元はてなの広告営業 mtakanoの日記

はてなビジネス開発本部 営業部 部長の高野です

株式会社はてなを退職します

2017年3月31日をもって、はてなを退職いたします。昨日、3月28日が最終出社日となりました。

はてなには7年1ヶ月在職しました。社内外でたくさんの人達にお会いして、たくさんの人達に育ててもらいました。みなさま、本当にありがとうございました。

 

退職する理由は一言で言うことが難しく、理由を聞かれても「上場から1年経ったから」だとか「新たなチャレンジをしたくなったから」だとか、手短な言葉でお伝えしていました。

ここではもう少し、しっかりと説明させていただきます。予めお伝えしますが、長いので読んでくださる方はご了承下さいませ。あと、少しエモーショナルです。

 

はてなでは、営業部、そして広告事業の立ち上げに近い仕事を任せてもらいました。とはいえゼロから立ち上げたのではなく、すでに先人たちが作ってくれた土台があり、それを伸ばしていく役割でした。

 

そうしているうちに、はてなも順調に売上を伸ばすことができ、営業部も本日時点で総勢17名の組織になりました。はてなに入った当初は、営業部どころか中目黒オフィスに僕ともう一名しかいないこともあったのですが、とても大きくなりました。それだけの部の部長を担わせてもらい、光栄でした。多くのお客様にも、お礼を申し上げます。

 

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写真ははてな東京本店に行ってきた! - 941::blogよりお借りしました。

 

携わったことは、このブログで1年ごとに書いてきましたし、いくつかの外部メディアでご取材していただいたこともありました。営業部のブログで歴史を振り返ったこともありましたので、ご興味のある方はこちらもご覧くださいませ。

はてな営業部の歴史を振り返ってみる - はてなビジネスブログ

 

僕自身のことを振り返ってみると、僕ははてなに入ってから幸せになっていったんだな、と思います。

はてなに入る少し前は、この世界なんか燃えてしまえくらいの気持ちさえ持っていました(笑)。不条理や軋轢に苦しんでいる人ばかりじゃないですか。だったらいっそのこと燃えちまえという感じです。

ですが、ちょうど7年前の前職を退職するタイミングくらいに、友達が結構いたことに気付きました。インディーズながらもバンドでCDも出すことができましたし、それから結婚もして子どもも産まれ、仕事でもいいお客様に恵まれて売上が伸び部長職につきました。会社も上場しました。これは客観的に見ても、とても幸せな人生なんだと思います。きっと。

 

勝手なもので、子どもが産まれることがわかってからは、「世界が燃えたら困る、この子のために少しでも世界を良くしておきたい」と思うようになりました。

 

それから少しずつ自分に変化が生じていきました。子育てについて調べることに端を発して、次第に子どもの貧困をどうにかできないかと思うようになりました。そこから、女性の働き方にも興味が出てきました。仕事でも携わる方法はないかと調べていたことが、アイデム様とのオウンドメディア「りっすん」の立ち上げに繋がりました。

はたらく女性の深呼吸マガジン「りっすん」

そんなふうに、社会貢献に関わる仕事に興味が出てまいりました。

 

ですが自分自身が、社会貢献を本業にして取り組んでいくタイプの人間でもないと思っています。得てきたスキルも違います。そもそもはてなも良い会社ですし、誰かを楽しませたり元気づけたりする情報を発信できます。より一層働きやすい会社にして、事業を伸ばして雇用を増やしていくことだってできます。だから、ここではまだ転職という気持ちにはなりませんでした。

 

しかし昨年末、ショックな出来事が続きました。キュレーションメディアの件が世間を騒がせ、さらにはほぼ同じ時期にアメリカ大統領選に伴うフェイクニュースが話題になりました。

頭をよぎったのは、6,7年前に、中国で日系企業の工場が破壊される暴動が起きた時のことです。僕のFacebookには比較的リベラルな発言をする友人が多いと思っていましたが、当時のタイムラインは、中国へのヘイトでいっぱいになりました。このままいけば戦争になってしまうのでは、という気持ちになりました。この時のショックは忘れられません。世の中は、誤解やデマやマイナスの感情によって、簡単にムードが変わっていくという怖さを感じました。

 

しかし無邪気にも、フィルターバブルにおける議論や、検索エンジンの精度の向上などの性善説的な側面が、少しずつインターネットを改善していき、それに合わせて世界も良くなっていくものだと思っていました。けれどもそれは奢りでしかなく、全くそんなことはなかった。

 

改めて、正しい情報とは何なのか、情報が届くべき人に正しく伝わるとはどういうことか、を考えるようになりました。この時、自分が思っていた社会貢献への気持ちが、違った仕事への興味に結びつきました。

 

 

そしてこれからですが、4月からスマートニュース社で勤務いたします。

情報が正しく伝わるかどうかであれば、はてなにも、はてなブックマークという情報を届けるサービスがあります。はてブのコメントを合わせて見ることで、コンテンツの信頼性を確かめることもできます。

ブロガーさんに会う機会も多く、「はてなのサービスで人生が変わりました」と御礼を言ってくださることもありました。僕が作ったわけではないのに。その度にすごいサービスで、すごい会社だな、と思っていました。

