先日、Twitter社がブログプラットフォームの「Posterous」を買収したと発表しました。おそらくPosterous内の人材を獲得したかったのでしょう。もし、あなたがPosterousユーザーなら「自分のブログは一体どうなるんだ?」と不安を感じているかもしれません。両社ともPosterousブログを閉鎖する予定はないと言っていますが、念のため何らかの対策をとっておきたいところです。そこでこちらでは、Posterousのデータの移行法をいくつかご紹介します。

 ■Posterousのブログデータはエクスポートできる?

残念ながらできません。Posterousサイト内にある買収関連のFAQによると、何か重大な変更があるときは余裕をもって広報すると言っています。しかし、ブログデータをエクスポートしたり、バックアップする方法は現在のところ提供されていません。また、ブログデータをWordPress/Tumblr/Bloggerなどに移行する方法も提供されていません(数週間以内に提供予定とは書かれています)。となると、現状でできることはアカウントを削除することだけですが、それでは投稿記事や写真・コメントなどがすべて失われてしまいます。

FAQをよく読むと、どうやらPosterousはいずれはサービスを停止するつもりであり、ユーザーにブログデータをどこかほかのサービスへ移動するように勧めているかのように見えます(もちろん公式にはそうとは言っていません)。そうした現状を踏まえると、現時点で選択肢は2つ。Posterousが移行ツールを提供してくれるのを待つか、自分でなんとかするかです

■ブログデータをTumblr/Blogger/WordPressへ移行する

TumblrはPosterousの最大の競争相手です。あなたも友達と「どちらのプラットフォームが優れているか」を議論したことがあるかもしれません。残念ながら、Tumblrはほかのプラットフォームからのインポートを明示的にはサポートしていません。とはいえ、方法がないわけでもないです。

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  1. Posterousアカウントにログインして「Spaces」をクリックします。
  2. 引っ越しさせたいブログを選んで、設定のドロップダウンから「Autopost Setup」を選択します。
  3. 「Add a service」をクリックして、TumblrかBloggerを選択。次に表示される画面でアカウント情報を入力します。
  4. さらに、Posterousからそのサービスへアクセスする許可を求められるので、「アクセスを許可」をクリック。
  5. これでPosterousブログに投稿した記事が、指定したTumblr/Bloggerなどのブログサービスへ自動的に再投稿されます。
  6. 最後に、Posterousブログの過去の投稿データを一度すべて非公開にしてから、現在日時で再度公開するか「autopost」を選んで、公開日付を再設定します。


autoposter(自動投稿機能)は様々なプラットフォームに対応しています。セルフホストの「SquareSpace」、「Movable Type」、「Drupal」などにも対応しています。ただし、この方法の問題点は、記事の投稿日がリセットされてしまうところです。

さらに問題なのは、読者からのコメントやリンク、ビューなどを移動できないこと。写真や動画も自分で移動させなければなりません。とはいえ、これがPosterousからブログデータを移動させるひとつ方法ではあります。Posterousから移行ツールが提供されるのを待てない場合は、参考になるでしょう。

とりあえずバックアップがしたいだけなら、無料のWordPressやTumblr、そのほかのブログをセットアップして、上記の方法でPosterousの投稿記事をすべて移動させておくとよいでしょう。正式に移行ツールが提供され次第、改めてお目当てのブログサービスにデータを移行すればOKです。

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■WordPressユーザーなら

WordPress.comでホストされているブログを使っているなら、Posterous用のインポートツールがダッシュボードの「ツール>インポート」にあります。セルフホストのWordPress用にも、Posterousのインポート用プラグインがありますが、残念ながら現在のところうまく動作していないようです。しかし、ユーザーからの要望が山のように押し寄せているはずなので、まもなく改善されるでしょう。

■セルフホストのWordPressやSquareSpaceへの引っ越しを考えているなら

一度WordPress.comへ移行してから、それぞれのブログへ再度移行するのがベストなやり方です。WordPress.comのPosterous用インポートツールはそれなりに信頼できそうです。いったんPosterousからWordPressへデータを移動しておけば、そこからあらゆるプラットフォームへの移行も可能です。

もちろんPosterousが移行ツールを公開するのを辛抱強く待つこともできますが、いつになるかはわかりません。それまで宙ぶらりんな日々を過ごすよりは、バックアップだけでもしておきたかったり、早めにほかのサービスへ移行してしまいたいと思う人もいると思います。この記事を参考に自分なりの対策をとっておきましょう。

あなたはPosterousユーザーですか? Posterousが移行ツールを公開するまで待ちますか? それとも今すぐ何か対策をとりたいですか? どのブログラットフォームに引っ越す予定ですか? ぜひコメント欄でシェアしてください。

Alan Henry(原文/訳:伊藤貴之)