本日決算と合わせて総額8.6億円の従業員への
決算賞与の支給についてもリリースしました。

当社は年俸制を採用していて、通常賞与の支給を

行っておりませんでしたが業績が期初の予想を

大幅に上回ったこともあり、イレギュラーな形での
決算賞与の支給を行いました。

私個人の考えとしては、総合的にみると
給与の話はあまり公の場で話すべきではないと

考えていますが、「基本的な考え方」を一度だけ、
ブログに書いておこうと思います。


まず私たちが事業を行うネットビジネスは、

大規模な設備投資(土地、工場、資材、物流など)
を必要とせず

わずかなPCやサーバーなどのコストを除けば、

大半の必要投資は人件費であり、それと同時に

人材自体(情熱、アイデア、営業力、技術力、
マネジメントなど)がそのまま競争力
になります。


高成長を目指す経営者ならば、当然
将来の成長に向けて、得た収入を再投資すべきです。

ただし上述のように、

大規模な設備投資を必要とせず
企業文化的な理由から

大型のM&Aをしない方針である
当社の場合、
人材への投資が将来成長に向けての

正しい投資と私は考えています。

だから好業績の際には今後も同様に

決算賞与を検討していくつもりであり、

従業員の平均年収を上げていきたい
とも考えています。

週刊誌などの「平均年収ランキング」

みたいな特集を見ると、歴史ある一流企業と

比較すればまだ低いですが、当社は
創業13年目の成長企業であり、従業員数が、
わずか数名から末広がりに約1800名まで
増え続けてきたことで勤続年数、平均年齢も
今はまだ若いので、平均年収をあげて
いけるかどうかはこれから次第です。


ただ年収を上げていくといって誤解されては

困るのですが、優秀な人材の獲得、
つなぎとめが目的ではありません


それはむしろ逆で、本来当社の企業文化に
合わない人材が入社を希望したり、
合わなかった人材が辞めるのを思いとどまる
のはお互いにとっての不幸であり、
そのリスクのほうを心配しています。


社員の年収が高い優良企業を見ていて、

私が常々感じていたのは、社員の「粘り」が違う
ということです。

製作にしても、

交渉ごとにしても、

運用にしても、

努力をしている会社はたくさんありますが、
最後の粘り強さは、決定的な差別化と競争力を
産み出し、
勝敗の大半を決めると思ってます。

リリース直前まで僅かでもクオリティを上げる

ことを諦めない製作力。

少しでも良い条件を引き出すためなら

最後まであらゆる努力を惜しまない交渉力。
ひとときも集中力を切らさず、地道な改善を
積み重ねて
いくような運用力。


そこで働く誇りや責任感が成せる業であり、
その「粘り」を引き出すためだけでも

人材に投資をする意義は十分にあると思います。


何にしろ個人的には、

サイバーエージェントの経営者として

これがずっとやりたかったことなので、感無量です。



なお、本日同時に増配と自社株買い(30億円)を
発表しております。