 

そんなはてなは、どちらかといえば文化的なコンテンツが出来上がっていく場だと思っています。一方で自分の関心は、さらにシリアスな方向へ向かうようになっていきました。そして、もう少し違った形で情報発信について向き合いたくなっていきました。

 

ではスマートニュースの向き合い方はどうなのかです。

スマートニュースの方とお会いした時に、「トランプを支持するコンテンツ、ヒラリーを支持するコンテンツ、双方のコンテンツを偏りなく掲載するようなアルゴリズムによって、ユーザーに判断してもらう場にすることを目指していきたい」と仰っていました。そして、ミッションである「世界中の良質な情報を必要な人に送り届ける」ことをやっていきたい、と。

正直、そんな難しいことができるの?と思いました。でも、その難しいことを考え抜いて目指していくというお話に「それに乗りたいな」と思いました。

そしてスマートニュースでは、ATLAS Programという活動も行っております。

atlas.smartnews.com

それが、自分の考えるモードと合ったというのが理由です。

元々、壁と卵があった時、ぶつかって割れる卵の側に立ちたいと思って生きていました。この転職は人によって見え方は違うかもしれませんが、会社が目指すものも自分の仕事も、スマートニュースに行くほうがより卵の側に立てると思いました。

 

職種としては、変わらず広告営業です。ただ、売り方も振る舞いもまたモードをチェンジした、一からに近いチャレンジになると思ってます。スキル的には出直しです。いずれにせよ自分がビジネスに携わることで、人のためになるサービスを開発して欲しいという気持ちははてなにいる時と同じです。

 

 

はてなとスマートニュース、どちらの会社がより人のためになるのか、優劣はありません。さらに言えば、この2社以外にも人のためになる会社はたくさんあります。ただ、自分がもう37歳になり、決断できる機会は少なくなってきました。はてなが上場して1年経ったタイミングで、自分が興味を持つ分野で新しいチャレンジをしたいというわがままを言わせていただきました。

 

 

とはいえ、とても悩みました。はてなで今いるメンバーや事業の成長を目指して働くか、自分がやりたいことをやるか。転職にあたってのメリット・デメリットを考えていった先に、最後はこの二択になりました。

はてなは楽しく働きやすく、最高のメンバー、最高のクライアントに恵まれていて、事業も順調に伸びていきました。居心地もいい一方で、まだまだできることはたくさんあります。マネジメントの面白さにも気づかせてもらいました。自分が採用したメンバーもおりますし、提案にのってくださったクライアント様もおります。今回の僕の転職によって裏切られた気持ちになる方もいらっしゃるかもしれません。正直、転職の決断をした後だって、はてなのメンバーに後ろ髪を引かれない日はありません。

 

ですが悩んで悩んで最終的に、自分の娘に見せたい姿は後者の姿だと思い、このような判断をさせていただきました。わがままを言ってすみません。

 

はてなの今後ですが、営業部長は大久保という者が担当します。売上が伸びていて、かつそれぞれ専門知識が必要とされるネイティブ広告、CMS、記事制作それぞれのメニューにマネージャーがつきます。僕を除いた16名で活発に議論しながら取り組んでおり、はてなのコンテンツマーケティングサービスが次のステージに進んでいます。

半年ごとの評価期間も楽しかったです。みんな勝手にどんどん成長してくれるので、そんな姿を半年ごとに振り返り、次はどういう機会を提示したら喜んでもらえるか、単に楽しくやっていました。あまりにみんなが優秀で、自分の力で事業を成長させたとは思えませんでした。そんな個性的なメンバーばかりですごいです。ぜひはてなにお問い合わせください。

 

今でも変わらず、はてなブログはてなブックマークも大好きです。はてなのサービスで人生が変わったと言われた」と冒頭で書きましたが、一番変わったのは俺かもしれません。はてなは頭の良い人達ばかりだし、ユーザーやサービス、技術を愛する人たちばかりで、その上親身に寄り添ってくれる人も多く、本当に驚いたし、自分はどうなんだと省みることばかりでした。

 

30歳で入社して、現在37歳にして何を言うのかと思われるかもしれませんが、はてなは僕の青春でした。退職を決めてから一度京都に出張しました。翌日の土曜日に、丘の上から京都の盆地を見下ろして、そう思いました。自分の過去と人生と仕事がリンクして、それから俺は一つの素敵な時代を終わらせたのだと思いました。

 

はてなのみなさま、本当にありがとうございました。特に営業部のメンバー、本当にありがとう。送別会の場で僕に感謝の気持ちを言ってくれましたが、僕からすればみんなのおかげで頑張ってこれました。

みなさま、またどこかでお会いするしれません。その時は、またどうぞ宜しくお願い致します。

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何のためにはたらくか

とある尊敬している、お世話になっている方と飲んでいた時。かなりの困難に立ち向かうお仕事をされていて、なぜそんな敗けるかもしれない戦いに自分を追い込むのですか、と聞いた。「自分の娘が働き始める時までに社会を変えておきたい」と仰っていた。

