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チャンネルAJER更新しました。

『バブル崩壊と資本主義(後半)③』三橋貴明 AJER2011.9.27(1)

『バブル崩壊と資本主義(後半)④』三橋貴明 AJER2011.9.27(2)


バブル崩壊の意味と意義に関して、二週にわたりお話させて頂きました。


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 WiLLの連載は再来月(11月)から始まるわけで、10月はお休みだったのですが、寄稿依頼を頂戴してしまいました・・・。理由は、本ブログユーザーの皆さまであれば、
「ああ、なるほどw」
 と思われると思います。
 というわけで、結局、WiLL10月号(8月末発売号)で、事実上、連載が始まった形になりました(毎月、欠かさず掲載されております)。


 日本の政治家は、最近、さすがに「対内債務」と「対外債務」の区別をつけるようになりました。今どき、
「日本の状況はギリシャより悪い! (by市民カーン)」
 などといった日には、爆笑されるだけでしょう。


 わたくしはブログや著作で、しつこく、本当にしつこく、
「日本政府の負債は100%近くが対内債務だ。対外債務(外国からの借り入れ)と一緒にするな」
 と主張してきましたが、両者は本当に性質が異なる債務です。家計の住宅ローンと、日本円の紙幣くらい違います。


 当然ながら、両者は返済方法も全然違います。というわけで、対外債務(対外負債)の返済に苦しむギリシャの状況を見てみましょう。


 
ギリシャのデフォルトは不可避、秩序あるロードマップに従え-社説

 欧州の首脳らはギリシャのデフォルト(債務不履行)は選択肢でないと断言する。各国の議会は不十分な救済基金を拡充するかどうかを審議している。国際通貨基金(IMF)はわずかな額の次回救済融資を支払うべきかを見定めるためにアテネに代表団を送り、ドイツのメルケル首相はユーロを守ると繰り返し宣言する。
 これらはいずれも現実から目をそむけている。実際にはギリシャが債務を返済できると考えている者はほぼ皆無だ。経済と税収が縮小し債務が国内総生産(GDP)の180%に膨らみつつある中では、どんなに厳しい緊縮財政も役に立たない。今や残された問いは、欧州がコントロールを効かせて秩序あるデフォルト(債務不履行)を演出できるか、それとも無秩序なギリシャの破産が世界経済を破壊するのを許すのかということだけだ。
 最終的には欧州は大きく変わる必要がある。財政統合や、ユーロ圏のすべての国が共同で債券を発行する仕組みなどが不可欠だ。しかしそれには条約改正が必要で、改正には欧州連合(EU)の全加盟国の議会の承認が要る。有権者の声も聞かなければならない。これら全てには何年もかかる。
 5000億ドル(約38兆円)の負債を抱えた国の破産をコントロールする設計図などない。2001年にデフォルトしたアルゼンチンの負債は800億ドルだった。 (中略)

◆少なくとも50%
 ギリシャが債務の対GDP比を100%未満にするには、少なくとも50%の債務減免が必要だ。銀行など投資家が被る損失を税控除の対象にすれば影響を和らげられるだろう。また、ギリシャは債券を新たに発行しなければならなくなるだろうが、これには欧州中央銀行(ECB)とIMF、場合によって欧州復興開発銀行(EBRD)も加わって保証を付け、投資家を引き付けるとともに懐疑的な市場に対し、結束と圧倒的な力を見せつけることが必要だ。 (中略)
 設計図があったからといって、デフォルトが耐えやすいものになるわけではない。悪影響は全世界に及ぶだろう。それでも、このような手順を踏めば少しはトラウマを軽くできる。欧州よ、この機を逸してはならない。 』


 上記はコラムではなく「社説」なので、ブルームバーグ紙の意見ということですね。ギリシャデフォルトの設計図については、中略部分をお読みください。
 
 さて、経済力とはそもそも何でしょうか。わたくしは、「国民経済の目的を達成できればできるほど、経済力が強い」と定義します。
 それでは「国民経済の目的」とは何でしょうか。究極的に考えれば、「国民を飢えさせないこと」につきます。


 すなわち、国民の需要を満たすことができればできるほど、その国は「経済力が強い」ということになります。


「ということは、デフレ(供給能力過剰)に苦しむ日本は、経済力が強いということなのか!」
 と言いたくなったと思いますが、そうだと考えます。(デフレが良いという話ではないですよ、念のため。経済力が強いか弱いかの話です)


 日本は供給能力が需要に対し大き過ぎ、国内で物価が下がり(=日本円の価値が上がる)続け、デフレで実質金利が高いため、日本円は他国通貨に対してまで強くなっています(円高)。それにも関わらず、経常収支は黒字を維持し続け(主に所得収支の黒字による)、対外純資産が増え続けています


 まあ、対外純資産の「円建て」金額は、円高で目減りしてしまいますが、それでも実質的には増え続けています。


【図 2011年6月末版(速報値)日本国家のバランスシート(単位:兆円)】
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http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_35.html#JPBS11Jun


 2010年末版(速報値 と比べると、対外純資産が10兆円ほど増えておりますな。この円高(対外資産の円建て金額が減る)中において、対外純資産(=純資産)が増え続けている国を「経済力が強い」と言わずして、何と言えばいいのでしょうか。


 さて、同じく「政府の負債(債務)」がGDPの二倍前後に膨らんでいる日本とギリシャですが、日本の場合は国内の金融機関からの借り入れ、ギリシャは外国からの借り入れです。すなわち、日本は対内債務、ギリシャは対外債務になります。


 対外債務を返済する方法というのは、実は明々白々でして、貿易黒字を増やせばいいのです。(厳密には経常収支黒字) 貿易黒字も経常収支黒字も、共に対外純資産の増加になります。


 戦前、日本は日露戦争で政府が巨額の「対外債務」を背負い、返済に苦労することになります。第一次世界大戦前には、何と政府の対外債務だけで、GDPの三分の一を越えていたわけです。まあ、それでも現在のギリシャよりは楽なのですが。


 さて、第一次世界大戦で欧州諸国が生産を軍需品に振り向けざるを得なくなり、日本は欧州のアジア植民地への輸出を一気に拡大しました。巨額貿易黒字を続けた結果、何とWW1終了時には、日本はアメリカに次ぐ、世界第二位の対外純資産国になっていたのです。(書き間違いではないです)


 結果、日本の「対外債務」の問題は解消されました。


 WW1前は、金融引き締めや緊縮財政(現在のギリシャがやっているように)により通貨を国民から絞りとり、対外債務を返済するか、それとも「経済成長」や「輸出拡大」により返済するか、日本国内は大いにもめました(今と変わりませんなあ・・・・)。結局、内部環境とは関係ないWW1勃発により、日本の対外債務問題は解消することになるわけです。


 要するに、ギリシャが対外債務を返済するには、国民が懸命に働き、輸出を拡大するのが最も手っ取り早い上に、健全なのです。何しろ、輸出増は普通にGDP拡大になりますので。
 ところが、ユーロに加盟している限り、ギリシャの対ユーロ諸国の輸出競争力はなかなか高まりません。ギリシャが緊縮財政で対外債務を返そうとすると、GDPを縮小させ(すでにしています)、税収が減り、結局、財政は以前よりも悪化することになります。


 というわけで、ギリシャの財政問題を解決する道はありません。すでに欧州が始めているように、世界はギリシャのデフォルト(債務不履行)について「必ず起きる」ものとして織り込みを始めなければならないのです。


「第一次世界大戦後、日本は世界第二位の対外純資産国に!」に驚かれた方
↓このリンクをクリックを。
 

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