貴重な機会:ファンとポーズをとるソニャ(左)とキナル(右)。ファンはJKT48のライブでペンライトを点け、チャントを叫ぶ。
推しメンのためならピエロも厭わず
ファンというものはピエロになることも厭わない。その言葉は正しい。彼らは個人的に面識のない人物のためにどんなことでも自らすすんでやってのける。それは異彩を放つ、アイドルグループJTK48のファンも同様だ
HOI, Hoi, Hoi, Hoi… Aaaa… Yossha Ikuzo! Tiger, Fire, Cyber, Fiber, Diver, Viber, Jya Jya! ここで引用したチャントはJKT48のライブ中にファンたちが声高に叫んでいるものだ。他の音楽グループのファンたちは自らのアイドルたちと合唱することを好むが、JKT48のファンはそれ以上にチャントを叫ぶために相応しい瞬間を待っている。
JKT48のライブ時には、ファンたちは様々な地域からやって来る。一度ステージ前に陣取ると、大抵は全くの初対面であるのだが、彼らは一致団結してチャントのために声を張り上げる。響き渡るチャントにはある種の独特のオーラが漂う。それは多くの場合、ファンたち皆に再びJKT48のライブを見ようという気を起こさせる。
それだけではない。JKT48の売りの一つに「会いに行けるアイドル」「ファンとともに成長していくアイドル」というコンセプトがある。
具体的には、メロディーやその他のJKT48メンバーのファンになることで、他のアイドルグループと比べ、より頻繁に会えるということが約束されるのだ。ましてや、彼女たちはほぼ毎日公演のスケジュールが入った専用の劇場を持っている。
JKT48メンバーのメロディー・ヌランダニ・ラクサニはファンの存在は本当に大事なものだと1月21日、「Dahsyat Awards」での取材時に語った。「私たちにはファンとともに成長するというコンセプトがあります。ファンがいるからこそ、私たちがあるのです」とメロディーは強調した。
アイドルグループというテーマについて言えば、それはそれぞれのメンバーの能力を磨くための学校のようなものだ。その中にはまだ満足に歌ったり踊ったりすることができないメンバーがいるため、ファンの存在が重要なものとなる。ファンは自分たちのoshimen(最も応援しているメンバー)がさらに成長していくようサポートすることができる。
「Kaskus JKT48」のアウフィ・アフマッド・ハイダルによると、そうしたコンセプトの違いに魅力を感じるのだという。彼はメンバーたちが本当に成長したと感じている。「デビュー当初はまだバラバラだったが、いつの間にか良くなっていた。それが一番感じられたのが『パジャマドライブ』公演のsenshuuraku(最終日)のことだ」とアウフィは語った。
インドネシア大学工学部に通うアウフィは幸せだという。なぜなら、メンバーの成長にはどんな時にも応援し続けてきたファンたちの協力があるからだ。それにはメンバーがくじけそうになった時も含まれる。JKT48にとってのファンとはパフォーマンスを行う際の原動力であるとアウフィは言う。
「会いに行けるアイドル」というコンセプトは変わらないでほしい、とジェシカ・フェランダを応援するアウフィは付け加える。JKT48がインドネシアの芸能界で活躍できるようファンたちはこれらかも声援を送り続けるだろうとアウフィは確信する。「僕らはすでに出来上がったものを出されている訳じゃない。JKT48の成功に僕らファンが多少なりとも関われることに誇りを感じているんだ」とアウフィは語った。
JKT48ファンであるフィッキー・エフェンディは5人の友人と共に@JKT48FCというアカウント名でツイッター上にファンベースを作り、同時にブログも開設した。彼らは投稿を行うために、観客の一人としてJKT48劇場とJKT48が出演する他のイベントを往復する。JKT48に関する情報を入手すると、彼らはすぐさまツイッターに投稿してフォロワーに知らせている。
フィッキーは自ら進んでそれら全てをこなしている。JKT48はユニークなグループだと感じているからだ。数多くのメンバーの存在がJKT48を際立たせていることは間違がない。ましてや、彼女たちの曲にはフィッキーによれば聴きやすく自然に入り込んでくるアレンジが施されている。「彼女たちのパフォーマンスはカッコいい。一人のメンバーに飽きたとしても、他のメンバーを見ることができる」とフィッキーは冗談を飛ばす。
フィッキーはフォロワーたちが情報に乗り遅れないように様々なソースに目を光らせている。JKT48の公式アカウント(@officialJKT48)からの回答がない質問が寄せられることもある。彼はこうしたことからメンバーたちについて多くのことを知るように努めているのだ。
上記の記事の続き部分には 「ペドフォリア(小児性愛)という見方を否定」との見出しが
