写真1●文章の範囲を指定してコメント(画面は発表会中継中のニコニコ生放送の画面)
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写真2●iPhoneアプリでコミックにコメントを投稿した例
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 「新しいソーシャルリーディングの形」――。角川コンテンツゲートの安川洋一取締役は2011年11月8日、ドワンゴが発表し、同日開始した電子書籍配信サービス「ニコニコ静画(電子書籍)」をこう評価する。ニコニコ静画(電子書籍)は、「ニコニコ動画」内の静止画コミュニティサイト「ニコニコ静画」で展開されるサービス。電子書籍の閲覧だけでなく、コメント投稿機能を備えるのが特徴である。対象読者はニコニコ動画の会員で、現在の会員数は2369万人。

 コメントはニコニコ動画でおなじみの画面上を流れるコメントだけでなく、例えば文章の範囲やコミックの吹き出し・絵などを指定する「範囲指定コメント」を投稿することができる(写真1写真2)。これらのコメントは読者同士で共有できる。またコメントを表示せずに読むことも可能である。読者が記入したコメントをTwitterに投稿することもできる。投稿されたコメントを該当する電子書籍の表紙の“帯”に掲載する機能も備えている。

 対応端末は当初はPC(Flashで提供)とiPhone/iPad(App Storeで同日よりアプリのダウンロードが可能)。2012年にAndroidにも対応する予定である。また今後はニコニコポイント(ニコニコ動画の会員が有料コンテンツを購入する際に使えるポイント)での決済代行機能の提供も予定している。

角川グループの「BOOK☆WALKER」と連携

 ニコニコ静画(電子書籍)のサービス開始に合わせて、角川グループホールディングスは同日、同社の電子書籍プラットフォームである「BOOK☆WALKER」との連携などを発表した。具体的にはBOOK☆WALKERが配信するライトノベルやコミック、文芸作品、ゲーム関連書籍、新書、実用書の中の対応作品がニコニコ静画(電子書籍)で閲覧可能になる。また連携を記念し、一部作品を無料で配信する。

 BOOK☆WALKERが提供する電子書籍に対しても、対応作品に関してはドワンゴが提供するビューアーを使うことで、コメントを投稿したり、それらを共有したりできる。なお、BOOK☆WALKERで電子書籍を購入するには、別途BOOK☆WALKERの会員登録が必要となる。