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三橋貴明の新刊、続々登場!
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【三橋貴明の経済動向塾(日本経営合理化協会主催)】

上記からパンフレットをダウンロードしてください。
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桜ゼミナール2月

講師:上念 司 先生

演題:『日本を滅ぼす売国経済論の正体

日時:平成24年2月19日(日)午後2時~
場所:栃木県護国神社内 護国会館

参加費:1,000

詳細は↓↓↓

http://www.chsakura.com/event/sakura_seminar.html#feb_02
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チャンネルAJER更新しました。

日本の政府支出を分解する(前編)① 』三橋貴明 AJER2012.2.14(1)

日本の政府支出を分解する(前編)② 』三橋貴明 AJER2012.2.14(2)

今月は「社会保障支出」をメインに取り上げました。

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彩図社の「ユーロ崩壊!」amazon発売開始しました!
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 福岡「博多21の会」の皆様、昨日はお世話になりました! 


 現在のユーロ圏の騒動を見ていると、何というか「不毛」という言葉以外に感想が浮かんできません。(現在に至るまでの過程は、上記「ユーロ崩壊 」をご一読下さいませ)


 今後のギリシャの運命を予想すると、基本的には以下の二つしかないわけです。


1.ギリシャがEUやIMFから要求されている緊縮財政(社会保障支出削減、公務員削減など)や国有資産売却(インフラの「外資化」)を受け入れ、失業率が20%台という環境下で、ギリシャ国民の所得を押し下げていく。結果的に、ギリシャの需要が急収縮し、さらなる失業率上昇と国民所得の収縮を招く。いずれ、ギリシャがユーロ圏内で競争力を確保できるほどギリシャ国民が貧乏になり、ようやく回復の道を歩み始める。但し、そこに至る過程でギリシャ政府の税収が激減し、財政がさらに悪化し、長期金利が上昇し(すでに上昇していますが)、EUやユーロはそのたびにすったもんだの緊急支援を強いられ、ギリシャに新たな緊縮要求を突き付ける


2.ギリシャがユーロを離脱し、独自通貨に戻ったうえでデフォルトする。結果的にギリシャ通貨は暴落し、IMF管理下で緊縮財政を強いられることは同じだが、ギリシャ国民の所得を「十分な水準にまで下げる」のではなく、為替下落ボーナスにより競争力を確保し、経済成長による増収及び経常収支の黒字により対外負債返済の所得を獲得する。ギリシャ国民は緊縮で所得が下がるが、外需依存により早期に所得回復(経済成長)路線に復帰する。


 とはいえ、今や1も2も選べない状況で、ずるずると第三の選択肢、すなわち「管理されないデフォルト」への道を歩み始めています。


ギリシャ救済、選挙後まで先送り観測まで浮上-欧州の「火遊び」続く
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-LZFXFN07SXKX01.html
 第2次ギリシャ救済の決定が遅れる中で、欧州の大国がギリシャをユーロ圏から追い出す考えをもてあそび「火遊び」をしていると、ギリシャのベニゼロス財務相が不満をもらした。
 15日夜の会合で期待されていた1300億ユーロ(約13兆3300億円)の金融支援決定は少なくとも20日までお預けとなった。それどころか、総選挙で正式のギリシャ政権が誕生した後へと先送りされる可能性まで浮上した。
 ベニゼロス財務相は15日アテネで記者団に、「ギリシャは次から次と新条件を突き付けられている」と憤慨。「ユーロ圏にはわれわれの存在をもはや望まない輩が大勢いる。国内や海外を相手に火遊びをしている連中もいる。たいまつもあればマッチもあるが、リスクはどちらも同じように大きい」と語った。 (後略)』


 要するに、ギリシャ政府が過去に約束を守らなかったため、ユーロ諸国が次々にギリシャに「踏み絵」を踏ませようと試み、軋轢が生じているわけです。とはいえ、ギリシャは4月に総選挙を控えているため、
「選挙の結果次第で、またまた約束を踏み倒されるのではないだろうか」
 と、ユーロ首脳部が考えてしまったとしても、無理もない話ではあります。


 ギリシャの総選挙で野党が勝利し、「公約に掲げた」緊縮財政を放棄した場合、それはギリシャ国民が民主的なプロセスを経て、緊縮財政を前提にした支援を拒否したことになります。その場合、ギリシャは否応なくユーロを離脱することになると思うのですが、この場合、ギリシャ国の「国益」が守られた、という話になるのでしょうか。恐らく、「ユーロ離脱」を掲げて選挙を戦う政党はないと思うのですが、ギリシャ国民は「ユーロから離脱することになる」ということを承知の上で、緊縮財政拒否を掲げる政党に投票するのでしょうか。


