▼はじめに

このセクションで言いたいこと
・はじめまして。商標速報bot製作者の kwixilvr (くいっくしるばー) と申します
・前回のクラウドファンディングは失敗しましたが、支援者の存在を心強く感じました
・もう一度、クラウドファンディングに賭けてみます

はじめまして…ではない人もいるかもしれませんが、はじめまして。
商標速報bot(@trademark_bot)製作者の kwixilvr と申します。
(kwixilvrは"くいっくしるばー"と読むという設定です。)

昨年12月にクラウドファンディングに初挑戦したのですが、
突貫でページを作ったこともあり、プロジェクトの意義を伝えきれなかったり、
あまりうるさく宣伝するのも…というためらいから宣伝しなさすぎたりして、
なかなか支援を集めることができませんでした。

結局、最終日である大晦日になって急に宣伝しだす時すでにお寿司
という醜態を演じる結果となりました。

初めてのクラウドファンディングは失敗に終わりましたが、
積極的にアピールを行った最終日だけで20万円以上のご支援があり、
総額としては30万円以上のご支援を集めることができました。

50万円を目標金額とした、
All-or-Nothing 方式(目標金額を達成すると資金を受け取れる方式)の
ファンディングであったため、
支援金を受け取ることはできなかったのですが、
支援してくれる方がそれなりにいることを知り、心強く感じました。

また、ありがたいことに、ファンディングへの再挑戦を促す声も頂きました。
ファンディングのことを知っていれば支援したのに…という声を聞くこともありました。
私としても、このまま終わるわけにはいかないという思いが強く、
もう一度クラウドファンディングに賭けてみることにしました。

▼商標速報botとは

言いたいこと
・商標速報botは、すべての商標登録出願の概要をツイートしている Twitter bot です
・商標速報botは、私には使いづらかった公式サービスを補完するものとして生まれました
・商標速報botとその Twilog を使うと、比較的簡単に商標を検索・参照できます

商標速報bot(@trademark_bot)は、
最新の公開商標公報に掲載されている、すべての商標登録出願の概要を
ツイートしている Twitter bot です。

商標速報botは、2011年11月に稼働を開始しました。
その後は、商標制度の改正に伴い新しいタイプの商標に対応するなど、
地道にアップデートを重ねていくことで、少しずつ認知されていき、
2017年3月現在、26,000人以上の方からフォローを頂いています。
フォロワーの数に強くこだわっているわけではありませんが、
多くの方に利用していただけることを、単純に嬉しく思います。

商標速報botを製作した経緯

商標速報botが稼働を開始した2011年当時は、
公式に提供されているサービスとして特許電子図書館(IPDL)というwebサイトがあり、
そこで登録出願された商標を調べることができました。

しかし、IPDLは私にとって少々使いづらいサイトでした。
もっと簡単に商標を調べられる手段があればいいのに…と考えた私は、
IPDLを補完するものとして、商標速報botを製作しました。

商標速報botとその Twilog を利用すれば、
比較的簡単に、最近出願された商標を検索・参照することができます。
(Twitter検索でも商標の検索ができる…はずでしたが、商標速報botのツイートが検索結果に一切出てこないことがあるようです。投稿頻度が高すぎるためスパムアカウントと見なされ、ツイートが非表示になる、といったことがあるのかもしれません。Twitter検索で商標速報botのツイートが出てこない場合は、Twilog の検索機能をお使いください。)

そもそも、私がなぜ商標を簡単に調べられる手段を必要としたのかというと、
以前も書きましたが、スーパー戦隊シリーズ、仮面ライダーシリーズ、
プリキュアシリーズの新作のタイトルを迅速・確実に捕捉する手段が欲しかった、
というのが大きいです。

▼このプロジェクトに取り組む理由

言いたいこと
・Twitter には文字数制限があり、商標速報botも情報を圧縮して投稿しています
・多くの情報を省略した結果、無用な誤解を招くこともあります
・商標速報botを補完し、完全な情報を簡単に参照できる、新たなサイトが必要

商標速報botの稼働開始から5年以上に渡り、
新しいタイプの商標に対応するといった機能追加やメンテナンスを続けてきました。
その中で、商標速報botを補完する新たなwebサイトの製作を検討してもいいのでは?
と考えるようになりました。

当然のことながら、Twitter には文字数を始めとする様々な制約があります。
商標速報botのツイートも、その制約を考慮した上で構成されています。

例えば、複数の区分が指定されている商標登録出願については、
公報上で各区分に記載されている指定商品・役務のうち、
先頭の商品・役務のみを記載するといった対応を取っています。