それは僕の娘が誕生する少し前、約三年前のことで、かっこいいなあ、僕もこれから娘が生まれたら何か変わるのかな、と思っていた。

 

それから無事に娘が産まれ、日々の娘の世話に追われたり、育児における困りごとを調べたりしているうちに、自分の視界には、子どもの貧困や、ワーキングマザーの大変さといったニュースが入るようになってきた。

 

そんな関心も抱えつつ仕事をしていたところ、ブロガーのkobeniさんにこのような記事を書いてもらえることになった。

next.rikunabi.com

 

kobeniさんと連絡を取る中でお話に出てきた「育休世代のジレンマ」という本を読んでみて衝撃を受けた。僕は女性が妊娠した時や子どもが産まれた育休明け後、どんなに苦労して働いているかに考えが及んだことはなかった。

子育てしながら仕事をバリバリこなしていく「スーパーウーマン」になるか、やりがいのある仕事を諦めて「割り切って」仕事をするしかなくなるか。その2者でもお互いに対立が始まっていくという。

「育休世代」のジレンマ 女性活用はなぜ失敗するのか? (光文社新書)

「育休世代」のジレンマ 女性活用はなぜ失敗するのか? (光文社新書)

 

 

それから社内の女性に、「働く」ということについて聞いてみたところ、

「女性が普通に働くことは難しい、それが当たり前だと思っていた」
「自分の人生を設計していく上で、仕事はどう続けていけばいいのか」
「スーパーウーマンの記事も、理想は持っていたほうが心が豊かになるので、夢を抱かせてくれるものとして読む」

といった話がでてきた。普段みんな楽しそうに働いていると思ったけれど、そんなことを考えていたのか、と驚いた。

僕は全く何も見えていない。

 

そのようなことを、懇意にしていたアイデムさんにふとお話したところ、一緒に女性の働き方について考えていくオウンドメディアをやってみよう、と仰ってくれた。

 

それから具体的なオウンドメディアの提案をすることになった。個人的興味もあって色々な本を読んだ。

 

提案の日の朝は、自分の気持ちを高めるためにレイジ・アゲインスト・ザ・マシーンの「know your enemy」やエレファントカシマシの「パワー・イン・ザ・ワールド」、マリリン・マンソンの「the fight song」なんかを繰り返し聴いていた。35を過ぎたいい歳したおっさんのくせに。

 

そうして紆余曲折を経て、「りっすん」というメディアが出来上がった。

www.e-aidem.com

提案はしたものの、動き出してからの実際の編集、進行は全て社内の女性にお願いした。「りっすん」というメディア名、コンセプトとなる言葉はアイデムの女性の担当者さんが決めた。

いい歳してレイジ・アゲインスト・ザ・マシーンなんか聞いているおっさんには、こんな暖かくて優しい言葉はでてこない。

そういえば、アイデム内で稟議を通してくれた担当者さんも男性なのだが、全ての社内外調整を終えて、進行にあたっては身を退かれた。

 

それにしても情報発信をすることは責任が伴うことだと日に日に感じるようになった。誰かの心を良い意味でも悪い意味でも動かしてしまう。マーケティングという目的によって本当に大事なことを見失い、信憑性のない記事、誰かを傷つける記事は許されないだろう。

でも、出来上がったこの記事を読んだとき、覚悟のようなものを感じたので、今のメンバーならきっと大丈夫だと思う。

www.e-aidem.com

 

僕も一歩離れた立場にはなったものの、ずっとこのメディアの助けとなるようなことができれば嬉しい。すでに色んな人達の想いがつまっている。

 

結局、男性も含めた「働き方」自体を考えなおさなければいけないのだと思う。色んな人達が色んな価値観を持つことが許されている社会なら、色んな働き方もあるはずだ。

せっかく働くのなら、自分の目の届く範囲だけでも、社会のためになることを考えたい。メディアを立ち上げる提案をしたのみで大げさだけど「自分の娘が働き始めるときまでに社会を変えておきたい」と思うようにはなった。

営業部長になってから約1年

はてなに入って6年が経ちました。営業部長になってからは約1年です。毎年、入社してから1年が経過するこの時期に、それまでの1年間の振り返りをブログに書いています。

前回の記事では営業部長になっても別にやることは変わらないと書いておりましたが、一年が経った今、立場は人の意識を変えるものだなと思っています。おかげさまで、もう少し広い視点で仕事に携われるようになりました。

 

mtakano.hatenablog.jp

 

昨年の記事でも書いたように、この1年で意識していたのは、利益を上げることと働きやすい会社(チーム)を作ることでした。該当の箇所を引用すると、このように書いていました。

まず利益を上げることですが、より自分だけではなく、チームでの売上に責任を持ちたいと思いました。いかにして1人の営業を超えて売上を上げるか。そのためにはチームとして売上を上げる仕組み作りが必要です。他にも、採用で人を増やす、他の部署に関わっていく、さらなる新規事業にチャレンジする、などが考えられます。 1つステージをあげて利益を伸ばしていくことを考えると、やはり立場があったほうがスムーズです。

