内最大手ITメーカーの赤字案件に常駐する事になっていつも通りのネットワーク構築で死を見るお話。ありそーでありそーで笑うに笑えない内容。主人公が有能すぎに見えるな…。

TTakeshi
技術力も調整力も無い大濠のような人間が腐るほど実在するから困る。 日本のIT業界のダメさ加減が分かる笑って読めない話。

あとネットワークの話では無く業務APの開発話だったらスプラッターになったハズw

kula-diamond
結局のところ上司に取り入る政治力が重視される日本の大企業風土に問題がある気がしますね…
会議・接待>現場となっている現状が打破されない限りIT業界に関わらず前途は暗澹な気持ちです。

らう
一巻読んだ時なんでこの業界ありがちな客先常駐の話じゃないんだろう!?と思ったが、巻末のあとがきにそのあたりの裏事情がかいてあった。

プロジェクトルームはなぜぼろくて、プロパー社員がおらず外注の契約社員や業務委託ばかりなのか?についての疑問はあったがそのへんの理由も述べられていて今回も勉強になる。

ただ、プロパーが人月200〜てのはホントかな・・私はリソースが足りないからと、PGスキルがないから・・が○BMや、目立や、○○○データが外注する理由だと思ってたのだが。

スキルについては鶏と卵なんでわ.

  • 人月200万で客からぼったくるには「じょーりゅーこーてー」専業でなければならない
  • プログラミング経験のある人を雇わず,ない人を雇う
  • プログラマには,プロマネとかSEとか設計者という肩書きを与えて,プログラミングをさせなくなる
  • 開発経験が乏しくなり,PGスキルも陳腐化し,開発スキルがなくなる

加えてプログラミングを追求したい人が辞めていくというのもあるかも.

harosci

今回は大手企業の客先常駐案件。簡単な内容と聞かされるが当然そんな事はなく、カンヅメ状態で奴隷のごとく使われる。工兵は増員かリモート作業を願い出るが拒否され、遂に立華は倒れてしまう。工兵はいつも定時退社する女性と知り合い不思議に思う。

しかし黒い。偽装請負なんてレベルじゃないぞ。俺も前の会社じゃ客先常駐で、席が足りない、朝までに結果欲しい(残業指示では無い)などあったがこれと比べりゃ天国だった。

今は大手で政治に左右されてるがさすがに妨害工作までは無いし。ソフト屋さんって恐ろしいな。

Tasuku Abe
自分がパートナーの立場にならない大会社って、実際エラそうだよね。

今までどおり、トラブル→工兵の機転→解決でめでたし! という流れではあるのだけれど、テーマが暗かった。

ここまで酷くはないけど、政治の話は耳が痛い。

あと自分は経験ないけど、以前先輩が「プロジェクトルームは・・・うん・・・」と言っていたのを思い出した。そういうことだったのかーと。苦笑いもできない。

会津
ああ、大濠だ大濠。 いるよね、こういう「しゃぶれそうなら骨の髄までしゃぶろう」って自然に行動に出てる人間。

こういうのからは、なりふりかまわず逃げる事を今までの仕事で覚えました・・・。 工兵は偉いなぁ

ずみ
あとがきの「黒過ぎてボツになったプロット」が的を射すぎの鬱話。

今までの「凄いエンジニアたちが技術で逆転勝利する」という少年漫画やラノベ的エンドとは違い「戦略的撤退」というのが生々しいです。

今回のキーヒロイン、貝塚さんみたいな経緯で会社立ち上げたりフリーランスになった人は(僕を含め)この業界やたら多いんで、そっちの方がプロジェクトルームの描写よりある意味リアル。貝塚さんの「どうすれば人を売る立場になれるんでしょうね」と室見さんの「私達エンジニアの売り物は技術、それ以外の何物でもないわ」の対比が上手いです。

しかも貝塚さんがいなければ,その戦略的撤退さえもさせてもらえないという.現場は「既に壊滅状態です」と言ってるのに,「これは我が祖国を守るために,絶対に負けるわけには行かない戦いだ.いかなる犠牲を払ってでも,そこを死守しろ.そのためには何人死んでも構わん!」と言われてるような物.既に負けが決まってるのに,エライ人負けを認めたくないからと,国を犠牲にしてでも問題を先送りにする.でも結局負け戦の事実は変わらない.

