筆者のThahn Pham氏は、生産性向上マニア、システム思想家、ブロガー、世界旅行家です。彼は、「Asian Efficiency」というブログでテクノロジーや時間管理術についての記事を執筆しています。今回は、Thahn Pham氏が「やる気が出ないときの対処法」について語ります。

やる気が出ない状態から脱出する方法は、以前、 Aaron Lynn氏との対談でも挙がりましたが、2つしかありません。「底力を出してすぐにタスクに取り掛かる」、もしくは「時間をかけて少しずつタスクに取り掛かる」のどちらかです。

底力を出してすぐに始めるには、強い意志と責任感が必要です。でも、ときには本当にやる気が出ないこともあるでしょう。そんなとき、まずは時間をかけて少しずつタスクに取り掛かれば、やる気が出ない状態から脱出できます。これが「太陽フレア効果」と呼ばれる現象です。太陽フレア効果とは、とても小さくて簡単なタスクから始めて、その勢いに乗ってさらに大きなタスクを片付けていくアイデアのことです

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  ■小さなタスクから始めて「仕事モード」のスイッチをオン

なぜ「太陽フレア効果」と呼ぶのでしょうか? 理由は2つです。1つ目は、宇宙現象にちなんで名前を付けるのはカッコいいから。2つ目は、頭の中でも同様の現象が起こっているからです。太陽フレアとは、「太陽の表面でエネルギーが突然爆発する現象」のことです。最初はとても小さい規模から始まりますが、いずれは大規模な現象になります。頭の中でも同じような現象を起こすことで、やる気を引き出せるのです。仕事を始めるとき、5分で終わるような小さなタスクから始めれば、あっという間に「仕事モード」のスイッチをオンにできるでしょう。

この方法はとてもシンプルですが、非常に効果的です。これは基本的に「仕事モードのスイッチを入れる方法」なので、どんな職種の人でも使えます。やらないといけないことは、数分でできる簡単なタスクだけ。本当にやる気が出ないようなときでも、数分で終わるような仕事なら問題ないはずです。

簡単なタスクすらやる気がおきませんか? そんな人にはちょっとしたコツがあります。

■日常生活での使用例

小さなタスクすらやる気がしない人のための、ちょっとしたコツ。それは、1つのタスクを選んでそれだけをやることです。「これだけをやろう」と決めたら、「それ以上はやらなくていい」と自分に言い聞かせるのがポイント。頭のエンジンをスタートさせるには、それで十分なのです。以下、太陽フレア効果を活用するための、日常生活での使用例を紹介します。

1. エクササイズをするとき
  • iPodを持ってきて、エクササイズ用のお気に入りの音楽を聴く。
  • ジムウェアに着替える。
  • トレーニングマシンで5分だけ運動する。

2. Eメールを書くとき
  • 差出人のアドレス、題名、要点だけを書く。
  • 受信ボックスの未読メールをゼロにする。
  • 重要なメールだけを確認する。

3. 掃除や片付けをするとき
  • 食後に皿やコップをシンクに置く。
  • ゴミをゴミ箱に入れる。
  • ゴミ袋は玄関付近に置いておく。

4. 文章を書くとき
  • 白紙のワード文書を作ってフォルダに保存する。
  • アウトラインだけを書く。
  • 最初の段落だけを書く。


どれも簡単なことばかりですが、やる気を引き出すにはこれくらい小さなタスクから始めるのがポイントです。いつの間にかそれ以上のタスクを始めていることに気づいて驚くかもしれません。

■「太陽フレア効果」の注意事項

太陽フレア効果はやる気を引き出して仕事を片付けるための優れたアイデアですが、使い方によってはマイナスに作用することがあります。何か望ましくないことを「少しだけ」と思って始めると、つい何時間も続けてしまい時間を無駄にすることがあります。「少しだけ」と決めてテレビゲームを始めても、つい何時間もゲームを続けてしまうのと同じです。「1時間だけ」と決めて友達と飲みに行って、翌日に二日酔いで苦しむほど飲んでしまうのもそうです。このようなことは誰でも経験したことがあるのではないでしょうか?

太陽フレア効果の使い方には、くれぐれも注意するようにしてくださいね!

Solar Flaring to Overcome Procrastination | Asian Efficiency

Thahn Pham(原文/訳:大嶋拓人)