営業部長になりました - はてなの広告営業 mtakanoの日記

この1年間を振り返ると、この記事を書いた時に考えていたことがわりと達成できていました(自画自賛のようだけど、自分でこの記事を読み返して驚いた)。

 

利益を上げるために

昨年の僕は、はてなブログMediaの拡販を中心に活動していました。また、新規事業というには少し言葉が大きいですが、ブロガーを中心とした書き手の皆さんにご協力いただくコンテンツ制作の業務も拡大しました。

もう一つの営業の主力メニューであるネイティブ広告については、先日セミナーにも登壇した大久保さんに全てお任せしています。

SmartNews、Yahoo!ニュース、はてなが事例を公開!よいコンテンツを届ける秘訣とは - オウンドメディアマーケティングセミナーレポート - はてなビジネスブログ

このネイティブ広告も、昨年大きく受注件数を拡大することができました。

 

これらのメニューを拡販するため、営業推進活動にも注力しておりました。営業兼ビジネスブログ編集長の碇さんと、広報の加藤さんを交えて毎週一回は営業推進の打ち合わせを行い、ビジネスブログの更新からアドテック、各種セミナーへの出展などを進めてきました。

その結果ですが、碇さんがこの記事で書いたように、問い合わせ数を大きく増やすことができました。

問い合わせ数が3倍に増えたので2015年にやったことを振り返ってみる - はてなビジネスブログ

 

おかげさまで目標に向かって順調に歩んでいます。はてなブログMediaをご導入頂いている事例も増加中です。

はてなブログMedia 業種別オウンドメディア導入事例 - はてなビジネスブログ

 

何より、利益を上げるためには人が重要です。営業部を拡大するためにたくさん面接をしました。派遣の方もお越しいただくことになりました。結果、営業部は昨年に比べて倍近くの人数になりました。

 

どんな人達が増えたか 

具体的には採用を拡大する、拡大しつつも働きやすい文化を作る(保つ)、ワーキングマザーでも働ける環境にする

営業部長になりました - はてなの広告営業 mtakanoの日記

  

前回の記事で書いていたように、結果的にワーキングマザーの方も1名採用しました。当然、ワーキングマザーだから採用したというわけではありません。スキルがあるのに時短勤務にならざるを得ない人でも、当たり前のように一緒に働けるチーム体制を目指しておりました。彼女は今では欠かせないメンバーです。

その他、社会人経験3年目の若いメンバーが2名入社しました。数年前に新卒ではてなに入った営業の村上くんが先輩社員として週に一回は振り返り会を行いながら、彼らがはてなについて覚え、成長していくのをサポートしています。成長を促すといっても尋常ではなく飲み込みが早く、仕事もできる上に自分たちのビジョンまでちゃんと持っている2名なので戦慄しています。

その他に、制作・ディレクションに強いメンバーが1名、最初に触れた派遣の方が1名加わりました。この2人も入社して半年も経っていないのに大事な戦力です。すごいスピードではてなに慣れて業務を進めてくれています。

 

新しく入った人のためには、教育コンテンツやカリキュラムが必要です。五年くらい前に作ったものがありましたが、さすがに古すぎました。こちらも、村上くんと同じく新卒からはてなの営業部で活躍してくれている諏訪くんが率先してリニューアルしてくれました。

 

既に入社したばかりの人たちが営業推進活動を手伝ったり、教育コンテンツ作成に携わったり、営業以外の業務にも参加してくれています。この人たちがいれば、もっとチームを大きくできると思いました。

 

昨年から人を増やすと想定して、前述の教育コンテンツの整備の他、顧客管理などバックエンドの整備を行っていました。そして「働きやすい文化をつくる」「採用を拡大する」という上で、前述のはてなビジネスブログが役に立ちつつあります。

 

文化を記録に残す

人が増えると文化が変わります。そこには良い変化も起きますが、それまであった良い文化が薄れてしまう、という可能性もあります。

例えば営業部には、広告主はもちろんユーザーも大切にした広告を展開する、ステマは絶対にやらないなど、いくつかの大事なことがありました。

 

そういえば2012年に「ステマはやらない」という記事を書いていたのですが、昨年になってこの記事が三田ゾーマさんの「ウェブニュース一億総バカ時代」という本で取り上げられていました。

代理店から媒体に来て二年 - はてなの広告営業 mtakanoの日記

その本の出版や三田ゾーマさんの活動をきっかけに、ネット上にはびこるステマ記事を排除する機運が高まっていました。それとともに広告にはしっかりPRをつけている事例としてはてなが紹介される機会が増えました。

こういったはてなの広告に対する考え方は、現スマートニュース執行役員の川崎さんであったりが、はてな黎明期から作ってきてくれたものです。この大事な文化が薄くなってはいけません。

 

ですので、これまで都度話し合いながら暗黙知のようにしてできあがった文化を記録に残しておきたいと思いました。そのためにお客様の事例インタビューを行い、お客様視点で記事にしたり、はてなが考える理想の広告についてを営業メンバーに書いてもらったりしました。

理想のネイティブ広告(ネイティブアド)とは?ネイティブ広告問題を考える - はてなビジネスブログ

 