どうせ死ぬのは自分じゃないからと,ホント気楽に言ってくれるよね.

それと,たしかに日本においては「起業したら良いんじゃね」は「人を売る立場になれば良いんじゃね」とだいたい同じ意味だ.だからこそエンジニアやプログラマとしては,起業家になるという選択肢はありえない.

ZED
カモメさんは出番が少ないがよかった。おもしろかった、これが一巻だと他のが平凡な話になってしまう。

P87の妙な職場の描写は当たっているので笑えた、ゲンジツはもっと厳しいと思う。

P164を感情こめて朗読してほしい。今後、読者は強い刺激を求めて工兵がより過酷な試練を受けることを喜ぶことだろう、

時系列的に年末のイベントがあるに違いない。フィクションだから主人公はなんとかなっているのだろう、このまま続いてもハッピーエンドにはなれそうにないけどまだまだ続きが読みたい。

ここのことかな?

P87.
− 一つの机に人が二人座っている.

あたかも博多ラーメン店の独立カウンターのごとく,職員達が窮屈そうに肩を寄せ合っていた.見れば前後のスペースもかなり狭い.椅子を引く度に背後の席とぶつかっている.見ているうち,肥満気味の青年が一人,臨席のコーヒーカップを肘で引っかけ倒した.


せまっ!


頬肉を引きつらせて呻く.なんだこの人口密度,詰め込みすぎだろう.養鶏場の鶏じゃないんだぞ.あんなスペースで終日働けって?

P164.
‥‥なんなんだよもう,この常駐業務って奴は.人間性を破壊し正気を失わせる.窓のない部屋に大人数を押し込め,夜昼関係なくこき使って,私物は没収,外部との連絡も許さないとか.これじゃあ,これじゃあまるで.


奴隷じゃないか.


(中略)
「自由は金で買うものですからねぇ.財力のない人間は会社というガレー船に生涯乗り続けるしかない.あとはただ,主が善人であることを祈るのみです.」
「今の僕らの主人は?」
「言わせますか?」
「‥‥いえ、‥‥すみません.」
工兵は謝罪した.ううむ‥‥大濠さんは,確かになぁ.眉間を揉みつつ首をかしげる

ryo511
いやあ、客先常駐って本当にいいものですねえ(棒)/

SE志望者必読。1〜6巻をすっ飛ばしてもいいから、この巻だけでも。/

本書で仕事行きたくない病にかかった人には、WindowsNTの開発を描いた『闘うプログラマー』をオススメ(まあこれもデスマーチ物語なのだが…)。A

SE志望者が死亡者にならないように注意.

トトス
二時間ほどで読めた。

今回は戦慄の客先常駐編です。大手企業で大きな仕事ができると浮かれる主人公工兵が待ち受けたものは不自由、非合理、理不尽です。ここまでの現場には幸運な事に飛ばされていませんが、あり得る話で読んでいただけで胃が痛くなりました。

大手企業の政治に巻き込まれるのはいつも末端です。自分は技術だけを売り込むエンジニアになりたいです。請負業は人身売買と同じです。まさしく現代の奴隷制度です。今回はうまく乗り切れましたが、こんな現場に直面したら、おかしくなるまえに辞めるべきです。この夏ブラック物語を是非。

shinn♪
自分は現役客先常駐SEです。いつも苦笑いしながら楽しんでいる本シリーズですが、今回ばかりは見に覚えがありすぎて痛い痛い痛いぎゃー。最近はSE残酷物語という感が薄れていましたが、急に現実を突きつけられた気分です。

今回ばかりは工兵君の活躍よいうよりも周りの助けと幸運な状況に助けられた感ですが、数少ないチャンスを掴んだのはさすがと言うしかないでしょう。自分がこの立場になったらと思うとぞっとします

