玖足手帖-アニメブログ-

富野由悠季監督、出崎統監督、ガンダム作品を中心に、アニメ感想を書くブログです。

当サイトはGoogleアドセンス、グーグルアナリティクス、Amazonアソシエイトを利用しています

創作幻視小説版「夢兄妹寝物語」 2003年8月 第8話 第10節

サブタイトル[禁断のロリコンオーディション] 
前書き:エピローグと予告
  
  
 泡を吹いて気絶しているドラゴンの横に、血まみれの社が倒れているのを、そらはレイの胸に抱かれて見下した。
そら「死んでる?」
レイ「鼻血だけで外傷はなく、出血は1リットルもありません。既に出血は止まり、命に別条はありません」
そら「うげげ」
社「やあ、登ってこられたか……」
 上体を起こした社が鼻血を拭うのに使われるムンガイの白いハンカチーフは、高級ブランドも形無しである。
そら「おかげさまで」
社「では早く登った方がいいな」
レイ「立てますか?」
社「申し訳ないが、肩を貸してくれればありがたい……。ロリータ神拳を使いすぎた」
そら「なにそれキモい」
社「ロリータ神拳とは!ロリータの細胞に接触したロリコンの脳が発生させるロリータに恋する特殊なロリータセレブリティウェーブを感知したアンチロリコン仮面がロリータ脳神経を破壊するために発する反ロリコン矯正電磁波超音波の特殊波紋を逆に利用し、ロリコン脳を異常興奮させ、ロリコンの血を昂らせ、通常のアスリートの3倍以上の身体能力を発揮するロリコンとなり、ロリータをあらゆる外敵から守る私の必殺技だ!
 ……しかし、使用するとこのように大量出血を起こしてしまうのだ」
そら「いや、別に聞いてないし」
社「貴様が『なにそれキモい』と質問したのではないか」
そら「キモい!」
 社は美少女の声を聞いてとても幸せそうな笑顔になりましたが、仮面のおかげでキモさは通常の半分で済みました。
ミニコ「では、社さん、私の背中につかまってください」
 手ぶらのミニコが申し出たが、
社「すみません、ネズミのメイドさん。私は成人女性に触れる事が出来ないので、宍戸さんの肩を貸してください」
ミニコ「私は成人と言うわけでは……いえ、何でもないです。そら様、いかがいたしましょう」
 宇宙人も初めて本物のロリータコンプレックスの地球人と会話して若干困ってしまう。
レイ「地上までは追手もいないようですが。そら様、お歩きになれますか?」
そら「私は平気だけど、変態は死ねばいいのに」
レイ「変態性欲所有者でも知的生物を見捨てる事は我々の誓いに反します。社さん、行きますよ」
 レイはそらを降ろして代わりに社に肩を貸して階段をのぼりはじめた。が、社はその肩に頭をなすりつけ、
社「頭令の匂いがする……」
 と満足そうに微笑んだ。
そら「変態は死ねばいいのに」
レイ「そら様、変態性欲所有者でも知的生物です」
社「そうだ。頭令、貴様には命の大切さを教育する必要がある。ズズゥーーーーーッ」
 と、また出始めた鼻血をすすりながら教育者らしい事をほざいた。
レイ「ミニコさん、服に鼻血を付けられると困るので、社さんの鼻にティッシュを詰めてください」
ミニコ「了解し、実行します」
社「ところで、そちらのコウモリ耳のメイドさんの具合は大丈夫ですか?」
 白い仮面を付け、両鼻をティッシュで膨らませた社が心配して聞いた。
そら「お前の顔が大丈夫か」
ミミコ「ほんの掠り傷ですわ。もう大丈夫です」
 バカな話をしている間にミミコはダッチワイフの体の修復を終えて、ミイコの背中から降りた。元素レベルで再構成された体には傷一つない。
そら「つかれたー。変態のせいで今日は散々だったわーっ!」
社「もう一息だ。がんばれ」
そら「変態はしゃべるな」
 レイにもたれた社の案内で、地上付近で非常階段の縦穴から横に入り、また何度か階段を上った。
社「このマンホールを開けてくれれば、外だ」
レイ「……地上には人間が集まっているようですが」
 数十の車両が起こす振動が、地下にも伝わっていた。
社「下の火事の煙が他の出口から出ているのだろう。ここを出たら小石川後楽園の林の中だ。そこに隠れるといい」
そら「あんたがアタシを売ってたら……」
社「私が先に出る。信用してくれるなら、後から来てくれ」
ロザリオ「そら様、人間たちは東京ドームの反対側に集中しております。社の言うように公園を抜ける場合の安全性は高いです
そら「いいわ。早く行きなさい」
社「宍戸さん、おかげで疲れは取れた。ありがとう」
レイ「こちらこそ」
 社がマンホールを持ち上げれば、外は曇り空、星もない深夜の公園。夏の終わりの冷気がそらの髪をさっと撫でた。
そら「ねむい」
  
  