長い目で記録に残すことが目的でしたが、予想外に短期的な成果も出ました。例えば営業資料を作る時、このビジネスブログのコンテンツを転用することで、資料作成のスピード感が増した他、入社したばかりの営業メンバーも含めて発言内容を統一しやすくなりました。

あとはセミナーであったりアドテックであったり、営業部で行ったものを一つ一つ記録に残すことで、より一層歴史を積み上げた気持ちになりました。

 

採用支援

採用にも一定の成果がありました。冒頭でたくさんの方と面接をしたと書きましたが、かなりの方がビジネスブログを読んでくださっておりました。ビジネスブログの記事を読んで「このチームで働きたい」ですとか、「ステマをやらないと早くから発言していた風土に共感した」と仰って応募してくださった人もいました。私は編集職の面接にも出席したこともあるのですが、そこでもビジネスブログを読んではてなの営業方針に共感した、とコメントを頂くこともありました。

採用は企業が一方的に行うものではなく、企業と人とのマッチングです。認識にずれがあるとお互いに不幸な結果になりますが、営業チームの文化・考え方を知ってくださった上で来られているので、話が早いですし、より深く会話ができます。採用活動にとても役に立ったと実感しています。

 

 

来年に向けて

このように営業部を倍くらいに拡大したものの、それでも人が足りなくなってしまいました。昨年の今頃、定時で帰る日が少なくなったメンバーが増えてきたので、人を増やさなければ!と思っていて、やっとこの問題はクリアできたと思った途端に、また忙しくなってきました(ありがたいことなんですが)。

 

これまでもたくさんの方と面接を行い、たくさんの素晴らしい方たちにお会いしました。まだ人数の少なかった営業部でしたので、どうしても今のタイミングだとお互いに混じりづらそうだ、というケースもありました。ただ、人数の増加とともに営業部の多様性も広がってきました。もっと色んな方が受け入れられる環境になったと思います。ですので、変わらずこの文化を守りながら、メンバーも売上も拡大していきたいと思います。

 

また営業活動においては、企業と書き手、双方の情報発信をもっとサポートする活動を行いたいと考えています。オウンドメディアは成果があるのか?という話をもっと突き詰めて考えていきたい。

そしてはてなの社員としては、「この記事を読んで元気になった」「心が軽くなった」と読者に思ってもらえるような良いコンテンツを、インターネット上に増やしていきたいと思っています。

 

よかったことばかり書いてしまい、自分ながら読み返すと胡散臭ささえ感じてしまいますが、でも振り返ってみると本当に良い一年でした。これからもっと面白くなっていきそうです。

 

そんなはてな営業部に興味を持っていただいた方は、こちらからご連絡を下さいませ!

hatenacorp.jp

 

つくるひとたちを応援したい

友人に、最高にすごいギターを弾く人がいます。

高校時代からの長い友人です。彼がギターを鳴らしたときに、ああこれが天才かと思いました。弾く人によってこんなに音が変わるんだなと。村上隆的に言えば、圧力がある。

 

僕もベースを弾いていて、彼と一緒にバンドを組んだり、彼の活動を手伝っていました。
彼とは別個のバンドでインディーズからCDを出したこともあります。ただどこかで、彼の力に追いつくための修行のような気持ちもありました。

 

結局彼のすごいギターはいまだ音源になっていません。そういうことに興味がなかったのでしょう。即興にこだわっているし。才能がある人というのはなかなか世に出ないし、見つかりづらいものだなと思います。

 

 

またこれは別の友人になるのですが、自分の前世を見てもらったことがあります(僕が普段からスピリチュアルなことに興味があるというわけではなく、もともとその方を信頼していたのでお願いしたという経緯。仕事で付き合いがあったのだけど、あとからそういう能力の話を知らされてびっくりした。)。僕の前世はロシアあたりで芸術家のパトロンをしていた人だということでした。そして死ぬときに「そういえばオレも表現をしたかったんだ!」と言って死んだらしいです(笑)それで今はベースを弾いたりしているということらしい。
こういうものは信じる信じないの話ですが、自分の中ではまあそうかもな、しっくりくるな、と腑に落ちた気分になりました。

 

 

僕はいくつかの会社を経て5年前にはてなに来ました。年を経るほど、人間は変わらないものだなと実感しています。


はてなに入ってから「うちの会社のエンジニアはすごい人たちなので、もっと世間にアピールしたい」「はてなだけでなく、エンジニアという職業の人を応援していきたい」と思うようになり、エンジニア向けの記事広告を作ったりエンジニア向けのイベントを開催したりしました。
そもそも僕たち営業がお金を稼ぐことが、はてなのサービスをエンジニアが安心してつくることに繋がるんだというのがモチベーションだったし、それなりの自負もありました。

 

それからしばらくして、はてなは書き手を後押ししていない、と言われてしまう書き手の後押し問題が出てきました。その時「エンジニアだけでなく、ブロガーという書き手のために何かをしたい」と思うようになりました。