雪風
ボクと契約してデスマーチプロジェクトに参加してよ(^_^)

西織
SE残酷物語第七弾。萌える? この巻で表紙の可愛い子が過労でぶっ倒れますが何か?
これまでも無茶ぶりやべぇとは思っていたが、今回は群を抜いている。忙しくてやばい、というレベルをはるかに超える扱いの悪さ。胸が痛くなる。それでも、物語なのだから解決してくれるところが爽快。現実はこんなにうまくいかないだけに、虚構の中だけでも、カタルシスが味わえるのがこのシリーズのいいところ。

しかし、藤崎さんの過去話での貝塚さんのセリフには鳥肌が立った。下手なスプラッタよりもホラーすぎる。背筋が凍るっていうのはこういうことか。

那須
資料持ち出し不可のプロジェクトルームに現在進行形で常駐してる身としてはワロエナイ (真顔) リアルすぎて怖い。いつもいつもこの作品は業界人を揺さぶるんだぜ...。

セキュリティ強化するのは金がかかるのですがマネジメント層はなかなかそれを追加費用とは見ない傾向にあり。PJ初期は大局の話しかしないからいざ専門の担当者まで落ちて詳細を詰めると抜け漏れがいっぱい見つかるのも常

しかし梢さんはどんどんストーカーキャラを確立していくなぁ。大事なおっぱい担当なんで邪険にしないでください(ぉ

むぎちょこ@ぺろぺろ勢
今までと違って笑い飛ばせないぐらいのブラックっぷりでした。

来年からSEとしてこの業界に入るのだが心配になってきました。下手なホラーものよりも怖いですよ。一つ思ったのは、自分はエンジニアとしてやっていきたいなーと思いました。

それはそうと、立華ちゃんペロペロ

一言だけ忠告するなら,命あっての物種.死んだら元も子もありません.死ぬ気で頑張るくらいなら,迷わず意地でも生き残る方を選びなさい.あなたが死んでも,お客や上司は笑ってるだけです.*14

生きてればきっと良いこともあるよ(棒読み.)

ぬもろんちゅえ

今までとは一線を画するブラック具合だった。これなら給料安くても責任を問われないフリーターやりながら気楽に暮らしてたほうが幾分マシって思えるくらいに。

カナちゃん成分と梢さん成分と文月ちゃん成分が足りない!

tagaura
人月単価の話し、同じような事を最近社長としたばっかりだったw

ブラックでも、帰りたいと思う気持ちはすごいわかるわー。

真田さん
なんか聞いたことがあるような話しで笑えない・・・。早いところ自分も抜け出したいもんです。

最後の解説コーナーが好きです。あとは橋本課長成分が足りない・・・。

ブー
今回、見事な炎上案件に拘ってしまった主人公。(自分もここまで酷い常駐案件には拘ったことはないが・・・近いものはあった・・・)

しかし、毎回ながら落ち所はまさに奇跡としか言いようがない・・・まさにファンタジーって感じです。

また、今回は藤崎さんの過去が少し露呈・・・やはり藤崎さん優秀だったんだなぁ〜。

そして、ラストはマタマタ波乱な展開な感じ・・・次巻が楽しみです。

人間
俺は入社1ヶ月でPJに放り込まれましたがまだましです…でも辞めたいです…

Dobject

あとがきで著者も記載していたことだが段々、萌えるSEでは亡くなってきている。

一回でも選択を見すれば即廃人コースまっしぐらなSE裏街道(表?)が赤裸々に暴露されます。しかも自分と同じ常駐系SE、うわぁぁぁぁぁぁあああ。見に覚えがありすぎて嫌だ。ドキュメントにアクセス権がない、顧客がいないとトイレもいけない、そもそも自分の机が存在しない等など。段々、見ていて笑えなくなってきているSE残酷物語でした。

でも続巻も買うもんね(麻痺)

これこそが表街道だと思います.

ojack
知合いにSEやってる人、結構いるんだよね・・・

仔羊
今までのブラックさとはずいぶんかけ離れてしまうほどのブラック企業でありますね…。貝塚さんがここで働いていなければ恐らく工兵さんは発狂していたでしょう。「赤字当然プロジェクト」を1巻に持ってこなくて正解ですよ。初っ端からドン引きですよ。

梢さんのキャラがここにきて極まりましたね(笑)。そして最後の引きはどうなるのかが気になります

実は今回も「工兵のジゴロスキルで籠絡した新登場のヒロインの手助けで窮地を脱する」というパターンは踏襲しているのですね.