しかし、その結果、無用な誤解を招くこともあります。
よくあるケースとしては、
商標速報botがあるゲームタイトルに関する(と思われる)出願をツイートしたとします。
公報上では、
家庭用、携帯用を含むテレビゲーム全般の関連商品が指定商品として記載されているのに、
商標速報botのツイートでは、
"業務用テレビゲーム機用のプログラムほか"と記載されているために、
そのゲームタイトルのアーケード版が登場するのでは?
という誤解に基づく憶測が広がることがあります。
(その後、実際にアーケード版が登場することもありますが…)
そのような状況を見ると、商標速報botを製作した者としては、
自分のせいでちょっとしたデマが広がっているように思えることもあり、
なんとかできないものかと思案していました。

商標速報botがTwitter上のbotである以上、
情報を140文字以下に圧縮して投稿するのは仕方のないことです。
それ以上の情報を提供するには、別の手段が必要です。
つまり、商標速報botを補完し、完全な情報を提供するための、
新たなwebサイトを製作する必要があるのでは、と考えるに至りました。

IPDLの後継サービスとして公式に提供されている、
特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)では、
公開商標公報の内容を参照することができます。
別に自分がわざわざサイトを作らなくても、
商標登録出願の詳細を知りたい人はこのサービスを使えばよい、と考えることもできます。
しかし、個人的には、J-PlatPat の機能や使い勝手がそこまで良いとは思えません。
公報の参照は、もっと簡単にできるようになるべきだと思います。
例えば、商標速報botのツイートを見た人が、出願の詳細を知りたくなったときに、
1クリックか1タップでシームレスに参照できるのが理想です。

▼このプロジェクトで実現したいこと

言いたいこと
・商標登録出願を簡単に検索・参照できるwebサイトを製作します
・新サイトは、商標登録出願を最速でチェックできる手段にもなります
・大量出願者による出願を投稿しなくなるなど、商標速報botのアップデートも実施します

商標登録出願情報を簡単に検索・参照できるwebサイトを製作します。
商標登録出願情報が掲載されている公開商標公報の内容を蓄積し、
様々な条件で検索できるようにします。
OCRによる画像内テキストの検索にも対応する予定です。

また、このサイトは、
商標登録出願情報を(おそらく)最速でチェックできる手段にもなります。
J-PlatPat では、
直近1か月程度の間に登録出願された商標の情報については、
参照はできるものの検索することができません。
新しく作るサイトでは、
J-PlatPat でまだ検索対象になっていない商標についても検索できるようにします。

なお、一部の機能については有料にする予定です。

開発期間は半年程度を予定しています。
夏までにβテストを開始し、秋までに正式にリリースすることを目指します。

商標速報botに関しても、いくつかのアップデートを予定しています。

まず、商標速報botからシームレスに商標登録出願の詳細を参照する手段を提供します。
具体的にどのような手段を提供するのかは検討中です。
また、大量出願者により出願されている商標を、商標速報botにおいては投稿せず、
新たに作る大量出願者専用のbotアカウントにて投稿するようにします。

現在、商標速報botのバックエンドは、
いくつかの無料サービスを組み合わせて構成されています。
ただ、無料サービスですので、トラブルが起こることも多く、
対応に追われることもしばしばです。
今回のプロジェクトは、
新しく作るサイトのバックエンドを商標速報botでも利用することで、
従来の不安定なバックエンドを置き換えることも目的としています。

▼資金の使い道

皆様から頂いたお金は、サイト開発費・運営費などに充てさせていただきます。
サイトの製作にフルタイムで従事する所存ですので、どうかお力をお貸しください。

なお、前回のファンディングより目標金額が少し上がっている(50万円→60万円)のは、
CAMPFIREさんの手数料が改定されたことを受けてのものです。

▼リターンについて

おもに有料サービス利用権をリターンとさせていただきます。
10,000円以上支援していただいた方は、βテストに参加することができます。

▼こんな人に支援してほしい

今回のプロジェクトで製作するwebサイトは、
次のような方々に役立てていただけると考えています。

業務として商標登録出願をチェックしている方

最新の商標登録出願情報をチェックする手段としては、
J-PlatPat 以上の利便性を提供するつもりです。

趣味として商標登録出願をチェックしている方

特定の出願人による商標登録出願をチェックすることで、
新商品・新サービスの情報をいち早く知ることができるかもしれません。

業界の動向を知りたい方

業界の各企業による商標登録出願をチェックすることで、
業界全体や競合企業の動向を知ることができるはずです。

個人投資家の方

注目している企業による商標登録出願をチェックすることで、
その企業の次の一手を知ることができるかもしれません。

商標速報botからの大量出願者の排除を望む方

先述した通り、このプロジェクトが成立すれば、
商標速報botは大量出願者による出願を投稿しないようになります。

商標速報botの存続を望む方

現在の商標速報botは、
無料サービスを組み合わせた、不安定なバックエンドの上で動いています。
今回のプロジェクトが成立することにより、バックエンドが安定し、
これからも長く商標速報botを運営することができるようになります。

