最新ハッブル定数が示すこと、やはり宇宙は加速度的に膨張している!

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    最新ハッブル定数が示すこと、やはり宇宙は加速度的に膨張している!

    宇宙の話はやっぱり眠れなくなる!

    宇宙の膨張速度を決める指標ハッブル定数が、誤差わずかに3.3%というかなり高精度で測定されました。発表された値は73.8km/s/Mpc。これにより、宇宙膨張を加速させる暗黒エネルギー説がさらに確かなものになり、他の説をはねのける結果になっています。がしかし、この暗黒エネルギーは長い間なかなか日の目を見る事がなかった説なのです。

    19世紀後半に物理学者達は、超新星の明るさが予想されているよりも暗いということに気づきました。観察・協議・度重なる考察を経て物理学者がだした結論は宇宙は膨張してる、ということでした。この結論の問題点は、膨張しているのなら膨張するために生産をしている「何か」があるはずだ、という点。その何かを暗黒エネルギーと呼ぶ事にしました。これは仮に設定されたエネルギー。Wikipediaによりますと「宇宙全体に広がって負の圧力を持ち、実質的に「反発する重力」としての効果を及ぼしている仮想的なエネルギー」とのこと。なるほ...ど。暗黒エネルギーは数学的で筋の通った理論にぴたりと当てはまる物ではありません。ただ、そこにある理論。ある2つの天体の距離が遠ければ遠いほど、お互いがお互いから遠ざかっていく速さも速くなる。その裏にある理論。

    この突拍子ないとも言える暗黒エネルギー説、これに対抗する説がVoid Theory空間説です。コペルニクスの地動説を信じていた世界をひっくり返すがごとし。かつて、地球は宇宙の中心にあると考えられていました。が、その考え方も太陽の存在によって正しくないということが明らかに。それ以来天文学者の頭に常にあるのは「我々は特別な存在ではない」ということ。地球のある近辺の宇宙は他のどのエリアとも違ってはいない、特別なエリアではない。稀でも、特異する点があるべきでも、普通とちょっと違うわけでもない。この様な非特別思考を全否定したのが空間説。

    空間説では、地球は非常に稀なある空間の中にあると主張。さらには、何か謎の力によって宇宙は膨張しているのでもなくて、ただより密な宇宙空間より光がこの(地球のある)空間を横切って伝わってくるので、その結果として宇宙が膨張している様に見えるだけだ、というもの。さらに膨張の様子(空間説によると、膨張している様に見える様子)を地球上のどのエリアから観察しても同じであることから、地球はこの空間の中心にある、と推測していました。この説によって、宇宙はまた地球を中心として考えられるようになりました。

    というように、暗黒エネルギー説は初めから懐疑的にとらえられていましたが、さらに時を経ていくうちに、この説を反する証拠がたくさんでました。つまりは、暗黒エネルギーというものを結論づけるにはまだまだ早すぎると。一方で空間説のほうも測定値にエラーが多く結論づけるにはいたりませんでした。が、今回測定されたのは、誤差3.3%というかなり高精度なハッブル定数。発表された値は73.8km/s/Mpcというもの。えー、これは距離が1メバパーセク離れるごとに、遠ざかる速度が秒速73.8kmアップするということを指しているそうです。ちなみに、1メガパーセクは約326万光年。途方もない数字です。この数値は、空間説を説明するには到底不可能な速さ。これによって暗黒エネルギー説の可能性が一段とおおきくなったそうです。

    Image: Nasa STS-103

    [Via Science News, New Scientist, and Universe Today.]

    そうこ(Esther Inglis-Arkell 米版