そのような想いや課題意識が、ブロガーさんというつくるひとたちに、企業のオウンドメディア運用のお手伝いをしてもらう仕事になりました。今は書き手という考え方も広がり、だんだんブロガーさんに限定されるものでもなくなってきています(本文の主題的に広告主側に立つ視点が抜けていますが、決してそういうわけではありません。ないはずです)。

 

こうして気づいたのが、僕の人生のテーマの一つは、つくるひとを応援することなのだな、ということです。それは自分の仕事の一部にさえなっていました。

 

さてそうこうしているうちに、ここ1,2年で自分の生活も大きく変化してきました。
プライベートでの変化はもちろん、仕事でいくつかのチャレンジをしてきた結果、なかなか出会えないはずの人生の大先輩方にお会いしてきました。さらにはじっくりとお話する機会ももらうことができ、そして叱咤激励してもらえるようになりました。本当にありがたいです。

また今年は、自分がこれまで参加しなかった場所、仕事とは関係ない場所にも意図的に参加する機会を増やしました。それが巡り巡って仕事にも繋がり始めてきた気がします。

 

本文の主題とは異なりますが、しばらく前から、自分が応援したい、貢献したい分野が、つくるひとの応援とはまた別に生まれてきました。これが仕事になるのか、プライベートの話でやっていくのかはわかりません。それでも自分の興味関心がダイレクトに生活や仕事につながり、自分自身を拡張できていっている気がします。

それは、はてなという会社が、自分で仕事をつくることができる環境で、そして僕自身もそれができる立場になったからかもしれません。

 

※この記事ははてなスタッフアドベントカレンダー2015の12月11日の記事です。

advent.hatenablog.com

 

明日のアドベントカレンダー担当はid:uedayです。

オウンドメディアにおける企業と書き手の幸せな関係

ジモコロというサイトがあります。

こちらははてなはてなブログMediaというオウンドメディア構築サービスでできています(宣伝)。アイデムさんとバーグハンバーグバーグさんで運営しています。アイデムさんがオーナー、バーグハンバーグバーグさんが運営という位置づけです。

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どこでも地元メディア ジモコロ

 

最近、アイデムの岡安さんとバーグの柿次郎さんが、ジモコロ運営の裏側を交換日記のようにやりとりされています。

sokayasu.hatenablog.com

jet-set.hatenablog.com

 

そうしたところ、唐突に柿次郎さんから「アナタも参戦しなさい」とFacebookで呼びかけがありました。

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ですが、僕はジモコロを動かすはてなブログMediaの提供に関わっただけです。そうしたらなぜか記事制作のやり取りのメーリングリストにも混ぜて頂いたので、「オチ◯チンという言葉の是非について真面目にメールで議論してるぜゲラゲラ」とか笑えて楽しいです。あとは記事の公開日がわかるので、いち早く読んでゲラゲラ笑える僥倖に預かっています(もったいないから初校の段階では読まないようにしています)。

 

そんな風にゲラゲラ笑っているだけですが、二社のやり取りを見ていて、これはオウンドメディアを作っていく上で幸せな関係だなあ、と思ったのでそれについて書きます。

 

オーナーである企業が、書き手(クリエイター)をリスペクトすることの大切さ

まずジモコロ、当たり前ですがバーグさんが作っているので面白いコンテンツが多いです。でも実は真面目なコンテンツもあるし、面白さの中に真摯に地方を応援するポジティブさもあります。個人的に更新を楽しみにしているメディアの一つです。

これはアイデムさんが、クリエイターであるバーグハンバーグバーグさん、そして編集長の柿次郎さんを尊重し、尊敬しているからできることだと思います。さらに編集長の柿次郎さんは、クリエイターのみなさんを尊重して尊敬されていらっしゃるのも伝わってきます。

当たり前に思われるかもしれませんが、一記事一記事しっかりと目を通し、それに所感を述べ、さらに意見をぶつけ合う。普段の業務もある中で、中々難しいことです。

それでも柿次郎さんは編集長として「この記事のどこが面白くて素敵なのか」をしっかりと伝えています。アイデムさんは記事の感想とともに、オーナーである企業の観点も伝えます。時にオチ◯チンに代表されるような、表現上の懸念も出てまいりますが、それでも柿次郎さんの意見を最大限汲んでいます。こうやって一歩一歩築いた信頼が、さらによいものを作っていく関係になっていくようです。

 

例えばはてなでも、リクナビNEXTジャーナルという媒体で、はてなブロガーに寄稿してもらうコンテンツ制作のお手伝いをさせて頂いております。

next.rikunabi.com

普段のやり取りから、リクナビNEXTジャーナルの担当者さんが、面白い記事を読むことがとても好きで、さらに書き手への愛を持っていることが感じられます。

「媒体としてはこのような内容を盛り込んで、読者にこのような読後感をもってもらいたい」というご意見はもちろん、それだけではなく「このブロガーさんは普段ご自身のブログでこのように書かれていらっしゃるので、こういった内容を盛り込んではいかがでしょうか」という踏み込んだご意見も頂きます。

もしブロガーさんを外注先と捉えていたら、ブロガーさんご本人のブログまでは読まないと思います。さらには、「このように構成を組み替えるとよりわかりやすくなるのでは」といった具体的な意見も頂きます。