海老庵
相変わらず読んでて胃とか心臓とか痛くなるな……デフォルメされてるけど、ノンフィクションだったりするんだよね。

雪風
公平君がかっこよすぎますよね。ご指摘どおりデフォルメされてるけど,核心部分はノンフィクションというのに賛成を1票

右に同じ.

らて。
こんな会社では働きたくないなと思った大学三年の夏

mts

今回の話はガチできつくて正直ちょっと引きました(笑)こんな仕事させられるくらいなら確実に会社辞める自信あるぞマジで。……

しかしそこは流石の桜坂さん(これでまだ入社半年……だと……?)、ちょっと反則気味ですがなんとか窮地を脱して思わずホッとしてしまいました。まぁ藤崎さんとの話でもう一回叩き落とされた感じですがね。

まぁとりあえず、大濠は死んでいいと思うよ。

そんでもってまさかの次巻への引き!あー早く続き出ろー!!

日本のIT業界に来ると「働いたら負け」という格言の重みが理解できるようになります.

雪風
こんなもんかなぁと。

安価で受注した「最初からデスマーチ確定」プロジェクトはこの巻どおりなんだよね。よくあるパターンが,営業が無茶を気軽に請けおう->現場が従うだったなぁ(社内闘争で「消えた」営業やSEもいた)。

それと新人が多いので「XX学校プロジェクト」とか言ったり(新人が1年中次々入れ替わるってどうよ(苦笑))。

公平君は妙な交渉能力をつけてるなぁ(彼の立場では好ましくない能力)。室井さん*15は焼き餅や弱い所をみせて可愛いくて,梢さんは「ヤンデレ化」,公平君はカモメさんの玩具と女性陣が面白い巻でもありました


レイヤー1は,全体的に公平君の口調やモノローグがおかしいのだけど,意図的なものなのかな?。ここは違和感が強かった。イラストは,力はいってましたね。

ここでは匿名になってますがどこの大手企業も同じですよ。発注側にもしわ寄せが来る事も良くある話。発注側は自社財務(経理)部門との戦争なんで(苦笑)。実際は,労働費用計算基礎資料というのが販売されていて,地域毎の標準月額が掲載されているのです。このため実費用にあわないプロジェクト予算となるのですね〜。ヤダヤダ。

レイヤー1のモノローグはそんなに変だったかな.自分は気づかなかった.

でもそういうことなら,ひょっとして昔書き始めていたボツ原稿を引っ張り出してそれをレイヤー1にツギハギしたので,その部分だけ古い書き方になっているとかあるかもしれない.


前任者が書き始めたソースを引き継いだ時などは,そこだけコメントの付け方やインデントが違ってたりするんだよね.

Twitter




そうですね.まだ他人事だからですね.この業界に入ったら,読んでて胃が痛くなるでしょう.



長いものには巻かれろというか,企業の暴力の前には企業倫理とか労基署とか個人の努力ややる気などは全くの無力なのです.あとはせいぜい頑張ってるフリだけして最後まで生き延びることこそが,大手ブラック企業で仕事をするコツということではないでしょうか.




労基署もたまには仕事しろ.









次は倒産かな?リストラかな?どっちもSEの基本スキルだよね!









たったの3割ですかw

二倍くらいじゃ焼け石に水な気も.真のデスマーチだと桁が1〜2桁ズレてたりするから.



以下,直接は関係ないけどメモ.

奋斗吧!系统工程师4 [平装]

http://www.amazon.cn/dp/B008Y7V4Q0/

はたして彼等にこの話が理解できるんだろうか?100%フィクションと思われてるんじゃあるまいな...