労働ダンピングはよくないと思う方

支援金の目標金額から手数料を差し引くと、50万円ほどになります。
フルタイムで半年ほど従事することを考えると、なかなか厳しい金額です…。
そのような状況はよくないと考える方は、ぜひご支援をお願いします…。

▼おわりに

言いたいこと
・商標速報botの開発・運営には、それなりに手間が掛かっています
・少しは対価が欲しい…しかし、現在の商標速報botの上でお金を作ろうとするのは不適切
・商標速報botが提供する価値を高め、長く運営を続けられる体制を整える機会をください

自分で言うのも何ですが、
商標速報botの開発・運営には、それなりに手間が掛かっています。
別にすごいエンジニアというわけではない自分にとっては、軽くない負担です。

そこまで苦労しているなら、
少しくらいアフィリエイトなどを絡ませてもいいのでは? と考えたこともありました。
(実はそういうことに手を出しかけたことはあるんですが、すぐにやめました。)
しかし、厳しい言い方をするなら、現行の商標速報botは、
公報に掲載されている情報をそのまま垂れ流しているに過ぎません。
また、他人のクリエイティビティにフリーライドしてフォロワー数を伸ばしている、
という側面があることも否定できません。
少なくとも、現在の商標速報botの上でお金を作ろうとするのは、不適切だと思います。

私としては、
情報配信サービスとして、またネタbotとして、
商標速報botの運営を続ける意義はあると考えており、
できるだけ長く運営を続けていくつもりですが、
その負担に見合った対価も少しは欲しいというのが正直なところです。

このプロジェクトには、
商標速報botが提供する価値を、
少しばかりの対価を得られるレベルまで引き上げることで、
これからも長く運営を続けられる体制を整えるという側面もあります。

全力で従事しますので、
ご支援のほど、どうぞよろしくお願い致します。


--------------------------------ここから先は細かい話--------------------------------

▼製作するwebサイトの仕様について

先述しましたが、
今回のプロジェクトで製作するwebサイトは、
商標登録出願情報を(おそらく)最速でチェックできる手段にもなります。

これは、今回製作するサイトでは、
公開商標公報(商標登録出願情報が掲載されている公報)のデータを
迅速にデータベースへ反映させることで、
公式に提供されている公報データ検索・参照サービスである J-PlatPat よりも早く、
商標登録出願情報を検索・参照できることを意味しています。

具体的に言うと、J-PlatPat において、
最新の公開商標公報のデータが参照できるようになるのは、公報の発行から9時間後です。
また、公報のデータが検索できるようになるまでには、さらに1週間以上かかります。
これに対し、今回製作するサイトでは、
公報の発行から数時間以内(目標としては1時間以内)に、
公報のデータを検索・参照できるようにします。

検索機能の概要

今回製作するサイトで商標登録出願情報を検索する際に、
検索条件として使える主な項目は下記の通りです。
もちろん、複数の条件を組み合わせた検索も可能です。

商標

まず、商標そのものがキーワード検索の対象となります。
ただ、公開商標公報に含まれているのは商標の画像のみであり、
商標の文字列データは含まれていません。
(以前は、標準文字商標であれば公報に文字列データが含まれていましたが、現在はそれも無くなりました。)
そこで、今回製作するサイトでは、商標画像のOCR結果を検索対象とします。

OCRの精度については、
使用するOCRライブラリ/サービスに依存することになります。
使用するOCRサービスの候補としては、
Google Cloud Vision API などが挙げられます。

商標のタイプ

立体商標、動き商標、ホログラム商標、色彩のみからなる商標、音商標、位置商標といった、
商標のタイプを指定して検索することができます。

商標の詳細な説明

新しいタイプの商標(動き商標、ホログラム商標、色彩のみからなる商標、音商標、位置商標)については、
「商標の詳細な説明」もキーワード検索の対象となります。

出願人

特定の出願人による出願のみを検索することができます。

出願日/公開日

出願日や公開日を範囲指定して検索することができます。
ある一定の期間に出願/公開された商標を調べることができます。

商品及び役務の区分並びに指定商品又は指定役務

特定の区分を含む出願のみを検索することができます。
指定商品・指定役務を対象にキーワード検索することもできます。

代理人

特定の代理人による出願のみを検索することができます。


ユーザー登録により使えるようになる機能

ユーザー登録をしていただくことにより、
さらに便利な機能が使えるようになります。
なお、一部の機能は有料とする予定です。
・出願人の住所の表示
・検索条件の保存
・検索条件に合致する商標登録出願がなされた際のメール通知
…といった機能を順次実装する予定です。
有料・無料の線引きをどこに置くかは思案中ですが、
納得感のある形にしたいと思っています。