こうしたやり取りから、リクナビNEXTジャーナルをよい媒体にしていきたい、面白くてためになる記事を世の中に出したいという意思、またそもそもブロガーさんから届く記事を心待ちにしている様子を感じます。そして僕達も一層頑張ろうと思えます。

(そういえばアイデムさんとリクルートキャリアさんを同時に取り上げるのはどちらにも怒られる気がする。。すみません。。。) 

オウンドメディア構築がブーム

最近、WEBマーケティング業界ではオウンドメディアがブームです。本来ですが、企業サイトや採用ページ、チラシや展示会まで、企業が持つメディアはすべてオウンドメディアです。しかし今は、自社の製品に関わるニュースサイトを指してオウンドメディアと言うことが多いです。わかりやすいオウンドメディアの事例はサイボウズさんが運営されるサイボウズ式です。

cybozushiki.cybozu.co.jp

サイボウズ式にあこがれて始められたオウンドメディアも多いと思います。こちらも編集長の藤村さんと書き手の皆さんが、「より面白くてためになる記事ができるように」とサイボウズLiveやチャットツールを使って、テーマや記事内容の議論していると聞いています。

 

このように当たり前のことですが、メディアを作るには記事が必要です。その記事をどうやって作ればよいか。現実問題、なかなかアイデムさんやサイボウズさんのように、一記事ずつクリエイターやライターと向き合って時間やお金などのコストをかけるのはそう簡単ではないと思います。

そこで一部のメディアでは、クラウドソーシングを使って1記事数百円の記事をむやみに集めたり、さらにはその程度の単価でライターやブロガーさんに発注しようとしているケースが聞こえてきます。

togetter.com

まず、僕はクラウドソーシングに記事を発注することを批判しているわけではありません。ですが、記事を作る仕組みが優先されてしまい、真偽の分からない記事が量産されてしまうケースも見られます。

ひどい場合は、胡散臭いなんちゃらコンサルタントに「時代はコンテンツマーケティングSEOSEOのためにオウンドメディア作りましょう!記事は格安で集めるので大丈夫です!」と騙されてメディアを作ってしまうケースも聞こえてきます。

でもそうしてできあがったメディアは、企業のブランドを毀損していないでしょうか。自社のファンも読者のことも考えられていないメディアが増えているように思います。

 

さらに最近では、ブロガーさんにうまいことを言って安く記事を書かせようとしたり、ご本人のブログに不正なSEOリンクを貼らせようとしたり、ステルスマーケティング(広告であることを明示せずに謝礼を払って記事を書かせたり)を依頼することが増えているようです。

 

書き手を尊重して欲しい

ですが、どうかもっと書き手のことを尊重して欲しいです。

はてなの営業としてブロガーさんにお伝えしたいのですが、どうか書き手を尊重しない企業の依頼は受けないで欲しいです。ある日企業から「あなたに寄稿して欲しい」と依頼がきたらそれはとても嬉しいでしょう。でも必ず正しい報酬がもらえるように交渉して、嫌なことは嫌だと言って下さい。どうか、魂は安売りしないで欲しい。いつかそれはあなたを傷つけるかもしれません。

 

さて、ではどんな企業の依頼なら受けたら良いのでしょうか。それは、正しい対価をお支払いしてくれる、依頼の中にメディアとしての信念が見える、あとはオチ◯チンについて真剣に議論するような(ry

営業部長になりました

はてなの営業部長になりました。

営業部長で画像検索してビックリした。これがパブリックイメージなのか!でもありがたく引き受けさせて頂くことにしました。


僕は毎年、入社してから1年が経過するこの時期に、それまでの1年間の振り返りをブログに書いています。
はてなの営業になって4年 - はてなの広告営業 mtakanoの日記 

 

今回は振り返りではなく、営業部長になった意気込みを書きたいと思います。そういえば本当は会社の半期納会でお話するはずでしたが、お酒を飲んで忘れてしまい違うことを話してました(別の真面目な話をしたはず)。

営業部長の業務

営業部長になったとはいえ、これまでと自分の業務が大きく変わるわけではありません。特に最近の1年は、これまでの営業というロールだけでなく、はてなブログMediaという新しいメニューの立ち上げを行っていました。ですので、立ち上げに関わる調査、実際の案件の進行、社内のディレクション、契約やドキュメントの整備などを行ってきました。その他にも、営業部の目標設定や営業同行、営業推進業務、他管理に関わる社内業務がありました。

社内の整備がまだまだ足りないところが大きな反省点です。ただ売上は好調なのが一つの成果になりました。


でも、さらにやりたいことが生まれました。それはより利益を上げていくことへのコミットと、働きやすいチームを作ることです。

利益を上げること

まず利益を上げることですが、より自分だけではなく、チームでの売上に責任を持ちたいと思いました。いかにして1人の営業を超えて売上を上げるか。そのためにはチームとして売上を上げる仕組み作りが必要です。他にも、採用で人を増やす、他の部署に関わっていく、さらなる新規事業にチャレンジする、などが考えられます。 1つステージをあげて利益を伸ばしていくことを考えると、やはり立場があったほうがスムーズです。

