世界と似てきた日本

京都旅行の帰り、社会勉強のためネットカフェと夜行長距離の高速バスを利用してみました。どちらも(海外で利用したことはあるけど)、日本では初めて。

海外のネットカフェってオープンなお店が多く、発展途上国だと通りから中が見えてるようなところも多いし、中は大部屋です。個室が大半になりつつある日本のネットカフェとは雰囲気も(多分、用途も)全然違う。

韓国ドラマにも“PCバン”がよくでてくるけど、それも大部屋。もしかして、個室型のネカフェって日本独特なんでしょうか?


入ったのは京都の駅前。細長いビルで間口は狭く、奥にはマンガが無料で読めるスペースがあります。

1Fで受付をして2Fに上がると、中央の通路に面して右と左にぎっしりと個室が並んでいました。通路の幅はとても狭く、「ああ、火事があったら私は死ぬのね・・・」と思いながら、個室へ。


部屋は狭いけどこぎれいでした。これは受付や廊下も同じ。トイレも掃除が行き届いていました。「ちゃんとやってるなー」って感じ。

毛布が湿ってて気持ち悪くて使えなかったけど、後はOK。ただ、ちきりんは「閉所恐怖症」なんで、狭い個室で中からドアを閉めるとかなりの圧迫感で緊張しました。


私が選んだのは禁煙部屋でしたが、あそこでタバコ吸うのはちょっと信じられない感じです。煙が充満すると思いますが、火災報知器が鳴ったりしないのでしょうか。前に新宿のネカフェで火事があった時、たくさん犠牲者がでた記憶がありますが、かなり危なかしい感じです。


個室にはリクライニングチェアの部屋と、完全にフラットな(一応、寝られる)スペースのある部屋がありましたが、夕方の 8時、後者は満室でした。ちゃんと寝るために泊る人が多いんだなーと思いました。


廊下ですれ違う人は学生っぽい若い人が多く、みんなおとなしく、今風の若者でこぎれいでした。外人客もいました。受付のお兄ちゃんは、「Do you night course?」、「Do you reclining chair ?」、「Do you credit card ?」と、すべてを“Do you”で聞いてましたが、ちゃんと通じてました。

あと、女子が結構いたのには驚きました。京都の駅前だから、就活や観光のために来ているのかもしれません。シャワーを使おうとしている女性にも会って、若い子にとってはこういうところを使うのは普通のことなのね、と思いました。


私がいたのは夜行バスを待つ 2時間ほどですが、まあ若ければ旅行の宿泊にネカフェを使うのは悪くないかも。慣れたら熟睡できるでしょう。東京の繁華街のネカフェで一泊くらいなら体験してみようかなとも思いました。


★★★


その後、夜行の高速バスに乗りました。南米を旅行した時には、夜昼問わず長距離バスに何度も乗りましたが、日本では初めてです。

値段は新幹線の半額の 6000円程度。座席が狭いものでよければ、4000円くらいからあります。お金が無くても旅行できるのはすばらしいよね。


夜中の京都駅は、たくさんのバスとそれに乗る人達が集まり、昼間より混雑していてました。

「こんなことになってんのねー」と感慨深かったです。おそらく新宿や東京駅、大阪も同じ状態だと思いますが、日本もそろそろ「専用のバスターミナル」を作ればいいのにね。

(またしても韓国ドラマですが)ソウルにも大きなバスターミナルがあって、あちこちの地方に路線があるみたいです。ちきりんはバスもバスターミナルの雑然とした雰囲気も好きなので、日本ももっとバス路線が充実すればいいのにと思っています。


その昔、日本は「一億総中流」を目指していました。それなら飛行機と高速鉄道だけでいいんです。

でも、飛行機や高速鉄道に乗るのも、経済的に苦しいという人がたくさんいる国では、バス路線が発達しています。アメリカも、南米も、韓国もそういう感じ。

そういう国では、長距離バスに乗っているのは、飛行機に乗る経済力のない人、自家用車の持てない人、って感じです。


でも一定の経済格差を前提にすると、移動にも「大変だけど格安な手段」があった方がいいよね。収入側に格差ができるなら、支出側にも格差のある複数の選択肢が必要だということです。

今後、若者が(今の中高年のように、年をとるだけで)豊かになることはないし、どうせ豊かになるのはごく一部だけなんだから。


さて、高速バスの座席は予想以上に楽ちんで(飛行機より余程ラク)寝るのに問題はないけど、休憩のため夜中に何度も止まったり、朝の 6時に新宿の街に放り出されるのはちょっとつらかったかな。降りてすぐ、コーヒーくらい飲みたいのに売店もないし。

私が乗ったのは 6500円の快適バスですが、4000円未満のものはもっと大変なのかも。いずれにせよ、選択肢が多いのはいいと思います。規制緩和万歳!


そして翌朝の 6時過ぎに新宿駅西側で降ろされて思ったのは「日本も他の先進国とすっかり似てきたよね−」ってことでした。30年近く前、ちきりんが初めてイギリスなど欧州に行った時、たとえば、

「イギリスなのに、外人(イギリス人以外)がたくさんいる!」と驚いたけど、今日の新宿には一目でわかる外人さんもたくさんいました。

当時、「イギリスみたいな豊かな国でホームレス、多すぎじゃない??」とも驚いたけど、今日の新宿でもあちこちで見かけました。自販機横のゴミ箱から、残っているペットボトルを探してジュースを飲んでいる人もいた。

また昔は多くの先進国の都市において、「なんでこんなにゴミが散乱してるの? なんでこんな汚いの?」と驚いたけど、今日の新宿の道もめっちゃ汚かった。多数のゴミの他、吐いた後も複数見かけた。


「あー、日本も世界標準になったのね」と思った。少なくとも東京はそうなりつつある。


今でも世界と違うのは、

「外人が一人モンばっかり」=子供を二人つれた母親みたいな外国人ファミリーは、駐在系の多い港区以外ではまだあまり見ない。移民が少ないからでしょう。

「警察官が少ない」=ピストルを抜いてるところもほとんど見ないし、日本の警官は力を誇示してる感じがないよね。

あたりですが、この辺も“世界標準”になるのはそんなに先ではないのでしょう。


昔はドヤにいかなければ見つからなかった格安宿泊所がメインの駅のすぐ近くに多数でき、飛行機や高速鉄道の半額や3割ちかい値段の夜行バスが大流行で、

以前は「日本って、なんでこんなに世界と違うんだろ?」と思うことばっかりだったけど、最近はそうでもなくなってきた。


そういうことね、と思います。


そんじゃーね。