  • 東京ドーム駐車場

 小石川後楽園とはドームを挟んだ反対側の駐車場には消防、救急、警察の車両と関係者が集まり、それから野次馬が騒いでいた。夏休み最後の日曜日。小松が付け火した煙が、東京ドーム地下を縦断する地下鉄や、”社交界”専用の通路を通って地上に噴き出し、煙に追われたチンピラが逃げ出して、反対に見物人も集まって混乱し、サイレンやビルの明かりが煌々と、雲と煙に照り返す。
 その中で社亜砂は、細面の私服警察官の男の尋問を受けていた。
米岸「めちゃめちゃな事をしてくれましたね。もう、どれだけの人が巻き込まれたか……。上は大混乱です」
社「それ以上、しゃべらない方が良いぞ。米岸。私との会話は自動的に送信される」
 トスカーノ煙草に火を付けながら社は、よくワックスのかけられた紅いオープンスポーツカー、マセラティ・スパイダーのボンネットに腰掛け、言う。
 吐き出した紫煙を眺める社の視線の先には地下で”社交場”と直通していた周辺の建物から吹きあがる煙が、そのまま物的証拠として、なびいている。
 その”社交界”について口にしそうになった若いキャリア警官に、社が先に釘を刺したのだから、どちらが尋問をしている立場なのか。とっくに社の鼻の詰め物はなく、煙草をくわえる整った唇と白い仮面が米岸の前にある。
米岸「……それでも、社さんが地下に入って無線が消える直前に携帯電話から匿名掲示板に『東京ドームの地下でチーマーを集めて少女をレイプします』なんて犯行予告をされたら、監督する我々も動きますよ!機密通路の内部映像が仮面からこちらにも来るし、通報はあるし、ネットは盛り上がるし……」
社「私自身が、レイプするとは書かなかっただろう。実際に不良たちも集まっていたのだし」
米岸「そうですけどね!あなたは私たちに社会復帰できるか観察されてる立場なんです。その仮面はあなたのロリコンを治すためのもので、他のロリコンを告発するものじゃあないんですよ!」
社「ふふ、ロリコンとハサミは使いようだな。私が送った証拠も、君たちが上手く使ってくれ」
米岸「はぁ……」
 頭脳明晰で胆力もあると在るエリートと自認していた米岸だが、新規導入された性犯罪者監視システムの担当は貧乏くじだったかもしれないと辛くなった。
社「疲れたのは私も同じだ。……ところで、地下にいた首謀者は見つかったかね?」
米岸「ええ、一応。通路で気絶してたそうです。って、それより、あなたが迎えに行ったって言う少女はどうなったんです!被害者の少女は!」
社「逃げられたようだが、名刺は渡したから大丈夫だ」
米岸「大丈夫じゃないですよ!」
社「味方にまで腹を立てると警察はやっていけないぞ、米岸。それに私が『社会奉仕活動』で頭令の教師をする事は君たちの上にも話は通したはずだが?」
米岸「いや、事情聴取とか、現場の刑事からつつかれてるんですよ」
社「私のデータで十分だろう。私も全ては見てはいないが、失踪届の出ている少女と有名人が一緒に移っていた写真とビデオがあった。
 それがあれば、頭令を聴取しなくても明日には有耶無耶になるさ」
米岸「家出少女の顔も覚えてるんですか」
社「ああ。どこで困っている少女を見つけるかわからんからな。君も警官なら当然だと思うが?」
 目の前の社の底知れなさと、予想される仕事に呆然とし、米岸はもう頭を垂れてしまった。その隙に社はオープンカーの運転席に収まっていた。
社「まあ、落ち込むな。もう日付は変わったが、報告書は一応明日出す。貴様ももう休め」
米岸「そうですね……。私はまだ、片づけをします……」
社「そうか、なら、これでも吸って落ち着く事だ。舶来物だぞ」
 と、トスカーノ煙草をひょいと、渡す。
 米岸は煙草は吸わないが、もうそんなことはどうでもよくなっていた。ただ、担当官として一つ気になる事があった。
米岸「社さん、その仮面、壊れてませんよね?」
社「いや?ログは正常だろう。銃弾もはじくほど頑丈だ」
米岸「ロリコンのあなたが、少女の、その、証拠写真を見た時、どうして頭令そらに近づいた時のように脳を焼かれなかったんです?」
社「はっはっはっは!いいか?確かに私は少女を愛している。少女の体も愛している。
 だが、愛のないセックスでは、恋心は焼かれんよ!はっはっはっはっは!」
 
 
 哄笑と共に真っ赤なマセラティのテールランプが蛍のように尾を引いて行った。
米岸「もうええわ!」
 彼は実は関西出身だった。



次回予告

                                                                                                                                                              • -

みんな元気?頭令そらは元気だよ!今日は失敗だったけど、明日は頑張るね☆で、気になる次回予告は!

本当に好きなのはどっち?社亜砂の心の裏に迫る。頭令そらの気持ちが知りたいの。

別の場所では・・・タマが、営む「ゲンチャン屋」ライバル店「らーめんうま屋」の出現により、窮地にたたされてしまった!

さすがの社亜砂も、このままではどうすることも出来ない!

次回、「恋泥棒オシャマそらちゃん」 第9話

「家庭教師VSニンフェット!頭令兄妹誕生の秘密です!!」

に、ラブラブビーム!

http://kairuna.hp.infoseek.co.jp/Ikinari.html
(こちらをやや改変しました)