Tech総研 「周りはみんなお客様!常駐SEの泣き笑い人生劇場」

http://rikunabi-next.yahoo.co.jp/tech/docs/ct_s03600.jsp?p=000422

Tech総研「常駐SEよ聞いてくれ! 客先SEは顔で笑って心で泣くのさ」

http://rikunabi-next.yahoo.co.jp/tech/docs/ct_s03600.jsp?p=000629

[の] のまのしわざ「末端スタッフだけが知りうる地獄のF1富士の裏側」

http://nomano.shiwaza.com/tnoma/blog/archives/006303.html
「糞トヨタ」で知られるF1のシャトルバス運営のグダグダっぷり.

酷いことは酷いけど,たかがF1シャトルバスだと長くても数日(この時は三〜四日)で終わるが,IT業界のデスマは3ヶ月のこともあれば3年のこともある.シャトルバスでリソースが足りなければ,よそから集めて追加すればすむ話だが,プログラミングで安易な人の追加はより多くの遅延を招くだけ.

おまけ

http://f.hatena.ne.jp/celitan/20101010170206
http://d.hatena.ne.jp/celitan/20101017/1287332289 より

結構古いネタだが,いまぐぐって初めて知った.

*1:表紙はツナ缶.客先常駐だけに「缶詰」なんでしょう.

*2:ということが良くあるので,こっちのネタはぜんぜん笑えないのです.
「先輩から借りたUSBの中身がコレだったからブッ殺したい」 http://twitpic.com/az008j

*3:これについては,知らなくても予測可能な範囲.論理的に考えれば分かるだろ.

*4:そういう意味ではPCの使用するソフトウエアの申請ミスがある組織というのは,非常に危険でもある.使用するアプリなんてだいたい決まっていて毎回同じ様な定型業務で,申請フローも単純なのに,そんな所でも漏れ抜けが発生すると言うことは,大濠の業務処理能力が極めて低いことを示唆しているから.

*5:日本アイ・ビー・エル.なぜか音に聞き覚えがあるような気がするが,気のせいだろう.

*6:「モチーフはNippon Electric Company, Limitedじゃね?」というご意見も.※この作品はフィクションであり,実在の人物・地名・Webサイト・プロジェクトルーム・SIer等とはいっさい関係ありません.

*7:対照的なのが,先日完結したPRESS ENTERの「冷たい方程式」. http://el.jibun.atmarkit.co.jp/pressenter/all_entrylist.html
渕上マネージャのような無能を絵に描いたような人間が,プロジェクトを引っかき回して開発を遅延させ製品の品質を落とし,外注を酷使して会社の信用と評判を落とした上に,なぜか本人はお咎めなしという方が,よっぽど救いがない.

*8:たとえば「昨日の面接が終わって」のような,面接の日時に関する記述は無い.しかし社長が気づいたのが16日昼休みなので,それから連絡をとっても面接は翌日と考えて良いだろう.またこれによって中一日あいた理由も説明が付く.大濠の「なんか昨日?顔合わせして今日配属とうかがったんですけど,準備とか大変だったんじゃないですか?」という11/18(水)のセリフがあった.

*9:「げーんかーい」の所から11/30に飛んでいるようだ.工兵も「だってもう半月ですよ,ここに来て」とも言ってる.

*10:「一週間が過ぎた」と言ってるので,10(木)の可能性もあるが,まだ常駐してるのに飲み会を平日にするのは不自然だし,また次の「翌々日」の話が土曜になり「定時退社」の話と合わなくなる.飲み会を土曜にして,「翌々日」は月曜と判断した方が筋が通る.

*11:よく考えたら当たり前の話だ!

*12:たとえばコンプガチャの禁止でリドルトリルの売り上げが激減.コストダウンのためにもっと安い開発会社に切り替えたとか.大規模メンテの直後だったのも,同じ解約するなら面倒なことを少しでも多くスルガシステムに押しつけるため.

*13:今回は「大手SI会社の」になりましたね.

*14:http://slashdot.jp/story/11/08/25/083250/

*15:室井さんは室見さんのtypoかな.