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新潟県知事選 序盤は花角氏と池田氏が横一線=JX通信社 独自情勢調査

米重克洋JX通信社 代表取締役
前回に続き、今回も有権者が最大の争点として挙げるのが柏崎刈羽原発の再稼働の問題だ(写真:ロイター/アフロ)

今月24日に告示され、6月10日に投開票される新潟県知事選。報道ベンチャーのJX通信社では、告示前の今月19・20日と告示後最初の週末となった26・27日にそれぞれ、新潟県内の18歳以上の有権者を対象とした電話調査を実施し情勢を探った。調査の概要は末尾記載のとおりだ。

序盤情勢は花角氏と池田氏が横一線

新潟県知事選の序盤情勢は、自民・公明両党が支持する元副知事の花角英世氏と、事実上の野党統一候補である前県議の池田千賀子氏が横一線の争いとなっている。2人は告示前の19・20日調査時点からごく小差の争いを続けており、大接戦だ。

新潟県内の政党別支持率(5月26・27日JX通信社情勢調査)
新潟県内の政党別支持率(5月26・27日JX通信社情勢調査)

各政党の支持層別に見ると、26・27日の調査時点では花角氏が自民・公明両党の支持層のそれぞれ約7割を固めた。一方の池田氏は立憲民主党支持層の8割台半ば、共産党支持層の約8割を固めたほか、その他の野党各党の支持層からも概ね花角氏より多い支持を集めている。

また、支持する政党はないとした無党派層では、花角氏が約2割、池田氏が約3割台半ばの支持を得ている。態度未定者はこの1週間で全体の5割弱から3割弱まで半分近くに減ったものの、なお情勢は変化する可能性があり、流動的だ。政党支持層別では、主に無党派の4割強や自民支持層の約2割が態度未定者として残っている。

性別では、男女ともにほぼ拮抗しているものの、男性からは池田氏、女性からは花角氏がそれぞれわずかに多い支持を得ている。態度未定者は男性が約2割、女性が約3割残っている。

最大の争点は「原発再稼働」36.2%、再稼働反対は67.6%に

有権者が重視する争点(5月26・27日JX通信社情勢調査)
有権者が重視する争点(5月26・27日JX通信社情勢調査)

26日・27日の調査で、今回の知事選にあたって有権者に「投票の際に最も重視する政策課題」を聞いたところ「原子力発電所の再稼働」の問題を挙げる人が最多の36.2%となった。次いで「医療や福祉」19.5%、「景気や雇用」19.0%、「人口減少対策」10.8%などと続いている。

このうち、原発の再稼働を最も重視するとした有権者は多くが池田氏を支持するとしているものの、前回の知事選挙と比べると、与党系の花角氏にも一定程度支持が流れていることが特徴的だ。花角氏は今回、自民・公明両党の支持を受けながらも柏崎刈羽原子力発電所の再稼働に慎重な姿勢を強調している。このことが、支持動向にも多少影響しているとみられる。

柏崎刈羽原子力発電所の再稼働への賛否(5月26・27日JX通信社調査)※小数点2位以下は四捨五入
柏崎刈羽原子力発電所の再稼働への賛否(5月26・27日JX通信社調査)※小数点2位以下は四捨五入

今回の知事選最大の争点となっている柏崎刈羽原発の再稼働そのものへの賛否も聞いた。26・27日の調査で再稼働に「大いに賛成する」または「どちらかと言えば賛成する」と答えた人の合計は25.1%にとどまる一方、「どちらかと言えば反対する」「大いに反対する」と答えた人の合計は67.6%に上った。有権者のおよそ3分の2が、柏崎刈羽原子力発電所の再稼働に反対していることになる。

原発再稼働を最大の争点に、事実上与野党一騎打ちの構図となっている新潟県知事選。JX通信社では、引き続き調査を実施し、情勢の変化を伝えていく予定だ。

調査概要

調査方式:RDD(乱数番号自動生成)方式

調査対象:新潟県内の18歳以上の有権者

日程1:5月19日・20日(土・日)/有効回答1025

日程2:5月26日・27日(土・日)/有効回答821

JX通信社 代表取締役

「シン・情報戦略」(KADOKAWA)著者。1988年(昭和63年)山口県生まれ。2008年、報道ベンチャーのJX通信社を創業。「報道の機械化」をミッションに、テレビ局・新聞社・通信社に対するAIを活用した事件・災害速報の配信、独自世論調査による選挙予測を行うなど、「ビジネスとジャーナリズムの両立」を目指した事業を手がける。

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