この日本のAKB48初の海外姉妹グループとなったJKT48にはフリーランスの研究者であるアルディアン・プトラ(29)も関心を寄せている。新人グループとして人気が急上昇中のJKT48とそのファンに興味を惹かれたからだ。ましてや、彼はこれまでにJKT48のファンたちを非難する多くの会話をオンライン上で目にしている。
JKT48とそのファンに対する知識がないゆえに、世間の人々はファンたちを粗野だと決め付ける。そうしたネガティブなレッテルの一つに「idoling」がある。彼らがセクシャルな関心を持っていると考えられているためだ。「日本文化は今もJAV(Japan Adult Video)とグラビア(セクシーなポーズの写真)を連想させます。私はデータに基づいてそうしたレッテルに答えてみたいのです」とバンドン工科大学生物学科卒業生のアルディは語る。
アルディは自身の調査からJKT48ファンに関するより詳細な考察を試みる。質問表の内容はインターネット上のJKT48ファンの統計学的調査により特化している。コミュニティーへの加入から、年齢分布、男女比、「idoling」している期間、回答者が興味を抱くきっかけとなった第一印象までを網羅する。
結果として、JKT48のファンはペドフォリア(小児性愛)であるという非難は誤りであるとことが明らかになった。JKT48ファンの多くはメンバーたちと同じ年齢だからだ。すなわち、17歳以下が全体の30%、17-21歳が38%を占めている。他方で、22-25歳のファンは25%に過ぎない。男女比に関しては、寄せられた503の回答に基づくと、男性が93%であるのに対し、女性は7%であった。「回答者の多くが興味を持っているのはJKT48のパフォーマンス、特にライブ時のものです。彼女たちの容姿に対する関心は、それが行き過ぎたものでない限り、あって当然だと思います」とアルディは語った。
メダン出身の女子大生、フニィ・ディア・ライシャはJKT48の数少ない女性ファンの一人だ。メンバーのシンディ・グラのファンであるフニィはJKT48に恋に落ちたと語る。JKT48はどのステージでもいつも楽しませてくれるからだ。「問題ありません。少数派のファンというのもなかなかいいものですよ。男性ファンに守ってもらうことも出来る訳ですから」とフニィは語る。
そればかりか、フニィは自らの推しメンの関心を引こうとツイッターを通じて頻繁にメンションを送っていた。ある握手会イベントで、彼女は自分のツイッターアカウント名とともにシンディの前で自己紹介をしたことがあった。想像もしていなかったことだが、なんとシンディはフニィを知っており、そればかりか彼女の名前まで覚えていたのだ。フニィはJKT48がこれからもずっと活躍し続けるよう願っている。アイドルグループはより完成された形でデビューするガールバンドとは違うからだ。JKT48に向けて、メンバーは今後も努力を重ね、さらに素晴らしいステージを見せてほしいとフニィは語った。
2013年1月27日「Jawa Pos」
Rela Gila-gilaan demi Oshimen-nya
[管理人コメント]ちなみに、記事には一般的な(?)JKT48ファンのイラストや用語解説も添えられていました。ちょっと面白かったので、以下に紹介してみます。
左側:一般的なJKT48ファン
1.両手にいつもペンライトを持っている。
2.メンバーの写真を入れたネックストラップをかけている。
3.シャツやカバンにメンバーのピンバッジをつけている。
4.JKT48のTシャツを着ている。
右側:JKT48辞典
・Oshimen:一番応援しているメンバー
・JKT48劇場:JKT48メンバーがセットリストにまとめらた曲を披露する場所
・SWAG: Stuff We All Get、商品のための用語
・Senshuuraku:最後の日
・Shonichi:最初の日
・Chant:JKT48のライブ時にファンが送るエール
なお、今回の記事の出典に関して付け加えておくと、記事の画像データはインドネシアの某ネット掲示板の「JKT48スレ」から拾ったものです(ここの#34760のコメント)。投稿者が「今日のジャワ・ポスの記事」と紹介していたものです。あと2つほど記事があるので、また後日ご紹介します。
[特集記事]
現地メディアが伝えるJKT48ファン(その2)-飛ぶように売れる公式グッズ
現地メディアが伝えるJKT48ファン(その3) - 地方ファンの情熱に迫る!
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コメント
コメント一覧 (6)
ほんとにありがとうございます。
続きも楽しみにしてますね(~-~)/
有難うございます。
しかし、ヲタの容姿が日本とほぼ同じになって来るのが何とも言えませんがww
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