未曾有の「人口減少」社会の到来に耐えられる会社はどこなのか、そして・・・。高得点を得たのはブリヂストン、東芝、三菱商事、三井物産、コマツ、JR東海など。銀行、広告代理店、住宅関連は厳しい結果に。
会社の数はいまの半分に
失われた20年を経て、企業地図は一変した。10行以上あった都銀は再編され、過去の行名はひとつも残っていない。学生の憧れの的だったナショナルフラッグは経営破綻、世界から絶賛された自動車メーカーでさえ、リコールの連発でその名を失墜させた。
まさに激動の20年だが、経営コンサルタントの波頭亮氏は「これから20年は、変化がさらに大きく、スピードも激しくなる」と語る。
「日本では世界でも類を見ない人口減少が本格化し、同時に未曾有の超高齢化が始まる。人口減少は毎年70万人都市がひとつ消えていくペースで進み、20年後には1億人を下回るとも見られている。
高齢化も現時点で65歳以上の人口比率が23%と世界最悪の水準なのに、10年後には30%になる。一方で臨界点まで達している財政赤字も20年後どころか5年後には限界を迎え、日本経済が大混乱に陥る可能性も少なくない。
さらに韓国や中国の企業はますます競争力を高めてくるし、その先には新・新興国と呼ばれる国も追い上げてきます。国内市場がドラスティックに縮小しグローバル競争が激化していく中で、限られたパイを争って激しい過当競争が行われる。
そうした中で日本企業が生き残っていくには、現行のビジネスモデルも組織体制も大きく革新していく覚悟が不可欠です。倒産、M&Aなどによる淘汰・再編は避けられません」
日本の人口のピークは'04年末の1億2783万人だった。これが20~30年のうちに20%ほど減り、同時に、すれ違う2人に1人が高齢者という町があちこちに出現するとも言われている。
「さらに、新たな市場を求めて企業が海外へ続々と進出。働き盛りの20代~50代が家族とともに日本を出て、人口減少・高齢化は加速される」と言うのは信州大学教授の真壁昭夫氏だ。
「そして日本企業は海外でも巨大企業との熾烈な競争を強いられ、敗れる企業も出てくる。国内外で統合や淘汰が進むので、企業数はいまの半分くらいにまで減るでしょう。結果、GDPは中国に次いでインドにも抜かれ、ブラジルに追いつかれる寸前になっている可能性は高い」
では、そんな中で生き残る企業はどこなのか。経済を熟知するプロフェッショナルに有力企業535社の中から「20年後に絶対に生き残っている会社」「努力すれば生き残れている会社」を選んでもらい、それぞれに◎、○をつけてもらった。その結果をまとめたのが本ページからの表だ。
上位に入ったのは、ブリヂストン、東芝、三菱商事、コマツなど。証券アナリストの植木靖男氏が言う。
「上位は高い技術力を武器に、新興国のインフラ、建設、自動車需要を確実に取れる企業ばかりです。商社は20年後に台頭しているアフリカ、南米にもすでに進出しており、期待大。一方で、ビジネスモデルを世界に輸出しにくい広告代理店、住宅関連などは厳しい結果になった」