 

働きやすい会社

その売り上げを上げていく一つの方法として、とにかく長時間働くという案もあります。ワークライフバランスの重要性も解かれておりますが、事実として超絶ブラック企業で莫大な売上の会社もありますよね。昔の日本のように、働く時間と生産性が連動していた時代ではないとはいえ、長く働く文化で戦う会社は現実的にあります。

でも、そういうチームではなく、みんなが自分の成長を感じながら、定時に帰ることも当たり前なゆとりがあるチームにしたい。働きがいと同時に、働きやすさを大事にしたい。

自分に子どもが生まれた影響もあって、より一層みんなにプライベートの時間も大事にしてもらいたいと思うようになりました。

同じく子どもが生まれた影響で、「育休世代のジレンマ」「子どもの貧困」などの本を読んでいて、このような問題に何かできないか、と考えていました。でも僕がやるべきことは、多少の寄付をしていくことを除けば、自分の会社の環境を変えることです。具体的には採用を拡大する、拡大しつつも働きやすい文化を作る(保つ)、ワーキングマザーでも働ける環境にする、 といったことをやるべきではないかと思います。

今も働きやすいと思うけど、利益を上げて拡大していったときに、その文化を守れるかどうかです。さらに最初の話に戻ると、働きがいが提供できるだけ多様なビジネス環境を作りたい。そうすると、やはり偉くなるしかない。

「育休世代」のジレンマ 女性活用はなぜ失敗するのか? (光文社新書)

「育休世代」のジレンマ 女性活用はなぜ失敗するのか? (光文社新書)

 

 

子どもの貧困―日本の不公平を考える (岩波新書)

子どもの貧困―日本の不公平を考える (岩波新書)

 

 

 おかげさまで最近は広告枠も記事広告も、はてなブログMediaというオウンドメディアを構築するためのプラットフォームも大変好評で、とても忙しいです。毎日お問い合わせを頂いています。それもあって、売上を上げるのはうまくいっていますが、チームのみんなも負担が大きくなっています。まずはこの好況の波に乗りつつ、そのような事情もあって営業を募集中です。


広告営業職 募集要項 - 株式会社はてな

アドテック関西で話してきました

一ヶ月前にアドテック関西の大広さんブースでお話しさせて頂きました。

それに至るまでの打ち合わせが盛り上がりすぎて、本番で何を話したのか。さらには自分が話したことと、一緒に登壇した藤代さんや荘野さんがお話しされたことの記憶がごちゃ混ぜになってしまいました。まあみんな気持ちが一つだったということでいいじゃないか。

そういうわけで、言っておこうと思ったけれど言ってなかったぽいことが幾つかありました(それさえ定かではない)。

その中の一つをここで補足します。一言で言えば、オウンドメディアの運用はPDCAを回しながらやっていきましょう、ということでした。
そんなの当たり前すぎるだろ、と思われるかもしれませんが、案外当たり前ではありません。

世の中のオウンドメディアを見渡すと、トップページをやたらと作り込んでそのやった感で満足して終わったり、一記事500円くらいでコンテンツ作成を依頼して更新する仕組みを作ることに必死になったり、SEO目的で特に中身のないコンテンツを量産したりというケースが多いのです。

でもそうではなくて、まずちゃんと自分たちが届けたい人たちに楽しんでもらえる、ためになる、愛されるコンテンツを作ることを大事にしませんか。
そして、そのコンテンツに寄せられる読者の色んな声を聞きながら(最初は大抵反応がないけれど)、次はこんな記事を、次はこんな企画で作っていこう、そう考えていきませんか。
それらの一つ一つを大事にして、愛されるメディアを作りませんか。
そういうことが言いたかったのです。

それってWEBサイトの話だけでなくて、例えば商品の展示会でもそうです。クリエイティブな展示会でクリエイティブな商品がクリエイティブなライトアップのもと、キレイなお姉さんが案内していたりしますが、そういう場で商品を試している人ってあんまりいなかったりします。
とてももったいないです。見せ方はブランドイメージなので置いておくとして、来場者がどんな動線で動いて、どんなキッカケで商品を手にとって、使ってみてどんな顔をしたのか、どんなコメントを発したのか、せめてそれを追っている人っているのでしょうか。

仕組みを作ったり、ソリューションとしての結果論にしか目を向けなかったり、やった感に必死になってしまい、そこの場に触れた人にどう思ってもらうか、それをどう次に活かすか、が見過ごされている気がします。

PDCAというと大げさでかったるいのですが、そうやって愛されるコンテンツ、愛されるメディアを作っていきましょう。そう言いたかったです。
何を偉そうに、という話ですが、もうちょっとインターネットのコンテンツが楽しいものになっていって欲しいなと思ってます。あと愛とかあんちゃんみたいだけど、今のところ他に適した言葉が思いつきません。

はてなでは、愛されるメディアを作ろうと思っている企業様のお問い合わせをお待ちしています。そしてその手伝いをしたい営業も募集しておりますので、冬休みの間にご検討頂ければ幸いです。
来年もよろしくお願い申し上げます。