次世代JavaScriptを“いま”実現するグーグルの「Traceur」

2011年5月9日

現在仕様策定中の次世代JavaScriptが備えるであろうクラスの継承やモジュール化機能を、いまのJavaScriptで実現するコンパイラ「Traceur」をグーグルが公開しました。

traceur-compiler - Google's vehicle for Javascript Language Design Experimentation - Google Project Hosting

TraceurはJavaScriptで記述されたコンパイラとして実装されており、オンザフライでTraceur対応JavaScriptを現在のJavaScriptに変換、実行します。

具体的には、HTMLの先頭で「traceur.js」を読み込んでおくと、そのWebサイトではそれ以後、Traceur対応のクラスやモジュール化機能を備えた次世代JavaScriptをそのまま実行できる、ということになります。

次世代JavaScriptを現在のJavaScriptにコンパイル

Traceurを解説したスライド「JavaScript: Say it like you mean it」(Chromeブラウザで表示可能)によると、Traceurで実現される主な機能には、クラスの継承やモジュール化、非同期コールバックなどが含まれています。

fig

これらは次世代のJavaScriptとして現在ECMA Internationalで検討されている、ECMAScript.nextもしくはECMAScript“Harmony”と呼ばれる言語仕様としても議論されている機能です。そのためグーグルはTraceurを次のように紹介しています。

Traceur is a JavaScript.next-to-JavaScript-of-today compiler that allows you to use features from the future today.

Traceurは次世代のJavaScriptを現在のJavaScriptに変換するコンパイラであり、将来の機能をいま実現することを可能にしています。

ただしECMAScript.nextは2013年頃の仕様策定完了を目指しており、まだプロポーザルの段階です。Traceurも、その仕様を議論するための材料として使えるものだと説明されています。

あわせて読みたい

JavaScript Web技術 Google




タグクラウド

クラウド
AWS / Azure / Google Cloud
クラウドネイティブ / サーバレス
クラウドのシェア / クラウドの障害

コンテナ型仮想化

プログラミング言語
JavaScript / Java / .NET
WebAssembly / Web標準
開発ツール / テスト・品質

アジャイル開発 / スクラム / DevOps

データベース / 機械学習・AI
RDB / NoSQL

ネットワーク / セキュリティ
HTTP / QUIC

OS / Windows / Linux / 仮想化
サーバ / ストレージ / ハードウェア

ITエンジニアの給与・年収 / 働き方

殿堂入り / おもしろ / 編集後記

全てのタグを見る

Blogger in Chief

photo of jniino

Junichi Niino(jniino)
IT系の雑誌編集者、オンラインメディア発行人を経て独立。2009年にPublickeyを開始しました。
詳しいプロフィール

Publickeyの新着情報をチェックしませんか?
Twitterで : @Publickey
Facebookで : Publickeyのページ
RSSリーダーで : Feed

最新記事10本