▼商標速報botのアップデートについて

商標速報botに関しても、いくつかのアップデートを予定しています。

まず、商標速報botからシームレスに商標登録出願の詳細を参照するための、
何らかの手段を提供します。
一般的には、
新しく作るサイト内の詳細ページへのリンクをツイート内容に含むことが考えられますが、
どうするのが最も良い方法なのか検討中です。

また、大量出願者により出願されている商標を、
商標速報botにおいては投稿せず、
新たに作る大量出願者専用のbotアカウントにて投稿するようにします。
この仕様変更については以下に詳述します。

他には、標準文字商標については、
OCR結果をツイート内容に含むようになる予定です。
これにより、ツイートの可読性が少し上がるのではないかと考えています。

▼商標速報botにおける大量出願者の扱いについて

商標速報botにおける大量出願者の扱いの変更について説明します。

大量の商標登録出願を行う者がいる問題についてご存じない方は、
下記の記事などを参照してください。

商標乱発、国全体の1割出願 男性「あくまでビジネス」:朝日新聞デジタル

大量出願者を見過ごしてきた理由

これまで、商標速報botでは、
大量出願者による出願に対して特別な対応を取ってきませんでした。

これは、特に価値判断は行わずすべての出願を投稿する、
という私の意向によるものです。
商標速報botは、
情報配信サービス的な側面とネタbot的な側面を持ち合わせていると思いますが、
情報配信サービスとして見た場合、中立性は維持した方がいいと考えていました。

一方、大量出願の問題を何らかの形で可視化しておいた方がいいのではないか、
という考えもありました。
ありがたいことに、商標速報botには多くのフォロワーがいます。
大量出願などの行為があれば、それが多くの人の目につき、
問題として認識する人が少しずつ増えていく。
広く問題として知られるようになれば、
対処法など問題に対する知見を蓄積・共有しやすくなるのでは…と。
(一個人がそこまで考える必要は無いのかもしれませんが…。)

現在の状況

結局、大量出願を法的に規制するのは難しいらしく、
現在に至るまで問題は解決されていませんが、いくつかの動きはありました。
特許庁が注意喚起を出したり、新聞やテレビでこの問題が取り上げられたりしています。

自らの商標を他人に商標登録出願されている皆様へ(ご注意) | 経済産業省 特許庁

商標乱発、国全体の1割出願 男性「あくまでビジネス」:朝日新聞デジタル

ピコ太郎が「PPAP」を歌えなくなる?関係ないのに商標登録を出願した男性直撃 | WEBとくダネ!〜とくダネです。

問題の解決にこそ至っていないものの、大量出願問題はある程度周知され、
然るべき機関が動く状況になっていると見なすことはできます。
そのため、もはや商標速報bot上でこの問題を可視化し続ける必要は無いのでは…
と考えています。

フィルタリングの方法

ただ、情報配信サービスとしての中立性を考えると、
特定の情報を恣意的にフィルタリングするのは好ましくなく、
基準を明示した上でフィルタリングを行うべきだと思います。

例えば、ある年において同一の出願人による商標登録出願が1000件を超えた場合、
その出願人を大量出願者と見なし、1000件を超えた時点からその年の終わりまで、
その出願人による出願については大量出願者専用アカウントにて投稿する、
といった運用を考えています。

このような運用をするためには、
各出願人がある年において何件の商標登録出願を行っているかを、
常に把握しておく必要があります。
実は、現在の商標速報botのバックエンドでは、
各出願のデータをツイートの投稿が済み次第削除しています。
二度と使わないデータを残しておいても意味が無いためです。
つまり、出願データを蓄積しておらず、
各出願人の出願件数を把握する手段は持っていません。

今回のプロジェクトで製作するwebサイトでは、
当然、出願データを蓄積していくことになります。
これにより、各出願人の出願件数を把握することができるようになり、
商標速報botにおいて、出願件数に基づいたフィルタリングが可能になります。

大量出願者による出願は専用botアカウントへ

結論としては、
今回のプロジェクトで製作するwebサイトが一旦完成した際には、
大量出願者により出願されている商標を、商標速報botにおいては投稿せず、
新たに作る大量出願者専用のbotアカウントにて投稿するようにします。

このプロジェクトの問題報告はこちらよりお問い合わせください