猫と犬とでは水の飲み方が異なり、猫は重力と慣性のバランスを利用して「巧みに優雅に」水を飲んでいる――米大学がこのような研究結果を発表した。
この研究では、高速カメラで猫の水飲みの様子を撮影するとともに、YouTubeに投稿されている猫の動画の分析も行った。
分析によると、猫は水を飲むときに、舌先を丸めて「J」のような形にして突き出し、先端だけを水面につけて引き上げる。このとき、「重力と慣性の微妙なバランス」によって舌先と水面の間に水柱が立つ。猫は素早く口を閉じ、水柱の先端を口の中に入れて飲む。このやり方で、あごをぬらさず水が飲めるという。これに対して、犬は舌を水の中に入れて、水をすくい上げるように飲む。猫の方が「はるかに巧みで優雅」な飲み方だと研究者は述べている。
「猫は、重力と慣性のバランスを取るために、どのくらいの速さで水面をなめればいいのか、いつ口を閉じればいいのかを本能的に知っている」と研究者は語る。猫は1秒間に約4回の速度で水面をなめているという。研究者は「初めは、猫の水飲みに流体力学がかかわっているという絶対の自信はなかった。だが研究が進むにつれて、水飲みの仕組みに関係する流体力学の美に驚き、おもしろく思った」と話す。
この研究はマサチューセッツ工科大学(MIT)、バージニア工科大学、プリンストン大学の研究者によるもの。結果はScience誌のオンライン版に掲載されている。
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