瑞応山 弘明寺

弘明寺は、横浜市南区弘明寺町にある寺院。
坂東三十三観音の第14番札所です。

 弘明寺は、瑞応山蓮華院と号す真言宗の寺院で寺伝によると、「今を去る1200余年前、元正天皇養老5年(721)、インドの善無畏三蔵法師が仏教弘通のため、日本渡来の節開創されたお寺で、それより17年後、聖武天皇天平9年、諸国に悪病流行の際、行基菩薩が勅命により、天下泰平祈願のため全国巡錫の際、当山の霊域を感得し草庵をつくり観音様を彫刻し、安置せられた。」とあります。鎌倉時代には、源家累代の祈願所とされました。江戸時代、坂東観音三十三ヵ所の第14番札所として信仰を集め、年に2回の市が立ち、大変賑わいました。市内には観音道の道標が数基遺っています。
 本尊の木造十一面観音立像は、関東に遺る鉈彫りの典型的な作例として有名なものです。(鉈彫り像とは、丸のみの彫り痕を像表面に残した特殊な彫り口の作品をいいます。)像高181.7cm、ケヤキ材、丸彫り・一木造り、平安時代(11〜12世紀のころ)の作。造形はかなり荒々しく、かつ粗略なもので、一見未完成作のような印象を受けますが、全身にわたって丸のみの痕を規則的に横縞目に残しており、顔面は肉身や着衣に比べ、極め細かく入念に整えられています。彩色は僅かに本面の唇と化仏の唇に朱を点じ、眉目・口ヒゲ・胸飾を墨で描いています。
 境内には、善無畏三蔵法師が陀羅尼を書写し、結界を立てた霊石と伝える「七つ石」、尾りよ石と刻してある「尾閭石」、大黒天の袋に似ているので名付けたという「福石」があります。

「境内案内」より

仁王門

本堂