画面●JP1/Automatic Operationの画面
画面●JP1/Automatic Operationの画面
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 日立製作所は2012年10月15日、統合システム運用管理の新版「JP1 Version 10」を10月31日に出荷すると発表した。テンプレートに基づいて運用を自動化する新製品「JP1/Automatic Operation」を投入すると同時に、24時間対応のリモート監視サービス、およびSaaS型のスマートデバイス管理サービスも追加した。

 JP1/Automatic Operationは自動運用のための基盤製品。運用手順をまとめたテンプレート「JP1/Automatic Operation コンテンツセット」と合わせて使うことで、運用の自動化を図る(画面)。「基盤だけあってもうまくいかない。仮想化プロビジョニングや、障害対応の初動など、日立の運用ノウハウをテンプレートとして一緒に提供することで自動化が図れる」(ITプラットフォーム事業本部 ITマネジメントソリューション開発部の加藤恵理氏)。

 実際に、日立社内でJP1/Automatic Operationを適用したところ、仮想サーバーの追加、デプロイ作業に要する時間を約60%削減できたという。仮想サーバーの作成から、OSやアプリケーションの設定、セキュリティ製品の設定まで、一連のプロセスを効率よく処理できるようになった。

 各種設定は、JP1/Automatic Operationから仮想化ソフトやネットワーク、ストレージの管理ソフトに対してコマンドを発行して実施する。製品価格は、JP1/Automatic Operation、JP1/Automatic Operation コンテンツセットともに94万5000円~。

 新たに二つのサービスを加えた。「JP1 システム監視サービス」は、顧客システムに対して、日立の監視センターから24時間監視および予兆検知を行う。障害発生時の対処策については、顧客と事前に検討しておく。「センター側に蓄積した監視ログを分析し、システム増強計画の支援などにもつなげたい」(加藤氏)。価格は個別見積もりである。

 もう一つのサービスは、スマホやタブレット端末などスマートデバイスの資産管理やセキュリティ管理をSaaS型で提供する「JP1 スマートデバイス管理サービス」だ。12年9月に発表したSAPジャパンとの協業の延長線上にあるサービスで、モバイルデバイス管理(MDM)ソフトには「SAP Afaria」を用いる。価格は1台当たり315円(月額)~。