 未来がどう転ぶか分からない以上、何が「国益」なのか、その場で正確に判断できる人はいません。それでも、民主主義のプロセスは容赦なく回るという話です。


 これで思い出すのが、97年にIMF管理に陥った際の韓国です。韓国も、ギリシャ同様に政府が全く信用されておらず、しかも大統領選挙を控えていました。そのため、IMFは金泳三の後を継ぐ大統領候補(金大中など)全員に、
「自分が大統領になった際には、きちんとIMFとの約束を守る(=緊縮財政を実施する)」
 という書類に署名をさせるまで、支援を実施しませんでした


 ところで、昨今の韓国はますます「アメリカ化」が進み、一部の大企業が所得の多くを独占する社会システムが完成しつつあります。韓国のアメリカ化が始まったのはIMF管理ですが、仕上げが米韓FTAというわけです。


 ところが、韓国の国会で(催涙弾が飛び交う中)与党が強行採決したにも関わらず、米韓FTAは実は未だに発効しておりません。予定では1月1日に発効する予定だったのですが、例のISD問題などで国民の反発が収まらず、延期になっていました。


 この米韓FTAが、ギリシャ同様に総選挙を控える韓国の政治的争点、それも最大の争点になりつつあります。


『「米韓FTA破棄も」 韓国最大野党 総選挙の争点に
http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2012021602000031.html
 韓国最大野党、民主統合党の韓明淑(ハンミョンスク)代表は十五日の会見で、米国との自由貿易協定(FTA)について、四月の総選挙で勝てば米国と改定協議をし、協議が不調なら同協定を破棄すると強調した。
 破棄には大統領の同意が不可欠だが、最近の世論調査では十二月の大統領選野党候補と目される文在寅(ムンジェイン)盧武鉉財団理事長の支持が急伸。同協定の存否が総選挙、大統領選の主要争点になってきた。
 与党セヌリ党を率いる朴槿恵(パククンヘ)氏は「民主統合党は与党当時はFTAを推進した。選挙用に破棄を主張する人に国を任せられない」と反発。政府側も「FTAで自動車部品などの対米輸出が増える」と訴えて防戦に努めている。
 野党側は昨年十一月、投資関連条項が国内企業に不利だとして、米国との再協議を求めたが、与党側が批准同意案の採決を強行。野党議員が議場で催涙弾を破裂させる騒ぎも起きた。』


 総選挙で野党が勝利しても、米韓FTAが失効になるわけではありません。とはいえ、少なくとも改定協議はできます。その上で、アメリカ側が同意をすれば、米韓FTAは破棄になります。]


 米韓FTAの破棄が、韓国の国益になるのか。あるいは、米韓FTAを発効させ、アメリカの投資をこれまで以上に受け入れることが、韓国の国益になるのか。韓国国民ではないわたくしには、判断が付きません


 とはいえ、韓国の総選挙で野党側は「将来が不確定であること」は説明せず、米韓FTA破棄を最大の争点に総選挙を戦い、恐らく勝利することになるのではないかと思います。


 ギリシャのケースも、韓国のケースも、「外国」が絡んでいることにご注意ください。別に独仏やアメリカでなくても、外国が絡んだ問題では、民主主義イコール国益になるとは限りません。もちろん、それは国内問題も同じですが、その場合は国民がバカを見るだけで話が済みますが、外国が絡むとそうはいきません。


 すなわち、外交とは内政問題以上に慎重に判断されなければならないはずなのです。冷戦時とは違い、現在は外交が国民生活にまともに影響を与えます。「外交」と「国民生活」は切り離すことが出来なくなっています。


 現実がそうであるにも関わらず、現在の民主党政権は、TPPについて「適当に」進めていっています。民主主義的なプロセスを経てさえ、本当にそれが日本の国益になるかどうか分からないTPPという「外国が絡む問題」について、抽象論と情報隠蔽で進めてしまうのが民主党政権です。


 TPPを推進するのであれば、最低限、総選挙は必要ですが、さらにその民主主義的な結果を反故にしても、日本の国益を追求できる政治家がリーダーシップを取らなければならないのかも知れません。


 いずれにしても、
「交渉に参加して、気に入らなければ離脱すればいい」 
 などと、外交交渉を町内会の寄合と同じようなレベルで考えている連中に任せるなど、恐ろしくてたまりません。ギリシャや韓国の現状を見ていると、つくづくと思います。


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